03:謎の強者(つわもの)たち ①
第二部「大冒険武闘大会編」第3章1話目、です。
タイトルにはルビが付けられないのにルビがあるので…(^_^;)
正確には…
03:謎の強者たち
…と読んでくださいませm(_ _)m
ガキャッ!!!
紅い疾風が駆け抜けると同時に、硬い金属の破壊音が響き、ガタイの良い戦士が思いっきりふっ飛ばされる。
別の男が、その疾風のように駆け抜ける女戦士バーバラの後ろからダッ!と駆け寄り襲い掛かる。
その音に反射的にくるっと振り向くと、手にした剣をチャッと回転させ、硬い魔石が埋め込まれた柄の方を上に向け…
ガス!!
…と、突っ込んでくる戦士の腹に勢いよく叩きつけるバーバラ。
「ぐっ…ぐはっ!!」
腹を思い切り殴られ、男は身体をくの字に曲げてその場に倒れ込む。
そんな風に、次々と一瞬で沈黙させられた傭兵達があちこちに転がっている。
あっという間に無力化されていく味方の姿を馬上から見ていた立派な鎧を付けた聖騎士マーズは…あまりにも早い制圧戦に顔色をどんどん無くしていく。――フルフェイスの兜に隠れているお陰で、脅えて青ざめている己の顔色を表に出さずに済んでいる事だけにはホッとしているのだが。
だが、馬上で震えているだけではいられない。
「――くっ…くそぉ!!」
とうとう味方を全て無くした聖騎士マーズは、自らの手にある立派な槍を大きく振り被り、バーバラに向かって突っ込んでいく。
ブン!! と重く風を切る音を立てて重厚な槍がバーバラに向かって突き刺さる。
…が、その槍の攻撃をバーバラは事も無げにスッ…と軽く避ける。
そのままガッと地面に刺さった槍のすぐ横をすり抜け、一気に馬上のマーズとの距離を詰める。
バーバラのそのあまりの速さに、狼狽え思わず馬上から転げ落ちるマーズ。
だがバーバラは全く動じることなくその動きに合わせ、彼女の鋭い剣先は、マーズのしっかりと防御されている鎧の隙間をガキッと捉える。
その剣先は、マーズの鎧の隙間からのぞく喉仏を切り裂く寸前でピタッ!!…と止まる。
マーズの鎧の隙間から汗が滴り落ちる。
「―――ま…」
その声がかすれる。
「……まいった」
地面にドスッとへたり込み、マーズは負けを宣言する。
その瞬間、固唾を飲んで見守っていた観客が、
ウオオオオオオ!!!
…と雄叫びを上げ、一斉に盛り上がる。
マーズの宣言に、汗も一切かいていないバーバラはスッ…と剣を引くと鞘に戻す。
そんな冷静なバーバラの後ろに控えるアリスは、その様子にうんうんと満足そうにうなずいている。
『すっ…すごい!! ブッチギリ!! 「勇者アルフレッドと美しき仲間達」、息もつかせぬ勝ちっぷり!!』
アナウンスの興奮したセリフにも、扇子をバッと広げ「ほほほほほほ♡ とーぜんよね♡」とご機嫌に高笑いのアリス。
『まさに無敵! 下馬評どおりの展開です! 勇者が出るまでもなく軽く一勝しました』
「あったりまえじゃない♡」
アリスは広げていた扇子をぱしっとまとめて手でたたきながら、アナウンスにツッコミを入れる。
「なんてったって攻守バランスのとれた完璧パーティだもん」
「こ…攻守バランス…ったって…」
そのアリスの言葉に思わずアルフレッドがつぶやく。
「アリス…お前『守り』なんて何にもしてないくせに…」
僧侶だろ? 一応 …と小さくツッコむアルフレッド。
…というか、僧侶が『守り』を行う必要がないくらい『攻め』の戦士が圧倒的かつあっという間に勝負を決めてしまったのだが。
そんなアルフレッドの弱々しいツッコミの言葉に
「アルフだって何もしてないでしょ」
と、ご機嫌だったアリスがちょっとムッとした顔で反論する。
「そ…それはアリスが戦うなっていうから…」
「当然でしょ!!」
アリスがアルフレッドの言葉にかぶせる。
「あんたが下手にみっともないとこ見せたら『勇者』の価値が下がるでしょ!!」
そしてグイっとアルフに詰め寄る。
「どーせ弱いんだから戦闘は全部バーバラに任せてあんたは大人しく大将やってりゃいいのよ!!」
一気にそう言い切ると、話は終わったとばかりに、くるっとアリスは前を向きアルフレッドに背を向ける。
「おっ…俺だってやるときゃやるぞ!!」
そのアリスの後ろ姿にアルフレッドが反論する…が…誰が聞いても負け犬の遠吠えである。
「はいはい」アリスはその遠吠えを完璧に無視状態でさっさと先へ進む。
「……それにしても…」
アリスはふと通路の向こうから聞こえる歓声の方を伺う。
その通路の壁には『B』と大きく書かれている。
「Bブロックもずいぶん賑やかね」
壁の向かうから、ワーワーと騒ぐ声が一際大きくなる。
「見に行ってみましょーか」
そう言うとすたすたと先に進むアリス。
「だから俺だって…」というアルフレッドの言葉にも相変わらず「はいはい」と軽く適当な返事であしらいながら。
「――でもさぁ」
