第六十章 一番長い夜
冬至の朝は、よく晴れていた。
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「健ちゃん、本当に大丈夫? 仕事、休めないの」
玄関で、母さんが、三回目の同じことを言った。
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「大丈夫。夜勤なだけ」
「冬至に夜勤って」
「警察関係だから」
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いつもの答えだった。
母さんは、いつもの顔で、それ以上は聞かなかった。
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父さんは、門の前で、車のトランクに旅行鞄を積んでいた。
鼻歌だった。
一等の、金色の玉の効き目は、まだ続いていた。
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「由紀。ゆず湯、頼んだぞ」
「うん」
「浮かべすぎるなよ」
「分かってるってば」
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母さんが、助手席の窓を開けた。
由紀を見た。
それから、俺を見た。
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「……あんたたち、何か、隠してない?」
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由紀の笑顔が、一瞬だけ、固まった。
俺も、固まった。
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「まあ、いいわ」
母さんは、窓を閉めかけて、止めた。
「帰ってきたら、聞くから」
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車が、角を曲がって、見えなくなった。
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由紀が、大きく息を吐いた。
「……お母さん、絶対、気づいてる」
「何にだ」
「何かに」
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昼過ぎに、実家の班が来た。
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最初に来たのは、宅配便の制服を着た『レスラー』だった。
段ボールを一つ、抱えていた。
中身は、救急箱が二つだった。
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「……その格好は」
「近所の目がある」
『レスラー』は、真顔で言った。
制服が、胸のところで、はち切れそうになっていた。
近所の目は、むしろ集まりそうだった。
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二十分後に、『レディー』が来た。
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化粧が、なかった。
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一瞬、誰だか分からなかった。
地味なコートに、まとめただけの髪。
眉が、思っていたより、ずっと優しい形をしていた。
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「……本気出せば、地味になれるって、言ったでしょ」
『レディー』は、門の中を見回しながら言った。
「両親は?」
「もう出ました」
「そう。なら、化粧してくればよかった」
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由紀が、ぽかんとして、『レディー』の顔を見ていた。
それから、小声で俺に言った。
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「……きれいな人じゃん」
「言うな。たぶん、怒る」
「聞こえてるわよ」
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『レディー』は、庭と塀と裏口を、十分で全部見て回った。
『レスラー』は、門の内側に、段ボールを積んで座った。
二人とも、柚子の木の前だけは、なぜか避けて歩いた。
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由紀は、柚子を摘んでいた。
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庭の柚子の木から、一つずつ。
手の届くところは、全部。
籠が、黄色でいっぱいになった。
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「……それ、何個浮かべる気だ」
「全部」
「湯が見えなくなるぞ」
「おじいちゃんのゆず湯だもん。見えなくなるくらいが、ちょうどいいの」
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風呂場に籠を置いて、由紀は、縁側に座布団を一枚だけ敷いた。
北向きの、庭に面したところだった。
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じいちゃんが、毎年、立っていた場所の前だった。
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「日が暮れたら、始めるね」
「うん」
「帰ってくるまで、止めないから」
「……寒いぞ」
「知ってる」
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もう、全部、話したことだった。
何度も、話したことだった。
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門の前で、由紀が、手を出した。
小指だった。
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「……それ、この前もやっただろ」
手帳を見つけた、蔵の片付けの日。
由紀は、同じ指を出した。
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「あれは、教えてね、の約束」
由紀は、小指を引っ込めなかった。
「これは、帰ってきてね、の約束」
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指を、絡めた。
子供の頃と、同じ強さだった。
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「ゆず湯、冷めるまでに」
「冷めたら、沸かし直せ」
「ずるい」
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午後三時。
隠り山の、錆びたゲートの前に、車が三台並んでいた。
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赤城は、登山靴だった。
あの写真の、新品の登山靴。
まだ、泥が一つもついていなかった。
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俺も、登山靴だった。
『ホラー』も、登山靴だった。
二人とも、加藤さんの役割表の、持ち物の欄に、太字で書いてあった。
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赤城が、俺たちの足元を見た。
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「……学んだな」
「学びました」
「よろしい」
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『ジョン』は、黒い防寒着に、背中に大きなザックを背負っていた。
中身は、聞かなかった。
拳銃が効かない相手だということは、本人が一番よく知っている。
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「照明と、無線と、カイロだ」
『ジョン』のほうから、言った。
「今夜は、長いからな」
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ゲートの脇に、作業服の老人が立っていた。
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老人は、俺の顔を見た。
赤城を見た。
それから、しばらく、俺の足元のあたりを見ていた。
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俺の足元には、メレオスが立っていた。
今日は、姿を隠していなかった。
0課の全員と、赤城に見える形で。
それ以外の誰にも、見えないはずの形で。
