さようならお母さん
『もしもし、、、た、違?』
『うん。久しぶり。』
『ああ、うん。し、仕事はどう?』
『おかげさまで、よくしてもらってるよ。ありがとうお母さん。』
『いいのよ。そのくらい。。そ、それで、今日はどうしたのかしら?』
電話越しでも伝わる、お母さんの焦り。
『うん。今さ、お父さんいるでしょ?』
『ああ・・・・うん。』
『会って話そうかと思ってる。』
『・・・また、ど、どうしたの?』
『いや、まあ一応親だし、、、お父さんはどう思ってるか知らないけど。』
『・・・・会って話したいの?』
『話したいか、、、まあ、そんな感じかな、、』
『や、やめたほうが、、、』
『だよね。』
唾を飲み込む。
『や、やっぱり違は聞き分けが良くて、、た助かるわ。』
『いや、そうじゃなくてさ。やっぱお母さんは、私がお父さんと話すの止めようとするかなあって。やっぱりそうだった。』
『・・・・。』
『会いに行くのは、私の自由よね。お父さんに謝絶されたら会えないけども、、、』
『やめなさい!違っ!』
お母さんのヒステリックな声が脳内にこだまする。
『・・・・。』
『あ、!いや、、私はね、違のことを、、思って、、、その。』
私は空いた口を閉じて、口をまた開ける。
『お母さん、ありがとうね。』
『違・・・・。』
『もう電話するのやめておくね、これまで通り仕事の斡旋はお願いするけど、、もう電話するのはやめておくね。』
『え・・・・。』
安堵するような母の声。
唇を噛む。
期待なんてしてなかったけど、、
『じゃあ、、電話切るね。引小森さん。』
『違っ!!』
私は受話器を置いた。
涙なんて流れなかった。
『ああ、そっか。』
私の中でお母さんはとっくに、、
お母さんではなかったのだ。




