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熱血!大冒険大陸  作者: 葵 竜野介:茶々組
Ⅱ.武闘大会編
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55/58

04:戦慄! 悪の大冒険帝国 ①

おまたせしました!

第二部「大冒険武闘大会編」第4章1話目、です。

 ――闘技場では今まさに戦闘(バトル)の真っ最中である。戦いの熱気で見ている観客も異様に盛り上がり、彼等の歓声や怒号が外にまで大きく響いてくる。


 その盛り上がる闘技場の前――入口に繋がる大きなメイン通りも異様な喧騒でかなり盛り上がっている。

 たくさんの屋台にたくさんの人々。

 大声で騒ぐ声とあちこちから漂ういい匂い。

 ――武闘大会というお祭り騒ぎに、街中が…いや国中自体がテンション爆上げ状態である。


「しっかし…」


 そんな人混みの中、大きな宣伝用旗を邪魔にならないよう小さくまとめて抱えているアルフレッドの口から、

「すごい人だな」

 という素直なつぶやきがもれる。

 そのつぶやきをかき消すかのような怒号が闘技場からもまたもれてくる。

「闘技場(コロシアム)の方も盛り上がってるし…」

 その歓声を聞きながら、横を歩くアリスに向かって、

「他のパーティ、本当に見なくていいのか?」

 と聞く。

「いーのいーの」

 アリスはアルフレッドの方など全く見向きもせず、手元にある大量の賭け札の枚数を真剣に数えている。

 その束になってる賭け札には全て『勇者アルフレッドと美しき仲間達』と書かれている。

 つまり、自分達の勝利にこれだけの金を賭けている…ということだ。

 損得勘定に鬼の様に厳しいアリスがこんなにも自分の札を買っているということは、相当自分達の勝利に自信があるというコトなのだろう。


「あーんな弱っちい奴らに金出してまで見る必要ないわよ」

 ぺぺぺぺぺ…と賭け札をまだ数えながら

「まったくぅ…一人10Gなんてボッタクリもいいとこよね」

 と、ブツブツつぶやいている。


「でもぉ」

 クララがそんなアリスの手元を見つつ。

「そんなにお金持ちなんだもん、一回くらい見てもいいんじゃない?」

「もったいない!!」

 クララの言葉にかぶせ気味に叫ぶアリス。

「これを元手にもっともっと儲けるんだから、無駄遣いなんてできないわよ」

 手に握った賭け札をピラピラと振りながら言い切る。

「…でも十分儲けたんだろ? 今日の分で…」

 というアルフレッドの言葉に、

「とんでもない!!」とさらにかぶせて叫ぶアリス。

 そして…

「このトトカルチョって4回戦までは『どっちが勝つか』の少額カケなんだもん」

 アリスが賭け札を握りしめながら悲し気に語る。

 目尻には涙までうっすらと滲んでいる。

「ただでさえ賭率悪いし、おまけにあたし達ってば優勝候補なもんだから、さらに低率になるし…」

 …確かに、対戦相手の聖騎士パーティは5倍以上の賭率だったのに、自分達の方は1.2倍程度だった。そんな程度ではとても大儲けできるとは思えない。

「預金全部賭けてもこの程度…。ああ…強すぎる自分が恨めしい…」とつぶやくアリスは、とうとうしくしくと涙を流す始末。


 だが…

「だからね、最後の5回戦が勝負なわけ」

 いきなりコロッと表情を変え、掌を大きく広げ「5」を強調するアリス。

「5回戦って…準決勝じゃないか?」

 最後じゃないぞ? とアルフレッドが不思議そうに首をかしげる。

 その言葉に、

「賭けはそれが最後なの」

 と、先程の涙はどこ行ったというくらいの笑顔でアリスが答える。

「A・B両ブロックで4チーム残るでしょ」

 そして両手をきゅっと握ると胸元に添え、キラキラと瞳を輝かしながら説明を始める。

「残った4チームのうち、どこが優勝するかの賭けになるから倍率も高くなるし…おまけにそれをさらに倍にしてくれるってーのよ!!」

 倍率ドン!さらに倍!! …何て素敵… と、キラキラキラと輝く瞳、うっとりと頬染める表情…まるで恋する乙女のように語るアリスだが…言ってることは所詮金儲けの話である。

