巨人さんだよ
『突撃!』
群衆が怒号をあげながら刑務所に向かう。
ケイの指揮は見事なものだ。
さすがネクロマンサーだ。
『簡単に陥落しそうね。』
『この中にヨミがいるのね。』
『はい。私が仕入れた情報によれば、、この中にいます。』
ヨワの横顔を見る。
NPCっぽくないんだよな。
見れば見るほど、、関われば関わるほど
実在する人間のように思えてくるから不思議だ。
しかし、服装は姫さまとはいえあいも変わらず、
粗末な服だ。
聞きたいことは山ほどあるが、
今はヨミを助け出すことに集中しなければならない。
バタバタと倒れていく、ケイの使役しているゾンビたち。
しかし、刑務所の警邏兵は私らが戦ったそれとは違い、強くないようだ。
『痛い!嫌だ!』
『やめてくれ!噛まないでくれ!』
警邏兵の叫び声がここかしこと聞こえる。
これが、現実だとしたら地獄だ。
『なあ、でもケイって、、、このゾンビ達にも感情があって、、、そう簡単には使役できないって言ってたけど、どうやって?』
『この刑務所を潰すのはみんなの悲願なんだ。こんなものがあるから、この世界は腐っていく。』
『そ、そうなんだ。』
ケイは眉間に何重にも皺を寄せて、刑務所を睨む。
『しかし、、簡単に落ちそうだね、、、』
『見てる分にはそう見えるでしょうね。私らは戦ってないんだから。』
『トラップで支援しなくていいの?』
『この刑務所は自分らで潰すというのが、彼らの願いだから。』
『正面門を突破したようです!』
戦況を黙って見ていたヨワが突如叫ぶように話しかけてきた。
『私らもそろそろ行く感じかな?』
『そうね。ん?』
ゾンビ達が一気に吹き飛ばされた。
200メートルは離れている私らのところまでゾンビの死体が飛んできた。
『な、何が、、、?え、、、?』
地響きが鳴る。
刑務所の外壁を崩されていく。
ヨミが囚われているはずの刑務所から出てきたのは体長6メートルはあろう。
『ウガアアアアァァァッ!』
『と、トロール!?』
現れたのは、
ヨミが囚われている刑務所の石の壁をぶち破るくらいの怪力を持ったトロールだった。




