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おハーブおじさん 栽培チートでおハーブ大好きお嬢様を助けたら、真の仲間と認められました。合法おハーブで彩る異世界村おこし  作者: うえき蜂


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副産物

 脱法ハーブの副作用は、合法おハーブで克服できる。

 すっかり正気を取り戻した村人たち、即席温泉で極楽気分。

 彼らを岸に上げるのは、中毒症状を改善させるくらい大変だった。


 ひとまず、健全なハーブ商品をスギトに卸すと約束してどうにか解散した。

 おじさんたちがやるべき使命はこれにて完了。すこぶる疲れたよ。


「わたくしも! おハーブバスソルトを全身で浴びさせてくださいましっ」

「待て、ローレル。入浴は帰ってからにしろ。エンドー氏をゆっくり休ませてやれ」

「まあ、このなんちゃって温泉が走り回った分の疲労を全快させちゃったけどね」

「おハーブのために働き、おハーブによって快活する。ウィンウィンでしてよ!」


 おハーブ大好きお嬢様、垂涎のライフスタイル。

 おじさんはそもそも、働きたくないけどさ。5千兆イェン欲しい。

 カゾに帰還するため、木橋から駅を目指す。


 …………

 ……しかし、残念なお知らせがある。

 遺憾この上ないものの、1つだけ懸案が残ってしまったことを報告しよう。

 はたして、おじさんが肺活量の限界を超えたため息を漏らした要因とは。


「――おいおい、タクミ君。僕を放置するなんて、酷いじゃないか」


 ゼニンドの様子がおかしかった。

 ハキハキとした口調。姿勢の良さ。肥えた腹回りがすっかり引っ込んでいる。優しい光が宿った眼……曇りなき脂ぎった欲望まみれの瞳は何処。


 おかしくないように見えるなんて、あれれ~おかしいぞ?

 おハーブ源泉かけ流しから上がった頃合い、ずっとこの調子である。


「あの、どちら様ですか?」

「まさか、具合でも悪いのかい? 僕はタクミ君の心の友、ゼニンド。しがない商人さ」

「こんな爽やかミドル、ゼニンドじゃねえッ。解釈違いだ!」

「はっはっは。貴公は昔から、ユーモアに溢れているな」


 奇行は今、お前だよ!

 旧知の仲よろしく、ゼニンドがおじさんの肩に手を回した。ええい、慣れ慣れしい。

 必死に抵抗するや、ローレルさんがこちらの様子に目を凝らしていた。


「もしや、おハーブバスソルトが悪徳商人をデトックスしまして? 彼から悪癖と毒素を溶かした結果、別人のような変貌を遂げてしまいましたの?」

「ふむ。さしずめ、綺麗なゼニンドだな」

「綺麗なゼニンド? 汚くなきゃ、ゼニンドじゃないよ」


 おハーブの泉に落ちた汚いゼニンドが、綺麗なゼニンドになって戻ってきた?

 欲張りな本人が、自我を失ってしまうホントは怖い童話シリーズ?

 おじさんは、恐る恐る悪徳商人的な何かを観察すれば。


「心が晴れやか、清々しい気分だよ。さあて、皆! 帰ったら一緒に、金儲けにまい進しようじゃないか! もちろん、悪いことはせず合法的にねっ」


 ニヤアと笑った、元悪徳商人。


「あ、この心に響かない空っぽな感じ。間違いない、ゼニンドで安心した」


 どれだけ入浴剤を投入しても、完全に毒素を抜くデトックスなど存在しない。

 おハーブは、脱法ハーブに打ち勝ってもゼニンドはお手上げらしい。

 結局のところ、人の性根は変わらない。それが教訓である。

 欲望に正直者なゼニンドは、おハーブの泉の妖精に追い出されたのだと思いました。


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