その2
■ミドルフェイズ
にゃん太さんからのミッションへのお誘いを振り切り、再び〈ラグランダの杜〉へと踏み込んだ〈ヒーラーズパンテオン〉一行。目指すは難易度が高いとされる左ルートだ。
GM:というわけでダンジョン特有の空気が今日もひんやりとあなた達の頬を撫でます。この空気があなた達の焦りがちな気持ちをおさえてくれているのかもしれません。あなた達は最初のT字路を今度は左に進みます。
蒼子:右に行ってあの箱を回収しなきゃ!
ロシナンテ:落ち着け。消耗が割に合わん(笑)
目映:全然おさえられてないよ(笑)
GM:こちらは比較的難易度が高いとされるルートです。あなた達は慎重に奥に進むのですが…。ここでブリーフィングに入ってください。
蒼子:第一試練第二試練としてきてわかったあたしたちの弱点は、【行動力】の低さですよね。ちょっと足りない。
ロシナンテ:補うあてはあるんだが、今回は金がなくてな。 (註1)
目映:【DEX】は行動力に影響しないしねぇ。
GM:まあ、行動をお願いします。
蒼子:《ハートビートヒーリング》で[再生:20]をロシナンテさんに。
目映:《禊の障壁》でロシナンテさんに[障壁:30]。
ロシナンテ:《敵情を探る》12。
GM:広い玄室の中に佇む無数の騎士鎧。その足元を、緑色をした粘液質のモンスターがはいずりまわっています。ですが、気が付けば緑色の不定形はその姿を消していました。ロシナンテさんは何かあるな、と心に警告するものがあります。敵の数は5体です。
ロシナンテ:単純に考えたらノーマル、モブ×4か?
蒼子:前回、モブ3体もあったよ。
目映:となるとノーマル×2、モブ×3かな?
蒼子:前回はそれで時間制限付きだったからね。
目映:ひどかったねー。
蒼子:ブッダ、寝ているのですか! (註2)
ロシナンテ:なんでいきなり発症した(笑)
蒼子:いや、慢性化してしまったらしく、もう一生付き合っていくしか…。
ロシナンテ:重たいなそれ……。 (註3)
そんなくだらないことを言いながらロシナンテに[障壁]と[再生]を盛って、〈ヒーラーズパンテオン〉は戦闘へ突入する。
GM:(エンカウントシートを広げる)エネミーの配置は終わってます。
蒼子:え?
目映:何にも置いてないよ?
ロシナンテ:全部隠れてるのか…?
GM:初期配置はF2、3、4、G3、H3のいずれかです。
ロシナンテ:先手取られて押し込まれるのだけはごめんだな。
しばらく話し合って全員F3に配置。この後、衝撃的な展開がGMを襲うことに。
GM:では見えるものを説明します。G、Hの1~2、4~8は【洞窟の壁】。侵入不可で、射線を遮ります。【鎧】は[機械][オブジェクト][物品]の、ただの騎士鎧です。またシーンエフェクト【幻惑の霧】が効果を発揮しています。シーン内の[隠密]状態のキャラクターが行なう判定、および[隠蔽]状態のプロップの【探知難易度】に+1します。解除はできません。視界をぼやけさせる、晴れることのない魔法の霧です。
ロシナンテ:はい。GMに残念なお知らせですが、《ウルフズアルファクション》の効果で[隠密]状態の対象をあたかもそうでないかのように扱い、行動の対象にできます。ので、[隠密]状態のエネミーを配置してください。
GM:ちくしょうめー!
一同:(爆笑)
目映:ロシナンテさんどうして敬語なの?
ロシナンテ:いや、なんか申し訳なくて……。
蒼子:これはひどい(笑) 知ってて取ったわけじゃないですよね?
ロシナンテ:こんな気まずい思いすると知ってたら取らんわ!ただ単に《異常探知》待たずに《エネミー識別》することもありそうだから取っただけだよ!