「もぉサイコーでしょ♡」

 …そう、アリスにとってはどんな話よりも心躍る最高の話なのであろう…金の話は。

 そんなアリスの姿を「は…はぁ…」と曖昧な相槌を打ちながら見ているちょっと苦笑気味のアルフレッド。

「だから!」

 そして、そんな恋する乙女の表情からいきなり真顔になり…

「そこで大金せしめるためにもめいっぱいお金をためとかなきゃいけないのよ」

 そう言うと、振り向いて、

「わかった? クララ…」

 …と、クララに釘を刺す。


 …が…


「ねぇねぇ♡」

 念押しのアリスの言葉にかぶせるように、クララの弾む声が重なる。

「お金あるならあのロッド買ってよー♡」

 嬉しそうに魔法の道具屋の店頭に並ぶ『一本限り!』と宣伝ぶっているきらびやかで可愛らしい魔法の杖(マジック・ロッド)を指さすクララ。

 全然こっちの話を聞いてないそのクララの姿にアルフレッドもアリスも思わず脱力している。

 …てか、店頭に並んでる客寄せパンダ用の杖(ロッド)である。

 無意味に高額で0の数が異様に多い値札がついているような商品だ×

「無駄遣いはダメ!!!」

 人の話聞いてんの!? と青筋立てながらクララに迫るアリス。

「えー、でも可愛いんだよ♡ 『月光の杖』って言ってね、ちょっと高いけど…」

「あんたロッドなんかいらないでしょ!!」

 …月よりの使者あたりが代わってお仕置きしそうな、可愛いけどそれ程実用的でない杖に高額な金を出す気などアリスには全くない。

 何よりも、クララは胸に大きなペンダント型の魔法石を着けている。

 魔法石は魔法使いだけでなく、僧侶や魔法剣士等、魔法を使用する職業の者が持つアイテムである。

 クララのペンダントのような装飾品の形だったり、武器や装備に装着したりして、魔法の発動率を上げ、魔力行使時の精神力の負担を減らす効果がある物なのだ。

 もちろんモノによってピンからキリまである。

 質の高いモノは当然高価だし、その分効力はかなり高くなる。

 クララの持つ魔法石はかなり上等な物で、わざわざ効果の低いクズ魔法石の付いたロッドなど持つ必要などないレベルのモノなのだから。

 だが…

「……でも…ほしいんだもん」

 指を口元持ってきて、上目遣いにねだるクララ。

 彼女にとって、魔法石の質よりも可愛らしさが優先されるようだ。

 …まぁ、クララ程の魔法使いなら、魔法石に頼らなくても充分強力な魔法が使えるので、自分が持つ物には質よりも見た目重視になるのかもしれないが。

「却下!!!」

 だが、アリスは一言で決断を下す。

 損得で物事を判断するアリスにとって、損にしかならない買い物など悩む必要すらない案件なのだ。

「そんなぁ…」

 ぐずぐずと泣き出すクララ。

「アリス…少しくらいいいじゃないか」

 え~んアリスちんのケチンボ~と言いながら泣きつくクララに同情したアルフレッドが彼女の頭を撫でて慰めつつアリスを説得する。

 …まぁ、その高額では「少しぐらい」という金額ではないレベルなのではあるのだが。


 ……だが…


 ずい!!


 …と、アリスはアルフレッドとクララの目の前に一枚の賭け札を差し出す。

「欲しかったら自力(●●)でコレを殖やしなさい。一枚あげるから♡」

 ふふん♡ と、上から目線の皮肉めいた笑顔で差し出した賭け札は…

『勝者投票券・勇者アルフレッドと美しき仲間達』

 …と書かれた1G(ゴンス)札…そう、最低価格のたった一枚のみ。

「……お前…ほんっとーぉにケチ(●●)だな…」

 そのたった一枚を受け取ったアルフレッドがつい心の底から湧いて出てきた感想を述べてしまう。

 その後ろで「どーやってふやすのよぉ! たった一枚だけでー!」とクララも文句を言っている。

 その二人の反応にぴくっ!と笑顔を固め、ゆっくりと怒りのオーラをまとうアリス。


「なーんですってぇ!! いい度胸ね! あたしにケンカ売ろーってぇの!? タダ(●●)ならいくらでも買ってやるわよ!!!」

「うわ~! お…落ち着けアリスぅ~!!」

 そして立て板に水の勢いで、アルフレッドが無意識に売ってしまったケンカを(無料でw)買うアリス。

 もちろんそのままの勢いで流れるようにアルフレッドに思いっきり攻撃する。

 殴られまくりながら、必死でアリスを止めるアルフレッド。

 だがアリスは全然止まらない。

 人通りの多い路上での殴り合い…いや、一方的なケンカと言う名の制裁に、あっという間に見物人が集まる。

 ただ見ているだけでない。止めようとする見物人よりも、煽って盛り上げる見物人の方が多い。ケンカしている本人達だけでなく、見物人も大声を出しているため、最初ザワザワぐらいだった騒ぎがどんどん大きくなる。


