お迎え
『ごほっ!かあっ!なんという奴。』
爆発によりコクピットは、真っ暗だ。
先の電磁波ボールで弥生とのコネクションも切れている。
『電磁波ボールなど、どこから仕入れたのだ。』
弥生の行動監視はずっと行なっていたし、
ここにくる誘導役でしかなかったはずだ。
だが、AIは学習する。
学習するということは感情や思考を持つ、という事だ。
『まさか、、、愛娘に足元をすくわれるとはなあ、、、』
愛娘か。
ヨワが来てから奴に構っていただろうか。
構われないという寂しさを学んだとしたら、、
『ふふ、弥生も寂しいだけか。』
ならば、AIにも愛情を注いでやろう。
親からの愛があれば、事足りるはずだ。
『まずは、このロボットから抜け出さねばな。』
違が切り掛かってくる可能性もある。
大丈夫。
このスーツには物理的接触を防ぐ電磁シールドを装着してあるからな。
『うん?』
緊急脱出用ボタンが作動しない。
『人力で開けろと?』
扉を押す。
当然そんなものでは開かない。
『くそっ!』
蹴る。
金属音が虚しく響くだけだ。
『ぼ、ボムくらいで壊れたというのか、、?』
そんなはずはない。
だとしたら何が?
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『ケイ、拘束用のバンドまで入れてるなんて用意がいいな。』
ケイはあらゆる事態を想定したのだろう。
拘束用バンドが、ロボットに巻き付くなど想像しなかった。
だが、このおかげで、六村はコクピットから出て来れない。
六村を倒すのも目的だが、まずはヨワの奪還が最優先だ。
『さて、、、行くか。ほっておけば死んじゃうだろうけど。』
コクピットからは蹴っているのか金属音がガンガン鳴る。
『おい!誰か!ここから出せ!』
『私らだよ、この地下世界から出してほしいのはさ。』
焦る六村をおいて私は次の部屋へ向かった。
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『審査の方はこちらにお並びくださーい。』
『次の方どうぞ。』
身分審査の会場に着いた。
『身分審査の会場に着いたらローブを被ってね。』
弥生からそう言われてローブを被っていた。
それが合理的だから、そうしただけ。
『弥生様。次の市民です。』
『わかったわ。通しなさい。』
ヨワは綺麗な服に華美な髪飾りをつけていた。
『ローブを取りなさい。』
『・・・・。』
『聞こえないのかしら?取りなさい。』
ヨワは右手を上げる。
いつぶりだろうか。
また会えてそして連れ去る。
完全に六村弥生として振る舞っていたけど
警邏兵が取り囲む。
六村弥生だとしても取り返す。
『な、なんだ!この煙は!』
『誰か!なんとかなさいな!』
煙は審判室を埋め尽くす。
近づく。
匂いまでは誤魔化せない。
『ヨワ、迎えに来たよ。』
ヨワのみぞおちに当身を加える。
『懐かしい。』
こんな形でヨワに触れたのは悲しかった。




