03:謎の強者(つわもの)たち ②
第二部「大冒険武闘大会編」第3章2話目、です。
タイトルにはルビが付けられないのにルビがあるので…(^_^;)
正確には…
03:謎の強者たち
…と読んでくださいませm(_ _)m
そんな入口の騒ぎの後ろから、Bブロックの観客の大歓声が轟く。
…果たして…Bブロックの闘いは、いったい…?
会場内に響くワアアアアア!という大きな歓声とは対照的に、
『こ…これは…』…と、何とも言えない微妙な声音のアナウンスが響く。
そして、同じように何とも言えない表情のまま固まってるラルシオン達も立ちすくんでいる。
その目の前で…
「ぎゃーっ! なに…何をするー!!! オ…オレはエサぢゃねぇーッ!!!」
切羽詰まった竜召喚士カルダモンの叫び声を全く無視して…呼び出された竜は己を使役するハズの竜召喚士を口に咥え、もっぎゅもぎゅと丁寧に租借をしている。
おどろおどろしいハズのドラゴンマスターの「いやぁーっ」という絹を裂くような悲痛な叫び声が会場に響き渡る。
…そして…
「やめてぇぇぇぇぇ…」
…というくぐもった悲鳴と共に…
ぎょっくん!
…と、竜の喉から竜召喚士を嚥下する音が。
それを点になった目で見つめていることしか出来ないラルシオン達。
竜は、自分を使役する竜召喚士を飲み込むと、それで腹が膨れたのか…
げっぷ!
…と大きなげっぷを吐くと、そのまま、何者にも縛られない自由さで、ゴゥッ!と翼を羽ばたかせて空に浮かぶと、ぼけーっと見ているラルシオン達の前から離れていく。
ばっさばっさばさ…という大きな羽ばたきの音を響かせて。
『…え…えー…』
その、自由気ままに去って行く竜の姿を追う様に、力のないアナウンスの声が闘技場に響く。
『第一回戦第一試合…カルダモン選手戦闘続行不能により…』
その力ない言葉が、竜が起こしたゴオオォォ…という風の音の響く闘技場の中で立ち尽くすラルシオン達の上空を上滑っていく。
『大冒険村代表パーティの勝利といたします…』
その戸惑いの含むアナウンスの言葉に、それでも観客達は、オオオオオオオ!!! と盛り上がる。
「ふふっ…」
そんな騒ぎが逆に大きく響く、闘技場に向かうほの暗い通路の中で、薄く笑う声も小さく響く。
「なんだ? 今のが戦いか?」
「……とんだ茶番だな」
レイアの言葉に同意するウェルダン。
薄暗い通路から先に見える闘技場を眺めながら、皮肉めいた笑いを浮かべつつ。
暗い通路にはさりげなく警告の紙が掲示されている。
『-警告- 闘技場外での魔法・武器の使用はこれを固く禁ず』と掲示されているその紙には『大冒険王』と署名されている。
…おそらく、血気盛んな参加者達が暴れるのを防ぐための王命なのであろう。
王の名で命じてなければ、これだけ興奮して盛り上がっている状況ではあちこちで魔法の火柱の一つや二つ、立ってしまいそうなものである。
…それも、参加者だけでなく一般の観客やそれこそ街中の庶民の間でも…。
それだけ、この街中…いや、国中がこの武闘大会に熱中しているのだから。
『――続いて第一回戦第二試合を行います。出場パーティの方は……』
そんな盛り上がる会場に響くアナウンスの声。
「出番ですよ、皆さん!!」
そのアナウンスの声は通路にも大きく響く。その響く声を聞き、ミディが二人を促す。
「…よし!」
レイアは自身を促す言葉に、ぱしっ!と自身の手を合わせると、
「行くぞ!!」
と気合を入れる。
「おう!」
とそれに応えるウェルダンとミディ。
その通路を明るい闘技場に向かってゆっくりと歩き出す。
…対照的に、その明るい場所からとぼとぼと戻って来るラルシオン達。
はああ~と大きなため息と共に。
「…なんか…情けない勝ち方だね…」
「それでも勝ちは勝ちよ…」
…確かに勝ちはした。だが…とても勝利の高揚感などない。
何もせずボンヤリ目の前の出来事をただ見ているだけで転がり込んで来た勝利など、とても手放しで喜べるモノなどではない。
むしろマトモな感覚を持つ人間なら恥ずかしいくらいである。
一応冒険者であるラルシオン達も、こんな勝ち方、なけなしのプライドが許さない。
…だが、プライドで飯は食えないのだ。
とにかく勝ち続けなければならない。そうでなければ、村の連中からの恐ろしいまでの圧がこの先果たしてどうなっていくのか…想像しただけでも恐ろしいコトになりそうで、ゾクッとラルシオンの背筋に寒気が走る。
納得はしないが、とりあえず勝ったという事実に安堵する。
