その3
〈回復職〉だけのパーティー。そんなペナルティーをものともせず、迷宮を軽やかに進む〈ヒーラーズパンテオン〉。そんな彼らに迷宮とGMの無茶振りが容赦なく牙をむく。
GM:〈彷徨う鎧〉や〈緑不定形〉からの襲撃を撃退したあなた達ですが、それでも迷宮の奥へと向かうにつれ、さまざまな仕掛けや無生物系のエネミーが襲い掛かってきます。この難所を潜り抜け、無事最奥までたどり着くことができるでしょうか……、ということでミッションです。
一同:はーい。
GM:このミッション、本当はラウンドによる制限時間は設定されていないのですが、そうするとちまちま一歩ずつ進んでクリアできてしまうので、制限時間を設けようと思います。4ラウンド終了時までにクリアできなかった場合、ミッション失敗です。
一同:げえええ!
目映:ひどいよー。
蒼子:鬼!悪魔!ちひろ!! (註1)
ロシナンテ:4ラウンドはかなりキッツいなぁ。5ラウンドにまからんか。
GM:まあ、あまりにキツそうなら考えます。ではミッション開始で。
突然の難易度アップに不満ブーブーの一行。とはいっても制限なしではあまりにぬるいのも事実。文句を口にしながらも打開策を模索する。
蒼子:ゴール手前の「暗がりへの通路」は必ず戦闘しなきゃいけないんだ。
ロシナンテ:で、そこまでの最短マス数は10。俺が〈サブ職:探検家〉だから2D+6で[運動判定]できる。《偵察する》の支援を受けて、平均値16.5で3マス移動するのが基本かな。
目映:わたしも運動なら《式神遣い》で2D+4できるからいざという時は頼ってね。
蒼子:「入ったら~G」っていうマスは全部横道。足にそんなに余裕ないかも。
ロシナンテ:一番イカンのは増援値が多いマスで《戦闘する》をすることかな。
GM:皆さんは3人パーティーなので1マス進むごとに「危険カウンター」は+2されます。ではスタートしましょう。ラウンド進行なので行動力順でお願いします。
こうして始まった時間制限付きミッション「ラグランダ最深部へ向かえ」。〈ヒーラーズパンテオン〉はこのミッションをどう制覇するのか。
蒼子&ロシナンテ:待機。
目映:《偵察する》をします。12。このラウンドの《迷宮を進む》判定に+1D。
ロシナンテ:それを受けて《迷宮を進む》。17。3マス進んで「巡回する白骨」のマスへ。「危険カウンター」+6。
蒼子:《陽動各個撃破》します。成功したので「危険カウンター」を3へ。
GM:第2ラウンドを。
順調な滑り出しの1ラウンド目。しかし、「危険カウンター」が3残っているのが気になるといえば気になる。次のラウンドも蒼子とロシナンテは待機し、目映から行動スタート。
目映:《偵察する》12。
ロシナンテ:《迷宮を進む》。(コロコロ…)出目がいいな。20。4マス進んで「曲がり角の悪魔像」のマスへ。
蒼子:「地底湖の水竜」は?
ロシナンテ:3ラウンド終了時までに「暗がりの通路」のマスまで行って、4ラウンド目でゴールしなきゃならんから寄ってる暇ないだろ。「危険カウンター」は11へ。
蒼子:そっか。これほぼ実質3ラウンドなんだ。《陽動各個撃破》17。「危険カウンター」は8へ。
あらためて条件の厳しさに気づいた一行。焦りを見せながらマップを進める。4ラウンドで進める場合、たとえ4人パーティーで進めたとしても余計な寄り道をするとほぼ詰むだろう。3人の場合は5ラウンド程度が適切かもしれない。
GM:では3ラウンド目です。
蒼子:《陽動各個撃破》します。成功したので「危険カウンター」を5へ。
ロシナンテ:《迷宮を進む》15。3マス進んで「暗がりへの通路」へ到着。「危険カウンター」11へ。
目映:あおちゃんと同じく《陽動各個撃破》16。「危険カウンター」8へ。「うじゃうじゃいるよ、もー」
ようやくゴール一歩前、「暗がりへの通路」にたどり着いた一行。このマスは《戦闘する》で勝利しなければ進むことができない。このマスでの《戦闘する》の難易度は[11+「危険カウンター」の数]のため、全員あわせて3Dしか振れない〈ヒーラーズパンテオン〉の一行はできる限り「危険カウンター」を減らしてから戦闘に挑まなければならない。残り1ラウンド。おそらくチャンスは1度きりだ。
GM:では第4ラウンドです。
蒼子:《陽動各個撃破》成功。「危険カウンター」5へ。
ロシナンテ:移動するために待機か。
目映:ここまでだね。じゃあ《戦闘する》よ。【因果力】1点払うね。
蒼子:あたしも払います。これで5D。
ロシナンテ:俺は続く移動があるから参加はするが【因果力】は控える。
目映:5Dで16…いけ!
