02:大冒険武闘大会 ③
第二部「大冒険武闘大会編」第2章3話目、です。
『それでは…Aブロック一回戦第一試合…』
そんな不穏な空気の中、アナウンスの声が大きく響く。
『始め!!!』
その声と共に、
オオオオオオオ!!!
という地響きのような観客の声も上がる。
「Aブロック…かなり盛り上がってるみたいね…」
――横のAB隔てる大きな壁から響いてくるその観客達の声を聞き、ラルシオンは眉をしかめながらつぶやく。
自分達のいるBブロックももうすぐ試合が始まる。
あんな風に盛り上がる試合になるのだろうか…いやそもそも試合の形になるのか? このパーティで…とラルシオンは不安を募らせる。
「…ねェ…ラルちゃあん」
そんなラルシオンにティムが眉を下げ、困り顔で声をかけてくる。
「この服…ちょっと恥ずかしいんだけど…」
ティムは顔を赤らめもじもじと恥じらっている。
短い子供サイズの魔法使い用マントの下は、冒険者向けの動きやすい服になっている。
ノースリーブの上着には軽い胸当てがついてあり、下は女性冒険者がよく着ているスリットが大きく腰まで切り込まれている形の服だ。
いつもの普段着とは違い、足も露わになるその形の服が着慣れていなくて、ティムからしたら恥ずかしいのだろう。
ましてや、これから大観衆の前にその格好で出ていくのだ。どんどん羞恥心が沸き上がっているらしい。
「そーだね♡ も少しでぱんつ見えちゃうもんね♡」
そんなティムにギルは無神経な感想を…
どぐぉッ!!
その瞬間、そんないい音と共に真っ赤な顔で怒るティムが放った魔法弾が人形の全身にヒット!
ぷすぷすと焦げ臭い煙を上げてギルがその場にひっくり返る。
そんな様子に、客席からおおおおおーっ!という声が上がり。
『おおーっと!!! 無名の新人「大冒険村代表パーティ」、気合十分だーッ!!!』
…そんなアナウンスも聞こえる。
ラルシオンも、怒るティムにまぁまぁと声をかける。
「長老がわざわざくれた服じゃない。きっとすごい秘密でもあんのよ♡」
とティムの気持ちをなだめるように軽くウインクするラルシオン。
「そーかなぁ…」
ティムは半信半疑に眉をよせる。
「そうそう♡」
そんなティムにラルシオンは適当に返しながら前に進む。
そんなラルシオンの姿を低い位置から見上げるティムはその後ろ姿を、
「………」
…と、何やらじっと見ている。
「…ねぇラルちゃん。前から聞きたかったんだけど…」
「何?」
ティムのためらいがちな問いかけにラルシオンは気軽に応じる。
「その格好…恥ずかしくない?」
そのシンプルかつ真髄をついた問いに思わず、ずだあんっ!とズッコケるラルシオン。
「ななな何てコトゆーのよっ! ティムッ!!!」
「ええーん× ちょっと聞いてみただけなのにぃ~」
思わずティムに拳骨を食らわせるラルシオンと泣きながら頭を抱えるティム。
…ラルシオンは(一応)魔法戦士だが、どちらかというと早く動くことを身上としているため、着ている鎧は胸甲と草摺というかなり軽いモノになっている。
その下は紺のレオタード一枚。しかもそこそこにハイレグな。
…確かに…動きを重視しているとはいえ、なかなかに露出度が高い格好ではある。
本人も一応、微妙に恥ずかしさは感じているらしい。
ティムに文句を言うその顔は羞恥に赤く染まっている。
そんな照れ隠し的なやり取りを繰り広げている間に…
『……さて、Bブロック一回戦、対しますは……―――――なんと!!』
突然アナウンスの声量が変わる。
『いきなりの有力候補!』
もう片方の出入り口が開き、客席のワアアアアアア!という歓声と共に現れたシルエットは…
『「竜召喚士のカルダモン」だぁ!!』
「ド…竜召喚士!?」
その言葉にラルシオン達は顔色を変える。
「やばいわ!!!」
――そう…人が飼えるレベルの下級竜とはいえ、人とは比べ物にならない程の巨大な生き物だ。
竜殺しでもない限り、とても普通の人間レベルで倒せる魔物ではない。
そんな竜を召喚し使役することの出来る竜召喚士と一回戦で当たってしまうなんて…
ラルシオンは顔色を変え、自分達の運の無さに愕然とする。
「フフフ…痛みを感じる前に殺してくれるわ…!!」
特殊な刺青を顔に描いてた中年男…カルダモンは、魔導士や召喚士等が身に着けるモノに似ている大きなローブを着ている。
だが、その顔の刺青だけが他に見たことのない特徴である。
おそらくその刺青も竜を使役するための何らかの呪術的な意味合いがあるのかもしれない…が、職業としては珍しい竜召喚士のその姿の理由を知る者はほとんどいない。
…その異様な姿と珍しい竜召喚士の姿にざわめく会場の中、カルダモンはゆっくりと前に歩を進めると、
ばっ!!
…と大きく天に向かって手を掲げる。
「さあ来いドラゴン!!! エサの時間だ!!!」
その声に慌てるラルシオン達。
「何してんの、ティム! 魔法使いなさい! 魔法!!!」
「さっきギルちゃんに使っちゃったよっ!!!」
さっきのギルへの魔法弾は相当の精神力を使ったらしい。
どうやって対応すればいいのか…慌てる3人の上から聞こえる、ゴゴゴゴゴゴゴ…と響く音。
その音がどんどん大きくなる。…まるで地響きのように。
そして…その音と共に…
ドン!!!
と、上空いっぱいを埋め尽くす様に巨大な竜が現れる!
ノリよく盛り上げるはずのアナウンスの声が、その大きさに息を飲み、いつものような言葉が出てこない。
騒がしかった観客席の皆までも唖然とした表情で、声も上げず上空をただただ見上げている。
『Bブロック、だ…第一試合…はじめ!!!』
しん…とした会場に慌てたアナウンサーの声が響き、Bブロックの試合の開始を告げた!
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第二部「大冒険武闘大会編」第2章3話目です♪
武闘大会第1試合…Bブロック・ラルパーティの試合がスタート!…です!!
…相変わらずちょっと短いですがw
次回は試合中心のお話になる予定です。…間に合えばorz
…実は…そろそろストックがなくなってきまして× 頑張って準備中ですが…何とか間に合う様鋭意努力中ですorz
ではでは。次回…間に合えば…来週無事更新できましたらまたお会いしましょう。
よろしくお願いしますm(_ _)m
あと…最後にお願いがw
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