引きこもりだよ!
あれから、何日が経っただろうか。
『飽きたな。』
本棚の漫画。
動画配信サイトの巡回。
見飽きた。
あれからスレイブユアセルフにはログインしていない。
ケイには悪いことをしたと思う。
たかだか、VRゲームでNPCが裏切りの姫だった。
それだけのことで、
そういうゲームだっただけだ。
しかしケイはリアルの人だ。
『ヨミは生きている!ヨワを探そう。』
そう言ってくれた。
私があそこで落ち込むのもわかっていて。
ケイは珍しく語気を強めて、私に伝えてくれた。
『やっぱり、、リアルは面倒だ。』
そう、リアルは面倒。
だけど、私はなぜモノであるヨワに心を掻き乱されたのだ?
『はあ、、、動画配信見よ。』
配信サイトのアプリを立ち上げる。
ゲームタグをなんとなくタップする。
『うん?ライブ配信?スレイブユアセルフ、、、地下世界、、、』
地下世界は大大的に宣伝されてないはずだ。
正式リリースされることになったのだろうか?
サムネをタップする。
『あ、、、れ?』
そこにいたのは、青髪のストレートヘアの綺麗な子。服装は違えど、背格好はまんま桑島ケイだった。
『皆さん、こんにちは。このライブ配信は運営に消されるかもしれません。私も命をかけてます。』
悲壮な覚悟というのか。
何か深刻な感じだ。
『このスレイブユアセルフというゲームについて。私は今、たぶん日本から配信、、できてるはず。IPアドレスはこれです。はあ、、、えっと一応日本かあ。場所は、、宮城県かあ。』
ケイは宮城県の人なのだろうか。
『えっと、、言った通り命をかけています。できたらこのIPアドレスは拡散してほしいかな。』
え。
危なくないか?
コメントを見る。
ケイちゃんかわいい。
ケイちゃん、今行くよ!
行ったら何してくれるんかなあ?
『あー、まあ来てくれると嬉しいけど、私はこれから戦わないといけないから。あと、私の仲間に伝えたい。』
私の、、仲間。
『姫さまは味方だよ。だから、大丈夫。一緒に戦おう。仲間を助けよう。』
ライブ配信はそこで突然切れた。
『あれ、切れちゃったなあ。』
ケイは突然いなくなったのに、私を仲間だと言った。
姫さま、つまりヨワは仲間。
仲間を助けよう、ヨミを助けよう。
全ては私に向けられたメッセージだ。
『ま、まあ、でもトップランカーだから!そんだけよ、、闇ギルドに入る為の仮のパーティだしぃ!!べ、別にヨワは単なるNPCだしぃ!』
パソコンを切り、布団に潜り込む。
『たかがゲームなんだから、、、気にすることはないわ、、、』
そうたかがゲーム。
パーティを組めてもただのゲーム上のこと。
本当に、リアルに会ったときに仲間かなんかは
わからないのだ。
『・・・・・。』
スマホを見ながら、寝る。
スレイブユアセルフ。
ついつい検索をかけてしまう。
パーティを組んで、
NPCの推しのキャラがいる。
ただそれだけのこと。
そうただそれだけの場所に私は居場所を求めていた。
アプリの通知がくる。
スレイブユアセルフとの連携アプリだ。
メッセージが見れる仕様になっていて、ガチャが引けて、また自分のキャラを俯瞰した視点で見るくらいは可能だ。
VRとスマホゲームの融合。
まさに現代的だ。
『助けてくださいーーー違ちゃん。』
ヨワからメッセージが入っていた。
心臓がドクドク鳴るのがわかった。
メッセージを開くと既読がついてしまう。
返事をしなくてはならない。
『はは、何を、、、ただのNPCだ。』
既読がつこうが、なんだろうか問題はない。
中身を見る。
どうせミッションの通知に違いない。
『違ちゃん。私は今、ヨミが囚われている刑務所に向かっています。ヨミはこのままでは取り返しのつかないことになります。モンスターになってしまいます。そうしたら、私らはヨミを倒すことになるでしょう。そんなことはさせたくない。だから、助けが欲しい。待っています。』
『場所はどこだろう?あれ?マップがだいたい添付されているはずなのにーーーー』
そのうち送られてくるだろう。
スマホを閉じた。
その日はなんだか、
頭の中がぐしゃぐしゃしていたからか、、、
眠ることがしんどかった。




