表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
絆のトレーニングノート After Six:走り出す未来  作者: たまに何かを書く人
第2章 きらめきの絆、夏を越えて

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/22

第十節 走り抜けた、その先に

夏休みが明け、校内ににぎわいが戻ってきた。

久しぶりの教室には、少し日焼けした顔、たくましくなった腕、そしてどこか自信を帯び

たまなざし──夏を越えた仲間たちの変化が広がっていた。

2学期が始まってまもなく、体育祭が迫っていた。

「さて、来たる体育祭の種目を伝える。よく見とけー」

理科の授業中、クラス担任でもある西園寺が気怠そうに言いながら、資料をめくる。その

表情はいつも通りだが、目だけはどこか真剣だった。

「全員参加の徒競走に、クラス対抗の三十人三十一脚、大縄跳び、そしてリレー。希望者参

加の持久走に、ソーラン節と組体操。……あと、運動部対抗リレーもあるからな」

教室がざわめく中、さちは自然と身を乗り出していた。

休み時間。

廊下の一角に、さち、ハル、ユキ、リン、まひろが集まっていた。

「持久走、わたし出るよ。長距離得意だから」

まひろが自信ありげに言うと、さちがうなずく。

「私も出てみようかな。リレーも出たいし……団体種目も面白そうだしね」

「ユキはソーラン節でしょ? 小学校の時も出てたじゃん」とハル。

「うん。あと、今年は組体操にも挑戦しようと思ってる。ハルもでしょ?」

「もちろん。目立つやつは、やっとかないと!」

「私は大縄かな。ジャンプ力、前より上がってる気がする!」

リンが腕を上げて笑う。

5人それぞれが、自分の挑戦を選び、想いを交わしていった。

放課後の水泳部。

部長の澪が部員を集めて話す。

「運動部対抗リレーについて、顧問の先生から連絡がありました。1・2年生それぞれ3人

ずつ代表を選んで出場することになりました」

「メンバーは、明日の放課後に50メートル走のタイムを測って決めるそうです。みんな、

がんばってね!」

澪の声に、部員たちは真剣な表情でうなずいた。

翌日、タイム測定。

結果──1年生の代表に選ばれたのは、さち、リン、まひろの3人。

2年生は、澪ともうひとりの先輩、そしてハル。

ハルとユキは同じ1年生だが、ハルは先輩枠として2年生チームに入ることになった。

「やったね、さち! わたしたち、リレーメンバーだよ!」

「うん、がんばろうね!」

拳を合わせるように喜びを分かち合う5人。

週末の午後。

リンの家のトレーニングルームで、いつものように筋トレに励むチーム・トレノの面々。

「さすがに、もうこのメニュー慣れてきたね」

「でも、筋肉は嘘つかない。やったぶんだけ強くなるからね」

腕立て、体幹、ジャンプトレーニング……4月より明らかに鍛えられた体を、自然に見せ合

い、言葉でたたえ合う。

「さちの背中、すごくなってきたね。フォームも安定してる」

「まひろも肩周りに筋肉ついてきた! 平泳ぎに効いてると思う」

変化を認め合うそのやり取りが、次のステップへ進む力になっていた。

そして迎えた、体育祭当日。

少し秋の風を感じる晴天のもと、グラウンドには歓声が響いていた。

徒競走、大縄跳び、ソーラン節──どの種目にも、全力の笑顔と声援があふれていた。

クラス一丸となって取り組むなか、いよいよ最終種目・運動部対抗リレー。

女子の部。陸上部、卓球部、テニス部、バレー部、バスケ部、そして水泳部。

ピストルの音とともに、走者が一斉にスタートを切る。

さちは、緊張しながらも呼吸を整え、集中して走った。

隣には陸上部。やはり速い。

だが、水泳部も食らいついていく。3位でバトンをつなぐ。

さちからまひろ、まひろからリンへ──1年生の3人がつないだバトンは、2年生チーム枠

のハルへと渡った。

「いけーっ、ハルー!!」

観客席から響く声援。

ハルは爆発的なスピードで差を縮め、次の先輩につなぐ。

そして最後はアンカー・澪。

直線で鋭く加速し、テニス部を抜き去って──

フィニッシュラインへ。

「やったあああ!!」

水泳部は見事、堂々の2位でゴールした。

さちたちトレノのメンバーと、2年生の先輩たちが肩を組み、喜びを分かち合う。

「最高のリレーだった!」

「がんばってきたかい、あったね!」

……うん、楽しかった!」

照りつける太陽の下で交わされた笑顔。それは、仲間とともに積み重ねてきた日々の証だ

った。

次の目標は新人戦。

仲間とともに、また新たな挑戦が始まる──。


挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