運命のダイスは果たして…14!
一同:ぎゃあああああああ!
ロシナンテ:GM、これは判定だな?
GM:そうです。
ロシナンテ:参加者が【因果力】を払って振り直しを求めることは可能か?
GM:…うーん。正確には判定者は目映さんなのですが、まあ、良しとしましょう。
ロシナンテ:じゃあ、【因果力】1点払った。
目映:ロシナンテさんごめんねー。
ロシナンテ:気にすんな。ダイス目は運だし、そもそもこの条件自体にかなり無理がある。
GM:そうですね。5ラウンドにするべきでした。
目映:こんどこそ……17!
ロシナンテ:成功だな。じゃあ《迷宮を進む》。14。ゴールしておしまいだ。
蒼子&目映:やったー!
GM:おめでとうございます。皆さんはみごと難所を潜り抜け、〈ラグランダの杜〉の半分程度を踏破し、深部と呼ばれるような位置へと到達しました。
ロシナンテ:おつかれさん。GM、これ、よく見たら敗北したらシナリオ失敗するミッションだろ。3人なら6ラウンドくれてもいいレベルじゃねえか?
GM:失敗したら消耗表で誤魔化そうかと思っていたんですが、まあ、その敗北条件で進めるならその通りですね。
かくして〈ヒーラーズパンテオン〉はGMからの無茶振りで難易度が爆上げされたミッションを見事踏破し、互いに健闘を讃えながらついに〈ラグランダ〉深層へと歩みを進める。
GM:さて、ミッションを踏破し少し開けたフロアで一息をつくことができます。ここから先、また強敵との戦いが待ち受けています。ブリーフィングに入ってください。
ロシナンテ:《敵情を探る》9、失敗だ。
蒼子:あたしもやってみよう。(コロコロ)あー、1足りない。
目映:わたしもやってみるね。(コロコロ)あれー?(1足りない)
誰一人成功しないままロシナンテに[障壁:30]と[再生:23]を盛って戦闘に入る一行。偵察要員を育てづらいのはこのパーティーの明確な弱点と言えるだろう。
GM:では暗く湿った頑丈な通路の途中にある玄室。ところどころが崩れ一歩踏み込めば滑りやすい足場があなたたちの行く手を遮ります。そこには、この通路に張り巡らされた無数の巨大な蜘蛛の巣と、その主たちがあなた達を餌食にしようと手ぐすねを引いて待ち構えていたのです。
そういってGMはエンカウントシートのC6、E5、G5にエネミーを配置する。
GM:初期配置はD1、E1のいずれかです。
ロシナンテ:プロップの正体がわからん以上、変なプロップの少ないG、Hの2,3あたりで戦うことを想定して全員E1配置だろ。
蒼子:なるほど。
GM:では見えているものを。まずエネミーはどちらもランク3。〈巨大蜘蛛〉、[自然][暗視]、行動力3と、〈火間虫入道〉、[モブ][幻獣][暗視]、行動力5です。また〈火間虫入道〉は[飛行]状態です。黒いプロップは【玄室の壁】。侵入不可で、射線を遮る壁です。D6、E3のプロップは【滑る床】。[天然][地形]で、接触すると難易度8の[運動判定]。失敗すると[硬直]状態になって残りの移動を失います。残りの蜘蛛の巣マークのプロップは【蜘蛛の巣】。[天然][地形]で、対象はこのプロップに接触した時点で残りの移動を失います。あとは、偵察に成功していれば【蜘蛛の巣】の幾つかを【炎上した蜘蛛の巣】に変えることもできましたが、まあどうでもいいことですね。
蒼子:やっぱ偵察は鬼門だったよ!