そんなわちゃわちゃと話ながら進むアルフレッドとアリスの後ろで、クララが振り向きながら、無言で後ろをついてきている今回の立役者・バーバラに話かける。
「バーバラ、今日は殺らなかったね」
何で? と素直に問いかけるクララに、進む速度を変えずにすたすた進んでいたバーバラは、そのままクララと並ぶ位置まで来るとそちらに顔を向けちょっと苛立った表情で答える。
「あんな弱すぎる奴ら…本気になるのもバカらしい」
ムカムカした様子で切り捨てるように言い切る姿は、一対多数の状況で完全勝利したという素晴らしい今回の戦いすら本人的には満足ではないという表情だ。
…さすが、強者を屈服させるのが大好きな女王様気質のドSである。
「冷静だな」
いつもは戦闘と言うだけでテンション高く狂戦士化するバーバラのその様子に「めずらしい」とアルフレッドもつぶやく。
「実力の差がありすぎなんだもん」そんな様子ににこやかに会話に加わるアリス。
「ま、その方がいいけどね」
そしてバーバラのその冷静さを評価する。
確かに冷静に対処出来ればいい事である。
特に戦いの場では。
ただし冷静さを求めすぎると…「ストレスたまると逆にキレるけどね」とバーバラの面倒な性質をアリスは的確に指摘もするが。
そんな会話を続けながら歩いているとBブロックの観客席入り口近くまでいつの間にか来ていた。
「人間、冷静が一番よ。キレたら損するだけだもん」と、アリスが会話の最終結論を語る。
…完全にアリス個人の判断基準である損得について語っているだけであるが。
「40Gになります」
そんな会話の結論に被せるように入り口の受付嬢が爽やかな声で告げる。
「……は?」
「――ですから40G♡」
ドスの効いた低いアリスの問う声に、全く動じることなくにこやかに同じ言葉を継げる受付嬢。
…ちなみに40Gは約4000円程である。
この手の観覧代としては決して高すぎるワケではないのだが…
「何でよ!!」
アリスは納得いかない。全力で抗議の声を上げる。
「ですから入場料が一人10Gですので…4人で40G」
「入場料って…あたし達出場者よ!!」
「出場者の方でも観戦される場合はいただく事になってまして……」
だが、アリスの抗議にもにこやかなスマイル0円の表情を崩さず、受付嬢はさりげなく掌を出し支払を促す。
「なーんですってぇ~…」
だが…その相手の冷静な対応にアリスの頭の血管はブチッと音を立てて切れる。
「ちょっと何なのよ! 誰の為にこーやってがんばってると思ってんの! こーんなに健気な私達からまで金巻き上げよーなんて何考えてんのよぉ!」うっきー!!!…と怒涛の文句を息継ぎなしで叫び続けるアリスと、
「お…落ち着け!! 冷静になれ、アリス」…と、全力で止めつつ受付嬢の前から引きずり出すアルフレッド達。
――「冷静が一番」と語っていたハズの本人が損得勘定そっちのけで一番ブチ切れているのだから、果たしてその持論は正しかったのかどうか…。
騒がしくキレ散らかしながらずるずると目の前から下がっていくその有名な集団をにこやかな笑顔を顔に浮かべ固定したまま「………」と無言で見送る受付嬢。
…つまりこの中で一番冷静で一番損をしていないのはこの受付嬢という結論になるのだろうか…?
そんな入口の騒ぎの後ろから、Bブロックの観客の大歓声が轟く。
…果たして…Bブロックの闘いは、いったい…?
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よかったらぜひ、のぞいてみてくださいませm(_ _)m
第二部「大冒険武闘大会編」第3章1話目です♪
武闘大会第1試合…Aブロック・アルフパーティの試合結果は…!? …というお話でした。
…何とか無事更新出来ましたw …間に合って良かったです(^_^;)
次回はBブロック・ラルパーティの試合!?…ですw ご期待くださいませ♪
9月に入りましたね~。9月もイベントに参加する予定です!…当選したら…orz
とりあえず、申込済の参加予定イベントは…
9/22(火・祝)スーパーヒロインタイム2026秋「プリティーステークス47R」(ウマ娘)
9/27(日)サンシャインクリエイション104・2026 Autumn
…です! ウマ娘とかトリッカルとかの新刊あります。大冒険も!? ぜひよろしくです。
10月~12月も申込済イベントがあります。ちょこちょこ参加しながらの更新になりますので、うっかり投稿忘れとかならないよう気を付けますw
ではでは。次回…来週も忘れずに無事更新できましたらまたお会いしましょう。
よろしくお願いしますm(_ _)m
あと…最後にお願いがw
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よろしくお願いいたしますm(_ _)m




