北川会
『はいはい、警察の皆様にはご協力いたしますよ。』
ヘラヘラしながら、山岸さんをいなす北川会の理事長。
金縁のまるメガネに、ワックスで
逆立っている白髪。
首からは金のアクセサリーが目立つ。
ニッと笑うとやけに白く、人工的に見える歯が目立つ。
『山岸さんもお忙しいですね。』
葉巻を吸い出す理事長。
『いやいや、北川さんにはいつもお世話になってますから。あと、未成年いるんでタバコはご遠慮願いたいのですがね。』
『いやあ、、やですねえ。土足で踏み込んできて、行動すらコントロールしようとするなんて、、まあ、いいでしょう。今回はなんですかね?』
『単刀直入にお伝えしますよ。北川さん、スレイブユアセルフはご存知で??』
『ああ、知ってますよ。私の娘も被害者ですからねえ。』
葉巻を灰皿に押し当てる。
『娘さん亡くなったのに偉く冷静ですね。』
『あああやつは、デキの悪い娘でしたから。ったく、院内で不倫騒動を起こしてね。我が病院の評判を落としかねない娘でしたからね。謹慎にしたのですよ。そしたらネットゲームなんかにハマって、、、全くクズですな。』
拳を握りしめる。
歯を噛む。
前足を踏み込もうとした時、
山岸さんの腕がそれを制止した。
山岸さんはこちらに一瞥もくれず、理事長を見ている。
『あなたのご家族関係についてでなく、あなたがなぜいまだにここにいるかを伺いたい。』
『はて?』
『スレイブユアセルフ事件は買春をした親が、子を生贄にするなんとも痛ましい事件だ。あなたにも容疑がかかるだろう。しかしながら、、』
『私は容疑者リストになかった。そりゃあ、そうだ。私は何もしてないからな。』
『ただ、あなたの娘さんが関わっている。』
『不憫な娘だ。家にも見放され、最期はほら、そこにいる娘に殺されたのだろう?』
『な・・・・・。』
私は視界が揺れた。
グラグラと揺れ、、
息が詰まる。
苦しい。
心臓の音がうるさい。
全身に血が巡る。
『違ちゃん!』
視界は真っ赤に染まっていた。




