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弥生
いなくならないでか。
警視に子どもはいないはずだ。
あの子は誰の子だろう。
雇った探偵に調べさせたが、あの子は誰か。
興信所の資料にもない。
ホテルの一室で
壁にもたれながら頭を抱える。
そんな折だ。
北川会病院のVRヘッドを付けた女の子が行方不明になったと聞いた。
『そうなんだ。ありがとうケイ。』
『あんまり無理しないでね。』
『うん。』
北川心という男。
山岸警部。
六村弥生。
いったい真実はなんなのだろうか。
あの駐在所にいた女の子は髪色が弥生に鮮やかな桃色で、痩せ細った体は病院にいた子そっくりで、、、
『弥生か、、、』
スマホのバイブ音が部屋に鳴り響く。
『誰かな?』
チャットだ。
私の大好きだった幼なじみだ。
チャットアプリを開く。
『違?今どこにいるの?』
『ちょっと田舎に羽根伸ばし来てる。』
『そうなんだ。こっちは連日取材やらネットテレビやら大変だよ。』
『そうなんだ。』
『お金を稼ぐためには仕方ないけど、、ところでさ。』
『なあに?』
『お父さん、見つかった?』