 そんな人々が大量に集まりふさいでいる道の端を、ふぅ~と大きなため息をつきながら避けるように通り抜けていくラルシオン達。

 疲れ切っている3人は、あちこちで起こっているケンカや喧噪に興味など全くない。

「な…なんか今日はどっと疲れたわね…」

 はああぁぁ…と何度目かのため息と共にラルシオンがつぶやく。

「そーだね」

 バトルジャンキーのギルでさえ、疲れた声で返事する。

「でもよかったね♡ 自分の勝ちにお金かけてて」

 ティムが疲れ切った二人を慰めるように、殊更明るく話しかける。

「あたしなんか2G(ゴンス)が10G(ゴンス)になったんだよ♡」

 2G(ゴンス)は約200円、10G(ゴンス)は約1000円くらいだ

 子供のお小遣いが一気に5倍になったのだ。

 ティムは心底嬉しそうである。

 …が…

「…それって、あたし達は弱いって思われてるコトなのよ」

 ラルシオンは疲れ切った声でそう答える。

「…? そうなの?」

 ティムはきょとんとした表情でラルシオンの顔を覗き込む。

 トトカルチョの倍率表の自分達パーティの数字は「5.0倍」となっていた。

 相手パーティ…竜召喚士(カルダモン)の方は確か1.5倍くらいだったハズだ。

 それだけ…竜(ドラゴン)の脅威に、確実にラルシオン達のパーティが負けると皆に思われていたのだろう。

 …それだけではない。

「…ったく…あーんな化物までいるなんて…」

 苦々しくつぶやくラルシオンの脳裏には、ぐわはははは♡ …と高嗤いを上げるあの筋肉魔法使いと、いけ好かねぇその仲間である奴等の姿が浮かぶ。

 どう考えても自分達の力が及ぶワケもないあの強者達の姿が。

「…優勝なんて夢のまた夢よね…」

 はぁ…とまた大きくため息をつくラルシオン。


「おおーい、ラルシオーン!!!」

 そんなラルシオン達に後ろから名を呼ぶ大きな声が。

 振り向くとそこには…

※下の方 ↓ に、原作マンガや同人誌が読めるサイトや、Twitter(X)のリンク先が貼られています。

よかったらぜひ、のぞいてみてくださいませm(_ _)m


挿絵(By みてみん)


第二部「大冒険武闘大会編」第4章1話目です♪ お待たせしましたw 新章です。

…ですが…スミマセン。タイトル詐欺ですorz

『悪の大冒険帝国』と言いつつ、そこら辺までは持ってこれませんでした。

次のお話あたりから帝国の真相が出てくる予定ですw

ぜひ、ご期待くださいませm(_ _)m



あと…10月の参加予定イベントは…


10/18(日)COMIC1☆29・「茶々組&初心の会」K11b(南3ホール)


…です!  ウマ娘とかトリッカルとかの新刊あります。もちろん、大冒険の新刊も! 参加される方、ぜひ遊びに来てくださいませ! よろしくです。

11月も申込済イベントがあります。ちょこちょこ参加しながらの更新になりますので、うっかり投稿忘れとかならないよう気を付けますw


ではでは。次回、無事更新できましたらまたお会いしましょう。

よろしくお願いしますm(_ _)m



あと…最後にお願いがw


このお話を見て、もしよかったと思って頂けましたら、ぜひ、下にあります『評価(☆☆☆☆☆)』ボタンを押してやってくださいませ。

リアクションマークもぜひw 感想やレビューとかもお待ちしております♪

よろしくお願いいたしますm(_ _)m

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原作マンガ、電子等で読めますw
「熱血!大冒険大陸」
DMM版、kindle版、他、お好きなプラットホームでぜひ♪
とりあえず、どんなのか見るだけでも…という方は、 帰ってきたマンガ図書館Zで見れますw
あと、続編的なというかスピンオフ的なというかそんな同人誌も出してます。
同人イベントか、電子で良かったら見てやってくださいませm(_ _)m
…詳細情報はHPよりもTwitter(X)の方が早いのでw、ぜひそちらものぞきに来てくださいませ♪
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