はんにんは誰だ?
『田山、ご苦労様。』
『ああいやあ、なんてことないっすよ。』
田山さんと髭ヅラの渋みがあるオッさんが話をしている。
『ああ、違ちゃん、こちら天草警視。そのまあ、引小森警視の後釜の方だ。』
『この度は、捜査協力していただけるとのこと、誠に感謝致します。』
手を差し出される。
『ああ、すまん。若い子に握手など、今のご時世だとハラスメントになってしまうか。失敬。』
『いえ、、、』
なんとなく苦手なタイプだ。
父のように硬いというか、、、
『早速だがね、、スレイブユアセルフ社の家宅捜索に同行願いたくね。いかがだろうか。』
『別に構いませんよ。そのつもりで来てますから。』
『では、実際の現場指揮はね、、おおーい、山岸警部?』
『はい、ただいま。いやあ、君が違ちゃんか。ふむ、、さすがスレイブユアセルフ事件で生き残っただけあるねえ。面構えが違う。』
メガネで少し長髪。
印象としてはチャラいが似合う。
『ありがとうございます。』
『ああ、いや他意はないんだよ。ただ壮絶な事件だったからね。話ならいつでも聞くよ?あ、これぼくの番号だから。』
サラリと携帯番号を渡してくる。
『おい、山岸くん、、、』
『警視?スレイブユアセルフの残党はどこにいるかわかりませんからね。このくらいはボディーガードみたいなもんですよ。』
『山岸警部、お気遣いありがとうございます。』
『ほら、警視?違ちゃんもそのくらいは心得てますよ?じゃあ、早速、僕のランボルギーニで現場に向かおうか。』
『山岸、、公務で私用車はよさんか。』
『警視はお硬いですね。ふふ、、、』
『何がおかしい?』
『いやあ、、、公人たる器なのかなあって、、ほらプライベートは、、、』
『バカもの!早く行け!』
『はいはい。』
山岸は両手のひらを天井に向けるようにして、ため息をつく。
『じゃあ行こうか?違ちゃん。』
私は父の言葉を思い出した。
『部下がーーー売春行為に手を染めた。』
この中に父に罪を被せた人間がいるのだろうか。
なぜ、私はこんな思いになっているのか。
『そんなことを、カウンセラーの君に話す義理はない。誰にも話すつもりはないがな。いいのだ。私は結局、自分で引き受けた罪を娘になすりつけた。まあ、、厄介払いだな。私が、、冤罪だろうともはやウチは家族としては崩壊しているからな。』
こんな風に言われたのに。