GM:ではセットアップを。
蒼子:ロシナンテさんの視界の中には[隠密]してるやつはいないのね。とりあえず〈巨大蜘蛛〉を《エネミー識別》。12。
GM:データどうぞ。
蒼子:よしよし、射撃はなし、と。
GM:では〈火間虫入道〉は《光喰らう灯》で自身のいるG5に【暗闇】を設置します。
ロシナンテ:ということはそこにいる奴は[隠密]状態か。あ、これは蒼子の《ディスミサル》が撃てない予感。
蒼子:待機されたら、どうしてもあたしが先だから無理だし。これロシナンテさんが《ウルフズアルファクション》取ってなかったら詰んでたんじゃ……。
ロシナンテ:《インヴォークリアクト》。ヘイト2。
目映:あおちゃんに《御霊の守護》からの《禊の障壁》。[障壁:30]。
GM:《巨大蜘蛛》にはセットアップの行動はありません。メインプロセスを。
蒼子:いちおういったん待機してみよう。
GM:〈火間虫入道〉も待機します。
ロシナンテ:G3へ《ダッシュ》。射線が通ってなかった場所に[隠密]状態のエネミーはいないか。
GM:いません。
ロシナンテ:じゃあメジャーは無し。行動終了。
目映:待機しまーす。
GM:〈巨大蜘蛛〉AはE3まで《ラン》して行動終了です。[天然]プロップからの望まない効果を受けません。〈巨大蜘蛛〉Bは同じくE6まで《ラン》しておしまい。
目映:じゃあ、待機してたわたしだね。F2まで《ラン》して、〈巨大蜘蛛〉Aに《ディバインマイト》からの《基本武器攻撃》。38点物理。
GM:28点ほど通りました。さて待機で行動力が同値ですのでPC優先ですね。蒼子さんどうぞ。
蒼子:うーん安全策で行こう。G2に《ダッシュ》で退避して、〈巨大蜘蛛〉Aに《基本魔法攻撃》。17点魔法。
GM:11点ほど通りました。
蒼子:あ、結構通った。
GM:最後に〈火間虫入道〉がG3のロシナンテさんにマイナー入り《バグスチャージ》。22点物理。ヘイトダメージ4点。
ロシナンテ:ヘイトダメージだけ通って、《リアクティブヒール》でヘイト2を維持。[障壁]残り26点。
目映:これはかけなおす必要ないかな?
GM:クリンナップに〈火間虫入道〉が設置した【暗闇】は消えます。他に行動はありませんね?では次のラウンドに入ります。
蒼子:これ、あらためてロシナンテさんいなかったら詰んでるよね。
目映:ロシナンテさんえらい!
