裏切ってごめんなさい
『ねえ、ケイ。』
『ああ。』
『こないね。』
『ヨミは何をしてるんだ?』
スレイブユアセルフでは、警邏兵にやられた場合、刑務所送りになる。
刑務所に送られたアカウントは、脱獄ミッションを発注して誰かに助けてもらうか、刑期を終えるまでいるかの選択を迫られる。
基本的にスレイブユアセルフのルール通りやれば、警邏兵に捕まることはない。
運営がゲームが荒れないようにルール破りにはこういった措置をしている。
脱獄ミッション発注は余程のランカークラスで金と引き換えもしくはスキル剥奪で実施できる。
『ヨミ、金なかったのかな?』
『いやあ、ここだけだが、、ヨミはかなり金持ちだ。』
『そうなの?』
『ああ。結構モテてな。ギフトをよく貰っていたのを見かけた。』
『へ、へえ。』
『ヨミや私がいた、あの闇ギルド一歩手前の日銭を稼げる場所はな、ヨミみたいな子に貢ぎたいから金をドーンと稼ぐアカが結構いたんだよ。』
『ええ!じゃあ、ケイも?』
ケイは長い青髪を手で肩の後ろに払う。
『私はそんな養分から搾取するようなことはしないわよ。私はただいろいろこの地下世界について知りたくてウロウロしてただけ。』
『ふーん。』
『なっ、なんだ。その疑いの眼差しは?』
『べっつにー。』
そう。
ケイも綺麗な顔立ちですらっとしている。
かなりモテそうだ。
ただヨミと違うのは隙がないこと。
ケイが珍しくプンスカしている。
そっか、今まではヨミがこういう役だったのだ。
『どうしようか?パーティは3人いないとダメだし、、、』
『うむー。ヨミが何をしてるんだかって感じだが、、、』
『DMは送れるんだっけ?』
『ああ。アカBANされるわけではないからなあ。よっと。』
ヨミを冒険者検索で探す。
『いたいた、えっと、DMボタンは、、、』
メールのようなボタンを探す。
『あれ?DMボタンないよ?』
『へ?そんなこと、、、ああ本当だ。なんでだろう。』
『エラーか何かな?とりあえず運営に問い合わせしておくか。』
『返事くるの、ちょっとかかるよね?いったん、ヨワのところ帰ろうか?』
『ヨワのところ戻るにも警邏兵構えてそうだしなあ。』
そんなとき、ピロンと電子音がした。
DMの音だ。
『あれ?ヨワからだ。』
『NPCが、DM?そんな仕様あったっけ?』
『うーん、開けてみるか。ふむー。』
ヨワのDMの内容をケイと共有する。
こちらは、ヨワです。
このDMは運営の目を掻い潜り送っています。
いわゆる秘匿回線です。
警邏兵の警備がかなり厳しいです。
ヨミさんやケイさんは無事ですか?
良ければ、免罪符を添付したので利用してください。
『もうちょっと早ければなあ。』
『この秘匿回線っていうのも仕様なのだろうか。』
ずいぶんと凝った作りである。
『とりあえず免罪符を使おう。運営からの返事がなければ打ち手がないからなあ。』
『ああそうだな。免罪符発動!』
『おやおや、また免罪符とやら。ヨワが渡していたのかねえ。』
『・・・・。』
『このタイミングで発動とか、なんか作為的なものを感じないか?』
『・・・・っ!』
『ロックハート総帥!ヨワが秘匿回線を使ったようです。』
『ああ、、そうかい。まあいいのさ。我が子のお茶目な悪戯くらいに思えば。』
『・・・・!!』
『驚いたかい?まあ仕方ないさ。よく考えてごらんよ?都合が良すぎただろう?介入ばかりでね、、ただ今回はやっぱり引小森違の悪意だろうな。』
『キミが死んだあとに、免罪符を使ってさ。キミはパーティにもういらないのさ!わかるだろう?キミのリアルと一緒!尻尾を振って股を開いてたとしても裏切られる!仕方ない!そんなときキミはどうするのかな?ねえ、、、、、』
『北川ヨミ?』




