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奇跡

『本日未明、スレイブユアセルフの主催者、六村心容疑者が逮捕されました。六村容疑者は、、』



『やっと捕まったか。』


ヨワちゃんを救出してから3年。

スレイブユアセルフの告発、新興国での大規模売春犯罪などいろいろ明るみに出てきた。










インターホンが鳴る。


『はーい。』


『北川です。』


『どうぞー。』



ケイが入ってくる。


『違、こんにちは。』



ケイの後ろには長髪で歳格好は大人だが、ケイの後ろに隠れるように立っている。



『後ろの方が、、、ああ見つかったんだね。』


『ええ。お姉様よ。』


『ケイお姉様!この人だあれ?』


『この人は違さんよ、姉様。ご挨拶して。』


『こ、こんにゃちは!』



『姉様、偉いわ。よしよし。』


『えへへ。』



ケイの姉はその場で屈んで頭を差し出している。

ケイは無表情で頭を撫でている。




『ニュース見た?』


『ああ見たよ。六村がやっと捕まったね。』


『しかし時間かかったね。』


『ああ。でも良かったのか?』


『うん、私らじゃどうにもならなかったし。』





六村に殺されたはずの私らがなぜ生きているか。







♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎

『死ねええ!小娘があっ!』



六村はホース先をこちらに向けてきた。




死ぬ。

ヨワちゃんを救えないまま、燃やされて死んでいくのか。



私の人生はこれで、終わるのか。













『はーはっは!燃やしてやったぞ!!』



六村のホース先は私とは真反対を向いていた。



『いったいどういう、、、、??』





六村は満足したのか放射をやめた。

『さて、次は外の族どもだな。』


サイレンが鳴る。天井が開かれて機械ごと外へ出て行く。



『な、なんだろう。とりあえず助かったのか。』


脱出口を探す。

要塞のシャッターは閉まっている。

ならば、開かれた天井をよじのぼるしかあるまい。













『はあ、はあ、はあ、流石に疲れたわ。』





要塞の外に出てみると、一帯は焼け野原になっていた。


焼死体がゴロゴロ転がっている。





『ひ、ひどい。。』



ケイはどこだろうか。

燃やされてしまったのか?

焼死体の山を歩く。



『また、、また仲間を、、、仲間をまた死なせてしまったんだ!うわああああああ!!』


泣き崩れる。

ヨミを救えなかった。

ケイも救えなかった。

ヨワも、、、、


















ガサゴソ。

物音が死体の山から聞こえる。

何だろうか。



『〜〜〜〜!!』


『うめき声?助けなきゃ!!』


死体の山をどかしていく。

吐きそうだ。

さっきまで要塞を攻めていた仲間だとわかってしまうから。


『なんか、、臭い。』


口に手を当てる。


『あ、、、吐いてたんだ。』



吐きそうだではない。

制御できなく、吐いていた。

でも手をとめるわけにはいかない。

誰か1人でも生きているならば、助けなくては。




死体の山を掘っていくと出てきたのは、、、


『ごほっ!ごほっ!ああ違、、、助かったよ。』


『ケイ!』





ケイの体を引っ張る。

『わっ!』


『おい!』



そのまま引っ張った勢いで私が後ろに倒れ、

ケイが覆いかぶさる。




『ったく、、、違は力強すぎるんだよ。』

『ケイ!ケイ!』

『わっ。ちょっと鼻水くっつくじゃない!離しなさいよ!』


『やだ!離さない!やだやだ!』

『参ったね。半年の修行で強くなったのは体だけだったか。』



仲間が生きていた。

その事実だけでも私はうれしかった。

なぜ、、でも私もケイも生きていたのか?















『妙だね。実は私も同じ事があって。』


『明らか変だよね。違う方向に火炎放射するなんて。』


『うむ、、もしかしたらこの辺に解決の糸口があるかもしれないね。』


『どうする?これから。』


『できればスレイブユアセルフのシステムにアクセス出来ればいいんだけど、、、まあ、少し体制を立て直そう。』


『うん。』


『みんなを弔いたいけどここは危険だからな。』


『う、、、ん、、、』




私は歯を食いしばり、目に力を入れた。

泣いている暇はない。

今は死んだみんなのためにも、、ヨワを助けてこの馬鹿げた世界を終わらせるのだ。

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