奴隷少女の私は、自分をただのオタニートと勘違いしていた。
『朝かな、、、?』
昨夜、ログアウトしてから8時間。
『あたし、、これからどうなるんだろう。』
スレイブユアセルフにログインしなければ、
拘束されて奴隷になって強制労働をさせられる。
強制労働もついていけなければモンスターとして認識され、他のプレイヤーに殺される。
ヨミのように。
私が何をしたというのだろうか。
私は、、、、
父と母のお荷物だったのだ。
『違、また学年1位か!すげえな!』
『ほんと!今度勉強教えて!』
『ああ、うん。』
張り出される成績表。
『引小森くんかな?いやあ、すごいね、学年1位。』
『ああ、うん。どちら様?』
『んん?生徒会長の事も知らないとはなあ。』
『生徒会長。何のよう?』
『いや、別に。ただキミの頑張りを讃えにね。』
『そう。私はあなたのこと知らないから、ちょっと驚いたわ。』
『ほ、ほほう。』
『あなたは何位だったの?』
生徒会長は2位に指を指す。
『生徒会長なのに、2位なのね。恥ずかしくない?』
『ぬ、なんだと!!!』
『だってあなた生徒会長でしょ。生徒の見本にならないと。あ、そろそろ授業だからさようなら。』
彼を見ることなく、自分の教室に向かう。
『引小森さんと生徒会長のやりとり見た?』
『見た見た。引小森さん、ちょっとデリカシーないよね。』
『事実だけどさあ。なんかあの生徒会長すらかわいそうよね。』
何がかわいそうなのか。
私は彼について思った事を話しただけだ。
『引小森さん、ちょっといいかしら?』
『なんですか?』
自席に座ると、まあ、スクールカーストの上位者的な、陽キャが現れた。
『今度さ、学祭でやるメイド喫茶の準備金、払ってないの、あなただけなの。』
後ろには、クラス委員が隠れるように立っている。
『ああ。あれ、私やりたくないし、その日休むから。参加しないからいいでしょ?』
『いや、そうじゃなくて。学祭の費用はみんなで分担することになってるじゃない。』
『なんで?休むのに?』
『はあ・・・・あなた、学年1位だからって少し調子乗ってんじゃないの?』
『あなたらが、メイド喫茶なんかにうつつを抜かしている時に、私は勉強していたの。』
『は?何その言い方。』
『メイド喫茶なんてやる目的は何かしら?意味は?』
ダン!
机が叩かれる。
陽キャではない。
クラス委員。
『もういい。学祭には来ないで。あなたの分は私が補填するから。』
『ああそう。それならいいわ。』
くだらない。
リアルとはなんでこんなに面倒なんだ。
ぶつかりあって、正しいことを言っても
低俗な価値観をぶつけてきて。
勉強も家でできる。
学祭も面倒くさい。
それが転落のきっかけだった。
『違、、学校は、、、』
『行かない。』
『学校に行くんだ!』
『なんで?別に家で勉強できるじゃない。』
『学校は行かなきゃいけないんだ!』
『お父さんみたいに公務員になるならでしょ?そんなつまらない仕事したくないから。』
『違!何なの!その言い方!』
私は勉強からも逃げた。
気がついたらゲームにハマる引きこもりオタニートになっていた。
でも、私は自分を勘違いしていた。
私は、奴隷少女。
自分を引きこもりオタニートだと勘違いしていた。
それが今の私。




