↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/22

死せる孔明、新たな家族と の~んびり過ごす

【これまでのあらすじ】


「来世は平穏に碁《ご》を打ちたい」


 三国志《さんごくし》の諸葛亮《しょかつりょう》 孔明《こうめい》、

 猫の姿になって異世界に転生。


 そんなネコ―メイを拾ったのは、

 碁の打てる二人暮らしの兄妹だった。


 妹の名は芙蓉《ふよう》。

 

 そして兄の名は、


 劉備《りゅうび》 玄徳《げんとく》・・・。


 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ●



「ニャ~」


 もちろん私とて、

 常に主《あるじ》である劉備《りゅうび》様の仕事場に付いていっているわけではない。


 家で、

 妹君《いもうとぎみ》の芙蓉(ふよう)殿と過ごす日もある。


(だって・・・そうしないと妹君が、

『お兄ちゃんばかり ずるい・・・』

 と、言うから・・・)

 

 

 ――一日のはじまり、

 朝一番早いのは妹君だ。


 毎朝欠かさず、

 主や私のために、

 美味しい朝餉《あさげ》を用意してくれる。


(まだ幼いのに立派な女子(おなご)よ・・・)


 ねぎらいの気持ちをこめて、

 台所に立つその脚に顔を すり寄せる。


「ニャ~」


「はいはい、

 もう少し待っててね」


『そうじゃ にゃいって・・・』

 


 そして日中、

 主《あるじ》が仕事で出かけている時間、

 妹君《いもうとぎみ》は家事にいそしんでいる。


 掃除、

 洗濯、

 家計の管理、

 食材の買い出しに、

 仕込み等々・・・。


 その合間に、

 猫である私をかまったりする。


 身体をなでてきたり、

 書き物の最中 膝に乗せたり、

 腹に顔を埋めてきたり・・・。


「ニャ~・・・」


「よしよし。

 気持ちいいですか~?」


「フニャ~・・・」



 ――昼をだいぶ過ぎた頃に、

 主が仕事から戻ってくる。


「ただいま~」


「お帰り、

 お兄ちゃん。

 お疲れ様」


「ニャ~」


 帰ってきた主は、

 浴室で行水をしたあと、

 普段着に着替えてくる。


 妹君は台所で茶をいれる。


 そこからは二人、

 家でのんびりと過ごす。


 昼間の出来事を話したり、

 本を読んだり・・・、

 そして、碁(ご)を打ったり・・・。


 たまに近所の子供たちが、


「劉備《りゅうび》お兄ちゃん、

 囲碁《いご》を教えて~!」

 などと、

 やってきたり・・・。


「ああ、いらっしゃい」


 仕事で疲れているだろうに、

 いつも主は笑顔で迎える。


「芙蓉《ふよう》お姉ちゃん、

 こんにちは~!」


「こんにちは!」


「こんにちは。

 ちゃんと挨拶できて偉いねぇ」


 妹君もだ。


「えへへ~・・・」


「お姉ちゃんも打って~」


「うん、

 じゃ打とうか」


 そうして、

 皆で碁盤《ごばん》を囲んで、

 囲碁《いご》に興《きょう》ずる。


 こういうのを【まったり】と言うのだろうか。


「フニャ~・・・」


 ゴロゴロ・・・



 ――やがて日は暮れ、

 外では烏(からす)の鳴き声が聞こえ始める。


「劉備《りゅうび》お兄ちゃん、

芙蓉《ふよう》お姉ちゃん、

またね~!」


「またね~!」


「うん、またね」


「気を付けて帰ってね~」


子供たちを見送ったあと、


「そろそろ、

 ご飯の支度するね」


「ああ、

 ありがとう」


「ニャ~」


 そんなやり取りのあと、

 妹君は台所へと向かう。


 この街はずれにも、

 日中には野菜売りや肉売り、

 魚売りなどが外を通るのだ。


 夜の食事は、

 その新鮮な食材を使った料理が、

 机と私の皿に乗る。


 その夜は、

 米飯に野菜の酢漬け。


 そして、

 葱(ねぎ)や生姜(しょうが)と共に蒸《む》した、

 大きな魚が主菜に出た。


「うわ、

 美味しそう・・・!」


「ニャ~・・・!」


【メガネ】ごしに目を輝かせる主。


 私も思わず よだれが・・・。


 妹君は嬉しそうに、


「ふふ・・・、

 今日は季節の魚が安く買えたの」

 と言って、

 主のあとに席につく。


「いただきます」」


「ニャ~」


 私の魚は、

 葱や生姜を使わない蒸しただけのものだが、

 美味い事に変わりはなかった・・・。



「ごちそうさま」


「ニャ~」


「はい」


 主と私の言葉に、

 笑みで返す妹君。


 机の食器を片付けた後、


「じゃ、

 打とうか」


「うん」


「ニャ~」


 と、

 今度は碁盤《ごばん》を持ってくる。


 そして、

 一局打つ。


「お願いします」」


「ニャ~」



 ● 〇 ● 〇 ● 〇 ●


 対局のあと、

 浴室で身体を洗う二人。


 もちろん一緒にではない、

 念のため・・・。



 朝が早いこの家は、

 当然寝るのも早い。


 そして寝る時は靴を脱ぎ、

 土間と段差のある板の間(いたのま)に【布団】を敷く。


 二枚の【布団】を横に並べて、

 二人は床につく。


 フッと灯りを消すと、

 窓越しの月明かりがやけにまぶしく感じる。


「おやすみ、

 お兄ちゃん コーメイちゃん」


「おやすみ~・・・」


「フニャ~・・・」



 ――こうして、

 主たちと私の一日が終わる。


 争いもない。


 危機もない。


 いさかいや嫌がらせもない。


 ただ、

 平穏だけがある。


 そんな一日の繰り返し・・。


 そう、

 この時はまだ・・・。


 〇 ● 〇 ● 〇 ● 〇



【あとがき】


 ここまでお読み頂き、ありがとうございます!


「碁の説明部分をもう少し詳しく・・・」等のご意見ご感想、

 ならびに好きな三国志キャラなどお書きくださいましたら嬉しいです。


 できれば下にある『評価ボタン』や星、

 そして この先もお願いします・・・!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。