お姉様!ですよね・・・・?
振り下ろされたのは、私の剣。
斬られたのは、メイド。
否、ミネの剣。
『な、、、貴様。』
『長い間使っていた剣だってことはわかったわ。剣戟にはそんなに耐えられそうにない。』
『だから、剣戟を交わしていたというのか。』
『無用な殺生はしたくないんでね。』
『ならば拳を交わすまで。』
メイドは踏み込んで正拳突きを撃ってくる。
『六村より弱いわね。』
『は、、、?六村様だと、、、?』
正拳突きは私の手のひらに触れた瞬間、
そのまま空を斬る。
『痛あああっ!!』
『この半年で習った合気道が役に立つなんてね。』
ミネの腕を捻り、床に組み伏せる。
『貴様、、、何者、、、』
『私?私はこの世界を終わらせる者。あなた如きには負けないわ。』
『違、、、、』
ケイは腰を抜かしていた。
『な、なんで、、お姉様を一捻りするくらいなんてことなかったんでは、、、』
『ケイがさ、、、このメイドに会って、ローブで目を擦っていたでしょ?見えたのよ。』
『な、何が?』
『涙がね。息が上がっていたのも、探していたお姉様が死ぬかもしれないと。』
『はは、、、、違、、半年で見違えたわね。』
『血の滲む特訓だったもの。』
『は、離せっ!』
『ケイのお姉様だけどごめんね。』
『あたたたた!』
関節を外した。
『違、、、、』
『一時的に外しただけ。これで誰も死なないわ。』
『あー!クソクソクソ!』
『お姉様!』
ケイが駆け寄る。
『わ、私はお前など、、、知らん!』
『お姉様。わかってます。私を守ってくれるお姉様は昔から演技をしてくれますから。。強がったって、、、、わかる、、、』
『・・・・・っ、、、、』
ミネは全身の力を抜く。
『ほらよ。』
関節を戻す。
『お姉様!』
ケイはミネを抱きしめた。
『わ、、、私は、、、お、っ、お前なんか、、、知らな、、い、、、、ああああああ!』
『お姉様!お姉様!』
ミネもケイも感情を殺せなかった。
絶望の世界で、
再会できた奇跡。
2人の目はすっかり乾いてしまうくらいだった。
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『さて、、、ヨワはここにいるんだな。』
『はい。六村弥生はこの先に。』
『まあ、公にはそういう名前だからなあ。』
複雑だ。
弥生にナビされながら、弥生を助けにいくみたいで。
『ん?』
『ケイ?どうしたの?』
『そういや、弥生からのインカムが入ってこないわ。』
『本当だ。弥生ー。おーい。』
聞こえるのは砂嵐の音。
『どうしたのかしら。』
『この館は電波妨害装置があるので、、それで繋がらないのかもしれないです。』
『マジかよ。弥生も知らなかったのか。』
『あの弥生ってこの先にいる、、、』
『ああ違う。何というか、ほら、ミネならわかるか。スレイブユアセルフの、、、』
『スレイブユアセルフ、、、、ああ。そうね。うん、あれね。弥生が、、うん。弥生いたよね。』
『・・・・。あ、うーん、とりあえずこの先に弥生がいるのかな?』
『ああ、うん。たぶん。すぐでは、、無いかもしれないけど。どうだったかな、、、』
なんとなく歯切れの悪さを感じる。
『・・・・・。』
『ケイ?どうしたの?』
『ああ!お姉様だって。姿は変わっても、、またお姉様に会えたって思ったら、、、、うん、、、』
『そっか。』
『で、でも姿は変わってもお姉様は素敵よ。』
『う、、ん。ありがとう、ケイ。』
なんだろう。
ぎこちの悪さを感じるコミュニケーションだ。
『ま、まあ!とりあえず次の部屋に進もうよ。ミネだって全てを把握しているわけじゃあ、無いんだろうし。』
『そ、そうよね。』
ケイは顔を逸らしながら、私らに背中を見せて扉の前に立つ。
『さあ、、次に行きましょう、、、』
その背中はなんだか震えているように見えた。