ロシナンテ:うう、またインチキだとか言われてしまう。どうしてもというなら《バグスライト》とかで【暗闇】を除去してそのラウンド中に倒すとかいう曲芸はある。
蒼子:〈火間虫入道〉を《エネミー識別》13。
GM:ぎりぎりわかりました。データどうぞ。
蒼子:こいつ珍しいんだね。
GM:そうですね。〈火間虫入道〉は《光喰らう灯》でG3に【暗闇】を設置します。
ロシナンテ:「羽根つきリュック」の効果を起動。[飛行]状態を得る。
目映:自分にいつもの。[障壁:30]。
GM:ではメイン。蒼子さんから。
蒼子:この位置から〈巨大蜘蛛〉Aに《基本魔法攻撃》。あ、1ゾロ。
GM:では、〈火間虫入道〉の行動です。マイナーも使ってロシナンテさんに《バグスチャージ》。27点物理とヘイトダメージ4点です。
ロシナンテ:そのまま食らって[障壁]残り22。ヘイトは1に。続いてこちらの攻撃。その場で〈火間虫入道〉に《ホーリーシールド》。20点貫通。ヘイトは2。
GM:まだ生きてますねー。
目映:意外と頑丈だね。とりあえずG2に移動して《ディバインマイト》してから〈巨大蜘蛛〉に《基本武器攻撃》33点物理。
GM:23点通りました。62点食らってます。蜘蛛ーズの番ですね。〈巨大蜘蛛〉AはG3に入ってマイナーもいれた《蜘蛛糸絡み》をロシナンテさんに。26点物理とヘイトダメージ2点です。
ロシナンテ:ヘイトダメージだけもらって、《リアクティブヒール》空撃ちでヘイト2を維持。[障壁]残り20。
GM:〈巨大蜘蛛〉BはけなげにえっちらおっちらE4へ移動して終了です。
クリンナップにG3の【暗闇】は消えて、行動は何もなし。こういった持久戦ではやはりロシナンテの硬さと[障壁]の有能さが際立つ。続くセットアップもやることがなく、〈火間虫入道〉が再びG3に【暗闇】を設置。全員で《異常探知》するも大したことは見つからず。
蒼子:F2に入って〈巨大蜘蛛〉Bに《ネイチャーズラス》。25点物理。ヘイト2です。
GM:〈巨大蜘蛛〉Bに15点通りました。〈火間虫入道〉はロシナンテさんにマイナー入り《バグスチャージ》。27点物理とヘイトダメージ4点です。
ロシナンテ:蒼子に行くとめんどくさいからヘイトを上げよう。《リアクティブヒール》空撃ちでヘイト2を維持。[障壁]残り16。続いて〈火間虫入道〉へ《ホーリーシールド》。ヘイトを3へ。ダメージは15点貫通。おちろ!
GM:おちました。あー、でもこうなっちゃうと後は投了ですね。
蒼子:あとは硬い敵とガッツンガッツン殴り合うだけだもんね。
GM:《平蜘蛛の呪い》が飛んだところで全員フルバフのこの状況じゃどうしようもありませんから。じゃあ、皆さんは見事〈巨大蜘蛛〉たちを打倒しました。荷物や装備に絡みついた蜘蛛糸の処理は面倒そうですが、最奥までたどり着くことができるでしょう。ドロップ処理を行ってください。
ドロップは「闇を呼ぶ殻」「闇色の糸」「漆黒の大アゴ」。
GM:「闇色の糸」はコア素材ですね。
ロシナンテ:何の素材だっけ?
蒼子:「隠者のローブ」。
ロシナンテ:装備者に[軽減]を与えるだけじゃなく、特技 《トワイライトマント》のスキルランクを1上昇させる化け物装備だが……。
目映:〈魔法攻撃職〉専用じゃない?
ロシナンテ:いらんな。
蒼子:そうだね。うちら〈魔法攻撃職〉いないんで。また初心者に捨て値で流してあげましょう(笑)
ロシナンテ:ここまで徳を積んだら我々もいっぱしの聖職者と呼べるのでは?
蒼子:円卓に報告することが増えたね。コアを拾っても使えないものが多い(笑)
目映:使えるコアが限られちゃうから、下手すると奪い合いになっちゃうね。
ロシナンテ:とはいえビルド的に差がでかいから平気な気もするが。
蜘蛛の巣での激闘も蓋を開けてみればわりとあっさり。苦戦も何もあったものではない。一体誰が彼らを止められるのだろうか。しかし、そんな〈ヒーラーズパンテオン〉の前に恐るべき強敵が立ちふさがる。次回、〈ラグランダの杜〉最深層に邪神系アイドル降臨!
註1.『鬼!悪魔!ちひろ!!』 悪魔に魂を売ってでも勝たねばならぬ戦いに挑むプロデューサーが、天使の様な笑顔を見せる悪魔へと送る言葉。『アイドルマスターシンデレラガールズ』