蒼子:あまりにも刺さり過ぎでしょ、これは。インチキを疑われるレベル(笑)
GM:マジで最悪ですね(笑)
PCが何気なく取った特技で考え抜かれた展開があっさり崩壊するという展開は、TRPGではよくある光景である。GMはその口調とは裏腹に楽し気にA3、B4、C6、E6、F4にエネミーを配置する。
GM:A3、C6、F4のエネミーは〈緑不定形〉。ランク3。タグは[モブ][人造]。行動力は5。B4、E6は〈彷徨う鎧〉。ランク3。タグは[人造][暗視]、行動力3です。ではセットアップを。
蒼子:まず《異常探知》で[隠密]をはぎましょう。視界が通ってるので5体ともこちらと[対抗判定]してください。13。
ロシナンテ:これではげるだろ。
目映:また髪の話してる……(´・ω・`) (註4)
ロシナンテ:ちげーよ。
GM:C6のエネミー以外は現れました。〈彷徨う鎧〉AとBは《佇む騎士鎧》を使用します。C6のものを除いたエネミーすべてに[軽減:5]を与えます。
ロシナンテ:面倒な。とりあえず敵のほうが俺より早い時点で《インヴォークリアクト》。ヘイトを2へ。
目映:自分に《御霊の守護》&《禊の障壁》で[障壁:30]。あおちゃんはちゃんと逃げてね。
GM:ではメインプロセスに入りましょう。
蒼子:…あ。《従者召喚:アルラウネ》忘れてた。
目映:あー…。
蒼子:使い慣れて無いから仕方ないね。F2に一歩だけ遠ざかって、F4に居る〈緑不定形〉Cに《ディスミサル》。イヤー! (註5)
GM:グワー!という訳で〈緑不定形〉Cは[戦闘不能]です。
ロシナンテ:次はスライムたちだな。
GM:C6の〈緑不定形〉Bは《不気味な水溜り》を使ってD4に移動。まだ[隠密]状態のままです。〈緑不定形〉Aは《不気味な水溜り》で[隠密]状態になって、そのままD3に入ります。
ロシナンテ:見えてる側からすれば、待機しとくかメジャーで隠れてもいいだろ、と思わんでもないなそれは。とりあえずD3に《ラン》で移動して、〈緑不定形〉Aに《ホーリーシールド》。5d+2で26点貫通。ヘイト3。
GM:[軽減:5]の分だけ生きてますよゴウランガ! (註6)
ロシナンテ:GMまで!!! (註7)
目映:ここがお前のオブツダンだってちょっとかわいいよね。 (註8)
蒼子:バブルスライムがニフラムでとける趣ですね。 (註9) 次は目映さんですか。
目映:ロシナンテさんをかばえるE3に入って、E6にいる〈彷徨う鎧〉Bに《ディバインマイト》からの《基本武器攻撃》。42点物理。
GM:23点通ります。
蒼子:やっぱりそれなりに硬いかー。
ロシナンテ:鎧で硬くなかったら「お前なんなの?オモリ?」とかなるし。
GM:こっちの番ですね。B4の〈彷徨う鎧〉AがD3まで《ダッシュ》して、ロシナンテさんに《鎧絡み》。通らないと思いますが27点物理です。あとヘイトダメージ3点どうぞ。
ロシナンテ:ヘイトダメージだけ[障壁]が削れて残り27。《リアクティブヒール》空撃ちでヘイト3維持。
GM:悔しくないですし?こうやってガリガリ削ればいいだけですし?
蒼子:ガリガリ?
続く〈彷徨う鎧〉もロシナンテの[障壁]を3点だけ削るだけに終わる。
蒼子:これくらいだと、他の人に[障壁]投げてもいいかも。
GM:クリンナップ処理は何もありませんね?では次のラウンドへ。
そんなこんなで迎えた2ラウンド目。蒼子は〈緑不定形〉を《エネミー識別》。ロシナンテは〈彷徨う鎧〉を《エネミー識別》しようとするもファンブル。もけけぴろぴろと名付ける。 (註10) 目映は《異常探知》で14を出して隠れていた〈緑不定形〉Bをあぶりだす。
蒼子:まずあたしから。当然ダメージ受けてないやつ狙うよね。この場で《カムフラージュリーフ》してヘイト0。それからD4の〈緑不定形〉Bに《ディスミサル》。ヘイト1。
GM:抵抗できません。〈緑不定形〉Bは[戦闘不能]です。〈緑不定形〉Aはロシナンテさんにマイナーも使った《腐食の滴》で攻撃します。47点物理。通ったら[硬直]。通らなくても当たった時点で[物理防御力-4]ですよ。ヘイトダメージは6点です。
ロシナンテ:[障壁]が1点残る。《リアクティブヒール》空撃ちでヘイト3維持。
目映:あれ?《リアクティブキュア》は?
