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16話 間話・その5
川の勢いはピークに達し、そして、徐々に収まりつつあった。
氾濫した個所にそれ以上溢れ出ることはなかったが、すでに大量の黒い濁流が人々の領域に侵入し、いつしか顔を覗かせた三日月に冷ややかに照らされていた。無残に破壊された堤防の上を、なまぬるい風が渡っていく。
と、ひとつの光が天空から円を描きながら降りてきた。
光は、いわば待ちくたびれていた。もう長いこと待っていたのに報われなかった。くるくると小気味よく回転しながら、ようやく自分が最後になすべきことを理解したかのように、ゆっくりと進んでいった。




