13:鳥に願いを… ②
第13章・2話目です。
今日も毎日連続更新中です!
「それ…触るのもやだもんね」
頭に浮かんだあの時の映像に、あっちゃー…と苦笑いでつぶやくラルシオン。
「うん…」
ティムも一緒に苦笑いだ。
「?」
そんな二人の姿に不思議そうなアルフレッド。
「どーしたの? 何で吹かないの?」
…と聞くが、
「え!? ちょっ…ちょっとね…♡」
「えへへへ」
…と笑顔で誤魔化す二人。
そんなやり取りを遠い岩陰から眺める人影が…!?
「……何を…もめてんだ、奴らは」
「…さあ」
逃げたはずの邪神と召喚師エドマンドの二人だ。
チビッ子に戻ってしまったデスフォートはボロボロの服に金髪もぼさぼさのままである。
そんな情けない姿になってしまった主を後ろから見守っているエドマンドの切断された左腕は、一応包帯が巻かれてはいるがきちんとくっついている。おそらく回復魔法で繋げたのであろう。
「ふっ…まあ良い。鳥が来ればこっちのもんだ」
情けない姿ではあるが、連中を見ている瞳は強い輝きをたたえており、まだあきらめてはいないようだ。
「奴へのお願いは早い者勝ちだしな」
そう言いながらニヤリと笑う邪神。
「あいつらもよもやこんな近くに潜んでいるたぁ思うまい!!」
そして、ははははは♡と高笑い。
「鳥が来たらすかさずお願いじゃ!!」
ざまーみろ♡ と小さな幼児の胸を思いっきり張る。
「…随分やり方がせこくなりましたね」
そんな主の姿に、ついついエドマンドがツッコんでしまう。
「何だとぅー! 誰に向かって言っとる! だいたいお前のせいでなー!!!」
「わー× デスフォート様ぁ! 落ち着いてくださーい!! 見つかっちゃいますよぉ」
…そんな主従のやり取りが岩陰で繰り広げられている。
……が、鳥笛のコトに集中していた皆はそれにも気付かずに…
ぽん! とラルシオンはアルフレッドの肩に手を置く。
「……アルフくん」
そして、凛々しく爽やかな表情で、
「やっぱりこの笛はアルフくんが吹くべきよ」
…と、彼をしっかりと見つめながら言うラルシオン。
「え!?」
ラルシオンの言葉にアルフレッドは驚き目を見張る。
「アルフくんのおかげで、邪神をやっつけられたんだし」
「そうそう♡ やっぱり勇者だもん、アルフさんって」
ラルシオンの言葉にティムも乗っかる。
…ただ単に二人とも自分が笛に直接口を付けたくないだけなのだが…。
「………」
二人の言葉に自分の手にある鳥笛を黙って見つめるアルフレッド。
そんな風に最後まで自分を信じてくれる二人に感動し、鳥笛を持つ手に力が入る。
「そーよねぇ。宝石入れただけでも、あれだけ光るんだもん。吹いたら爆発するかもしれないし、アルフにやらせて正解よ」
…が、アリスの方は容赦ない。
そんな鳥笛の懸念についても堂々と言い放つ。
「あんたは黙ってなさい」
何の気遣いもないアリスの言葉にラルシオンのこめかみもピクピクと痙攣する。
「――わかった。吹くよ」
だが、アリスの通常運転の言葉に全く動じることなく、決意を込めてアルフレッドは宣言する。
「皆の思いをこめて!!」
そうして…
スッ…
と鳥笛を口元に持って行き…
ぱらぴろぴーっ
と、一気に息を吹きつける!
気の抜けたようなその笛の音が周囲に響き渡る。
そして…その音に呼ばれた鳥が何処から飛んでくるのか…ワクワクしながら皆が周囲を見渡し探す。
…が…
「……」
鳥の羽ばたく音か鳴き声か…何か聞こえないかと息を飲み、皆が黙って待つが…しーん…と静まり返り、周囲には何も変化がない。
「……こ…」
「来ないね」
皆が空を見上げたままの黙り状態に我慢できない誰かの小さなつぶやきがついこぼれる。
「おかしいわねぇ」
「まさかガセだったんじゃないでしょーね」
何も変化のない状況に、だんだん苛立ちが増して来たのか、ラルシオンとアリスが顔をしかめている。
そこに…
サーッ…と頬を撫でる…
「――? 風…?」
バーバラがその風に気付き、顔を上げてつぶやく。
その言葉に「え?」とクララも一緒に顔を上げる。
皆もつられるように風が吹く方に顔を向け……
「きっ…来たよぉ!!」
風と共に小さな鳥の姿を見つけたティムが嬉しそうに叫ぶ。
「やった!!」
「いよいよね!!」
ティムの言葉に皆も鳥の姿を見つけ、喜びの声を上げる!
その小さな鳥が自分達の元にやって来るのを心待ちに…
わくわく♡
わくわく♡
…と、いよいよ望みが叶う瞬間を目の前に、沸き立つ皆の心。
…しかし…
「ち…」
「近付いてこないわよ」
小さな鳥の姿は、いつまでたっても大きくならなくて、遠くのその場にあるまま近づいてこない…ように見える。
「でも風だけ妙にきつくて…」
サーっとそよいでいた風は、いつしかゴオオオオオオと強い風になっている。
なのになぜ鳥は近づいてこないのか…?
…と、思っていたのだが…
その考えが間違いであったことに全員が気づいてしまった…orz
「いーッ!!?」
「なっ…」
「なんじゃこの大きさわーッ!!!」
小さな鳥…だと思っていたそれが、夕日が沈みかけた遠くの山と同じくらいの大きさにやっと見えるようになった時にわかってしまったのだ。
その鳥が、遠くのその山よりもずっと向こう…もっともっと遠い場所をまだ飛んでいることに…。
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第13章2話目です。
ただいま毎日連続更新続いてます!
次回…明日は第13章3話目です。よろしくお願いしますm(_ _)m
クライマックス展開+春休み企画?…というコトで、この先ラストまで連日更新(予定)中でございますw
…平日の更新というコトで、あまり遅くない時間…毎晩20:30頃に明日以降も更新していく予定です。
本日も相変わらずの自動更新任せですw
…たとえ無事予約更新できても、20:30くらいだと、いつの間にか更新してて、うっかり気が付かなかったりしますorz
よかったら、私の代わりにぜひ拡散とか宣伝とかもしてやってくださいませm(_ _)m
ではでは。
次回…明日も無事更新できましたらまたお会いしましょう。
よろしくお願いしますm(_ _)m
あと…最後にお願いがw
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