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第五章 風と土の特訓
一週間目は、風だ。
「気を巡らせて、押すんじゃ。押すだけよ」
押した。
テントが、飛んだ。
買い出し袋も、飛んだ。
メレオスも、浮かんで笑っている。
「ぶわっはは!イメージがデカすぎるわ!」
飯を追いかける。カレーの具材が、谷へ落ちる。
浮かんだまま、メレオスが谷を指差した。
「回収は、お主の仕事じゃ」
分かってる。
十日目には、焚き火を揺らすくらいで止められた。
「ウィンドカッター」ぐらいは、出来るようになりたい。
***
二週間目は、土だ。
「足元を、柔らかくイメージせい」
柔らかくした。
ずぼっ!
自分が、落ちた。
穴の縁から、金色の頭がのぞいた。
「ずぼっ、と行ったのう。ぶわっはは!」
「笑うな!わざとだろう!」
穴から出るのに、三十分かかった。
それでも、穴を自分のサイズで止められるようになった。
埋まるのは、まだ得意だ。
試したいことがある。
土と言ったら「ストーンウォール」だ!
「ストーンウォール!」
石壁が目の前に立ち上がった。
メレオスが、壁を下から上まで眺めた。
「ほう、やるのう。イメージが出来とる」
だてに、ラノベと深夜アニメは見てない。
「お主、詠唱は恥ずかしいと言っておったじゃろう」
「山だからいいんだよ。誰も見てない」
風と土まで、なんとか形になった。
残るは、雷だけだ。




