仲直りしよう!
『じゃあ、いってらっしゃい。』
『うん、言ってくるね。』
『『・・・・』』
ヨミとケイは無言だ。
冷めきった目でこちらを見てくる。
やはり、リアルで感情を持った人間は面倒だ。
だが、、、、
『もう元には戻れないかもしれない。そうだとしても精一杯の奉仕を。』
スレイブのヨワらしい発言だ。
道中、会話はない。
出来ることはこのパーティに奉仕すること。
言葉を紡ぐのも大事だ。
だが、奉仕の精神で彼女らの為になる事をやる。
『今日はここで野営だな。』
『あ、あのさ、これ食べる?』
かなり栄養価の高いレアアイテムの肉。
『・・・・?』
『よ、良かったら、焼いて食べてよ。』
『わかった。』
ヨミとケイは首を傾げていた。
私は少し離れたところで休息を取った。
翌日、道中。
私は自分がランカーの時のほど強くない。
それは自覚した。
だから周囲1キロに移動式トラップを張った。
『ギー!』
『な、なんの音!?』
『た、たぶん私が仕掛けたトラップに引っかかったモンスターがいたのよ。この辺は野生の小型ケルベロスの群れがいるみたい。』
『そうなんだ。』
『うむ、さっさと離脱した方がいいな。』
また1つ。
とにかく奉仕。相手のためになることをやり続ける。
『これ、良かったら食べてよ。』
『ああ・・・。』
『ねえ、違!』
離れて休息を取ろうとする私をヨミが引き止める。
『・・・・?』
首を傾げる。
『あ、あのさ。い、一緒に食べようよ?ケイ、いいでしょ?』
『ま、まあ、、』
『・・・・。』
あれだけの事を言ったのに。
『じ、じゃあ。』
相手に求めるのでなく、
相手より優位に立とうとするのでもなく
相手の為になる事をする。
『これ、おいしいね。』
『でしょ?』
『違はセンスがいいな。』
『へへ、、、』
『違ちゃんは昔からそういう配慮が足りないの。あなたの強さとかステータスに興味がある人はほとんどいないの。』
『な、、、』
『だって違ちゃんもそうでしょ?』
『まあ、、確かに。』
私はベッドの中で、ヨワに抱きしめられながら諭された。
『誰かに優しさをね、見返りなんて求めないで、あなたの役に立ちたいから私はあなたにいいことをする。それがあなたに戻ってくる。』
『・・・・何ができるかな?』
『小さな事でいいの。それでね、タイミングを見て謝るの。』
『・・・・謝る。』
『最後は言葉にしないとね。伝わらないから。』
『・・・あ、あのさ。』
『なあに?違。』
『あ、、いや。うん、また肉、錬成したらさあげるから。』
『なんだか悪いな。』
言えなかった。
私が悪かった。
だから、この先もずっとパーティでいてほしい。
ただそれだけのことなのに。
そしてーー
それは永遠に実現することはなかった。
『・・・た、、がえ、、、』
『ヨミ!ヨミ!いや、死んじゃ嫌っ!』
『だ、いじょうぶ、、だってまた復活できるから。』
運搬もいよいよ、終盤という時だった。
甘くみていた。
ロックハートがミッションの遂行を許さなかった。
『だ、、脱獄ミッションを発動させないとーー』
脱獄ミッションの発注は出来なくなっていた。
いや、正確には既にヨミは画面の前からいなくなっていた。