蒼子:その前提になる《リアクティブヒール》の対象が、「直前の攻撃でHPダメージを受けた対象」ですから、防御力とか[障壁]でダメージを消し切っちゃうと、HPダメージ自体がなくなって使えないんですよ。
ロシナンテ:〈彷徨う鎧〉Aに《ホーリーシールド》。20点貫通。ヘイト4。
GM:[軽減:5]が生きているので15点です。まだ倒れません。
蒼子:硬いなぁ。
目映:同じく〈彷徨う鎧〉Aに《ディバインマイト》つき《基本武器攻撃》。38点物理。
GM:19点通ります。では〈彷徨う鎧〉Aはロシナンテさんにマイナー付きで《鎧絡み》。32点物理。ヘイトダメージ4点。
目映:かばうね。[障壁]が29点削れたー。
ロシナンテ:ありがたい。ヘイトは3だ。
GM:では続いて〈彷徨う鎧〉Bも《鎧絡み》。26点物理。
ロシナンテ:辛うじて弾いた。ヘイトダメージで3点食らって、《リアクティブヒール》で回復。ヘイトは2。
蒼子:クリンナップで《キュアブルーム》。ロシナンテさんのBS[物理防御力-4]を解除します。さっきのでロシナンテさんに[硬直]が入っていれば解除しきれませんでした。ナイスです、目映さん。
一瞬のピンチも抜群のコンビネーションで乗り切った〈ヒーラーズパンテオン〉一行。続く3ラウンド目のセットアップに蒼子は〈彷徨う鎧〉を《エネミー識別》。ロシナンテはやることなし。目映はロシナンテに《御霊の守護》&《禊の障壁》で[障壁:30]を貼り直す。
蒼子:じゃあ、あたしから。いつものごとく《カムフラージュリーフ》からの《ディスミサル》で〈緑不定形〉Aを。
GM:倒れました。あとは無力な鉄くずが2体ですから投了しまーす。
ロシナンテ:まあ、そうだよな。
目映:やったー!
勝敗がはっきりしたらそのまま投了して時間を短縮するのも、セッションを楽しくするための一つの手だ。そのままドロップ処理をして、一行は迷宮を奥へ奥へと進んでいく。
蒼子:〈緑不定形〉のドロップは「濁った粘液」だけなんですね。「バスケット」に隔離しときましょう。ばしゃー。
GM:濁った粘液に満たされた「バスケット」をもった12歳って……(笑)
蒼子:あ、あとアルラウネをよんでおきます。
目映:そうだね。
註1.『今回は金がなくてな』 LHTRPGではきちんと考えて整えられた武装の力は大きい。まこと金の力は偉大である。
註2.『ブッダ、寝ているのですか!』 ネオサイタマにおける運命を嘆く言葉。いわゆるOMG。
註3.『重たいなそれ』 もし本当なら笑い事ではないほど重たい。
註4.『また髪の話してる……(´・ω・`)』 ……そんなに過剰に気にするな。またハゲるよ。
註5.『「イヤー!」「グワー!」』 ニンジャにおける基本的な攻撃の掛け声とダメージ音声。これがアバー!の場合はシャレにならないダメージが入ったことを示す。
註6.『ゴウランガ!』忍殺語の中でも最も謎めいた言霊。日本語訳ではナムアミダブツとされることも。あまり深く考えないのが人生を楽しむコツ。
註7.『GMまで!!!』 30代後半おっさんの悲痛な叫び。つらい。
註8.『ここがお前のオブツダンだって~』 オブツダンは忍殺語では「墓場」に相当するが、音だけで見るならば確かにちょっとかわいい。
註9.『バブルスライムがニフラムでとける趣ですね。』 ドラクエ世界で最もいのちの儚さを感じる瞬間でもある。ワビサビ。
註10.『もけけぴろぴろ』 知識判定にファンブルした時に現れる謎の生物名。初出は無印SW第3部リプレイ。




