強制ログアウトだにゃ!
『ずいぶん遠回りだね。』
『仕方ないだろ?最短ルートは、木で塞いでしまったんだから。』
『まあ、、そうだけどさ。』
『しかしさ、免罪符使った方がよかったかな。』
『とりあえずミッション終わったら、ヨワに頼むか。』
『・・・なあ。どうしてスレイブのNPCのヨワがそんなアイテム持ってるんだろうな。』
『・・・・ケイ?』
迂回路の険しい山道を進む中、ケイが疑問を呈した。
『なんでって、、、そういう仕様なんじゃない?闇ギルドミッション、明らか初見殺しだし。しかもロックハートの警邏兵にやられると一発刑務所でしょ?難易度調整じゃないかなあ?』
ヨミの憶測がゲーム的な見方をすれば正しいのだろう。
『私は、、ちょっと違和感。なんかスレイブユアセルフの今までの感じと違うような気がして。』
ヨミが私の方を訝しむような表情で見る。
『・・・?どの辺が?』
『うん、妙に味覚や嗅覚にリンクしている感じかな。ほら、さっきも警邏兵の感じとか、、』
『ああうん、なんか、ほんとに死を恐れているって感じだったよね。』
『そう。後はロックハートのセリフ。行け、さもなくば貴様らが、、、ってやつ。』
『あれはああいう仕様なんじゃない?』
『まあ、、そうだよね。たかがゲームだし。』
ケイはそのあとも何かぶつぶつ呟いていた。
その頃の私は、何も疑いを持たずにこのゲームを進めていた。
『着いたかな?』
『うわっ、熱っ!』
『町の近くにこんな活火山があるなんてねえ。』
迂回路の先が活火山だというのはケイのマッピングで判明していた。
ケイは目の前の地形から先の地形を読み取るのができる。スレイブユアセルフでそんな能力があったとは驚きだ。
『ケイの能力すごいな。そんなスキル、見たことないよ。』
『いや、まあ、これはリアルの私が会得しているものをゲームでもやってるだけだからさ。』
『VR上でも出来るなんてすごいね。』
『ああ。VR上でも出来るなんて私も驚いたよ。』
ケイはリアルで一体何をしているひとなんだろうか。
『まあ、まあ!とりあえずさ、この感じ!ドラゴンかなあ??』
『さあ、そこまではわからないよ。』
『まあでも、私のメスなら!あっという間だからね!』
ヨミは頼れる。
メスという変わった武器だが、確実に相手の弱点を切り裂くから一本のメスが相手に刺さるだけでも致命傷になる。
さて、こんな頼れるパーティでいざ火山に入ってみたわけだ。
『危ない!違っ!』
『よ、ヨミ!?』
一本の矢がヨミの体を貫いた。
『こっちにいたぞ!』
『殺せ!』
『殺さないと、絶対に殺さないと!』
『な、警邏兵・・・・!?』
『こんなところにもいるなんて!ヨミ!しっかり!』
『仕方ない。撤退だ!違!戻って、一本道で地雷を使おう!道を崩す!』
『で、でも!ミッションが!』
『どう考えてもロックハートの監視を外さないとミッションはダメみたいだ!!おい、ヨミしっかり!』
『あ、、、がはっ!』
『ど、毒状態?とにかく退避しないと!』
ヨミを背負い走る。
『くっ、くたばれぇ!』
ケイが銃を撃ちまくる。
『ひっ、』
『痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!』
『ひっ、人殺しめ!』
『なんとでも言え!ああ!胸糞悪っ!』
『ケイ!そろそろ!』
『ああ頼む!』
山道が爆破した。
道が崩れていく。
『ああ!』
『嫌だ!死にたくないっ!』
『ぐげっ!』
警邏兵の断末魔が渓谷に轟く。
砂埃が舞い、山道は一気に崩れさった。
『・・・た、、がえ、、、』
『ヨミ!ヨミ!いや、死んじゃ嫌っ!』
『だ、いじょうぶ、、だってまた復活できるから。』
『見たことない、毒だ。。既存の薬だと効かない、、、、』
ヨミは弱っていった。
運搬もいよいよ、終盤という時だった。
甘くみていた。
ロックハートがミッションの遂行を許さなかった。
『だ、、脱獄ミッションを発動させないとーー』
そう。警邏兵にやられたのだ。
恐らく目が覚めると刑務所だろう。
『助けに、絶対助けるから!』
『うん、、待っているーーーー』
ヨミは息絶えた。
とても綺麗な表情をしていた。
絶対助けないと。
このパーティで戦いたいから。
『よし!脱獄ミッションの通知待ちだね!』
『あ、ああ。』
♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎♦︎
『あーあ、死んじゃった。』
ゴーグルを外す。
ここは私、北川ヨミの部屋。
『脱獄ミッション発注しなきゃね。ふわぁ、結構長い時間やってたから疲れちゃった。』
眠気が一気にくる。
『発注だけしてちょっと寝よ。』
ボタンをノールックでクリックし、ベッドに倒れ込む。
『なんだか、、急に眠く、、、』
パソコンを見る。
『あ、、、れ?』
ピロン。
薄れゆく意識の中見えたのは
『脱獄ミッションは発注できません。あなたはーーーーになります。』
『は、?へ?』
目の前は一気に暗くなった。