…だが、安堵したその己の心持ちにも恥ずかしさと悔しさがつのる。
そんな複雑な気持ちを抱え、とても勝利者とは思えない様子で…肩を落とし、視線も足元に落としながら力なく歩くラルシオン達。
そんなラルシオン達とレイア達が通路ですれ違う。
狭い通路で軽く肩がトンと当たる。
「失礼♡」
レイアの言葉に周囲を見ていなかったラルシオンが「――へ?」と振り向く。
…と…
ふふん♡
こちらを振り向いたレイアの鼻で嗤う姿。
完全にこちらをバカにした表情に、ラルシオン達も思わずむっと顔をしかめる。
そのまま去っていくレイア達の後ろ姿をにらみつけるように見ながら、
「…な…」という言葉しか出てこないラルシオン。
「今の見た…?」
普段は温厚なティムでさえ眉をしかめている。
「あきらかに人を小バカにした表情ね…」
ラルシオンも思いっきり顔をしかめている。
…確かに、褒められる様な勝ち方ではなかった。
だが、だからと言って、見も知らぬ奴等にバカにされる筋合いは無い。
…自分達もちょっとは情けないとは思うが、そこのところは取りあえず棚に上げて、このやり場の無い感情を今すれ違った見知らぬ嫌な奴等にぶつけるように愚痴る。
…完全に八つ当たりである。
そんな文句を言い合うラルシオンとティムの後ろで微かに震えていたギルが…
「ブッ殺してやるぅぅぅーッ!!」
…と絶叫!
その可愛い人形の怒声の勢いにラルシオンとティムは思わずひっくり返る。
そして、そのままレイア達の進んでいった闘技場側にUターンして突進していきそうな勢いのギル。これから第二試合が始まるというのに、その勢いで闘技場に乱入してはまずいと、必死で押さえつけるラルシオン。
「はなしてよ、ラルちゃん!!!」
「バカッ! やるなら試合でやりなさいっ!!!」
何とか闘技場の入口ギリギリでギルを止めながらラルシオンも物騒なセリフを吐く。
そんな風にバタバタと騒いでいるうちに…
『第二試合…はじめ…!!』
アナウンスの試合開始の声が大きく響く。
「あんな小娘なんか丸裸にひんむいて男の恐ろしさをたっぷりと味わわせてからブッ殺してやるんだーッ!!!」
「ゆがんでるわよ、あんた!!!」
…だが、そんなアナウンスを尻目にギルが下劣な叫びを上げ、慌ててそれをラルシオンが止める。
とても可愛い人形の口から出た言葉とは思えない内容だが…多分口だけだろう。
実際、男の怖さ云々の以前に人形如きにそんなコト出来るハズもないのだから。
だが、うら若き乙女でもあるラルシオンとしては自分の身内の口からそんなえげつない言葉を吐かせるワケにはいかない。というか聞きたくもない。
そんなワケで人形の首をめいっぱい締めてでも止めようとしている。
…そんな二人のやり取りの後ろで…
オオオオオオオオオ!
突然、客席の歓声が上がる。
その音量に、思わずラルシオンの人形の首を締める手に無駄に力が入る。
「な…何!?」
闘技場への入口近くでもめていたラルシオン達は、その騒ぎの原因を直接目にする事が出来た。
そう…その闘技場の中では……
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第二部「大冒険武闘大会編」第3章2話目です♪
武闘大会第1試合…Bブロック・ラルパーティの試合結果と、そして…!? …というお話でした。
次回は謎の強者達の戦いは…!?…ですw ご期待くださいませ♪
いろいろと天災に振り回される9月ですが…皆様ご自愛くださいませ。
一応そんな日々ですが、今月もイベントに参加する予定です!…当選したら…orz
とりあえず、申込済の参加予定イベントは…
9/22(火・祝)スーパーヒロインタイム2026秋「プリティーステークス47R」(ウマ娘)
9/27(日)サンシャインクリエイション104・2026 Autumn
…です! ウマ娘とかトリッカルとかの新刊あります。大冒険も!? ぜひよろしくです。
10月~12月も申込済イベントがあります。ちょこちょこ参加しながらの更新になりますので、うっかり投稿忘れとかならないよう気を付けますw
ではでは。次回…来週も忘れずに無事更新できましたらまたお会いしましょう。
よろしくお願いしますm(_ _)m
あと…最後にお願いがw
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よろしくお願いいたしますm(_ _)m




