さようならお姉様
『お姉様。こちらですよ?』
ケイとの会食から数日。
私はとある田舎の施設にいた。
自然に囲まれた建物。
昔、学校だった建物を改築して作ったそうだ。
お庭は広く遊んでいる人がちらほらいる。
『ミネ。』
『うーん?』
確かにミネがいた。
庭の真ん中にいて、地面にいるアリを捕まえては潰して、捕まえては潰して、、、
『こんにちは!おねえちゃん!お名前なんていうの?』
『ああ、、うん、、、』
ミネだ。
顔は泥だらけだ。
庭の端には泥遊びができるように泥をこしらえているようだった。
『なあ、、ケイ。』
『・・・・。』
ケイの肩は震えてる。
『あの鎧を解析したらスレイブユアセルフと同じVR機能を応用したものだった。』
ケイの声も震えてる。
『スレイブユアセルフ症候群。まあ、要はスレイブユアセルフで患った疾患全般。ただPTSDが多いと聞くわ。』
『ああ、うん、、、もう話さないで。』
『ダメよ。大事な事だから話すわ。お姉様の場合は解離したわ。人格がね。スレイブユアセルフシステムを使った戦闘用アーマーを操作していたもの。脳波を利用してね。脳波が乱された。その過程では見たくも無いものを見せられて、、、防衛機制かしら。退行したのか、、、そのまま人格が置き換わってしまった。』
『そんなの、、、、』
ケイは自分を抱きしめるようにして床にへたり込んだ、
『もう桑島ミネの元の人格が戻る見込みなんて、、、無いんだって、、、どうして、、どうして!!!ああああああああああああああ!!』
泣き叫ぶケイを目の前にして私に何ができたのだろうか。
ケイは家族を失った。