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「……三度も来るやつは、初めてじゃ」
老人は、ゲートの鍵を開けた。
「今日は、日が短い。暗うなったら、下りてこい」
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それから、錆びた鎖を外しながら、ぼそりと言った。
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「ぼうずも、足元、気いつけてな」
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メレオスが、ぴくりと顔を上げた。
老人は、もう、背中を向けていた。
車に戻っていく足取りは、前と、何も変わらなかった。
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「……今、わしに言うたか」
「分からん」
「健司に、ぼうずは、ないじゃろう」
「二十九だからな」
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聞き直す前に、老人の車は、坂の下に消えていた。
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山道に、入った。
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冬の山は、明るかった。
葉の落ちた木の間から、低い日が、横から差し込んでいた。
影が、やけに長かった。
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『ホラー』が、先頭を歩いていた。
今日は、一度も、方角を迷わなかった。
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「……いますね」
しばらく登ったところで、『ホラー』が言った。
「前の二回と、違います。潜んでない。……並んでます」
「並んでる?」
「道の両側に。見送ってるみたいに」
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俺には、何も見えなかった。
木と、落ち葉と、長い影しか。
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メレオスが、俺の袖を握っていた。
いつもより、少しだけ強く。
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赤城は、何も言わずに登っていた。
息は、今日も、少しも乱れていなかった。
一度だけ、振り返って、俺の背中のあたりを見た。
メレオスがいるあたりだった。
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「神様」
赤城が、言った。
「山では、健司くんから、離れないでいただきたい」
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「……言われんでも、離れん」
メレオスは、袖を握ったまま言った。
「前に一人で来て、叱られたからのぉ」
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崩れたコンクリートの土台が、見えてきた。
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そこで、日が、沈みはじめた。
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四時半。
西の稜線に、太陽の縁が、かかった。
山の中が、急に、青くなった。
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一年で、一番、夜が長い日の、日没だった。
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俺は、足を止めた。
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左から、息の音がした。
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気のせいじゃなかった。
耳で聞こえたんじゃない。
体の内側の、気の回るところに、もう一つ、呼吸が重なった。
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吸う。
吐く。
少しだけ、俺より速い。
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三回目で、揃った。
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「……始めたな」
メレオスが、北とは逆の、南の空を見た。
実家の方角だった。
「届いとる。縁は、切れとらん」
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体の中が、軽くなった。
重い水を押していたのが、下り坂になった。
縁側の朝と、同じだった。
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あいつは、今、縁側にいる。
じいちゃんが立っていた場所の前で、北を向いて、座っている。
十二月の、冷たい板の上で。
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止めないから、と言っていた。
本当に、止めないんだろう。
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「行こう」
俺は言った。
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祠の跡は、窪地の底にあった。
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前に来たときと、同じ場所だった。
崩れた石の土台と、焦げた跡。
影が輪になって回っていた、あの窪み。
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違ったのは、そこに、人がいたことだった。
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窪地の斜面に、黒い服の集団が並んでいた。
二十人。
三十人。
暗くなりかけた中で、全員の手の甲に、同じ線の紋様が見えた。
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誰も、武器を構えていなかった。
ただ、立っていた。
待っていた。
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その集団から、少し離れた場所に、一人だけ、違う男がいた。
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背の高い男だった。
上等なコートを着ていた。
顔に、白い仮面をつけていた。
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仮面の額に、細い線が何本か、刻まれていた。
紋様と、同じ種類の線だった。
本数は、暗くて数えられなかった。
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「……あの人」
『ホラー』が、小さく言った。
「中には、何も入ってません。ただの人です」
少しだけ、間があった。
「でも、あそこにいる誰より、怖い顔をしてます。仮面の下で」
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『ジョン』が、ザックを下ろした。
赤城が、一歩、前に出た。
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窪みの縁に、男が一人、座っていた。
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くたびれた上着の、四十くらいの男。
膝を抱えて、窪みの底を、覗き込んでいた。
遊び場の砂場を眺める、子供みたいに。
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男が、顔を上げた。
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首を、傾げた。
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「来たね」
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子供みたいな目だった。
倉庫の夜と、同じ目だった。
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「伊左衛門の、孫と」
男は、俺を見た。
「伊左衛門の、弟子と」
赤城を見た。
「逃がした、かみさまと」
俺の袖を握っているメレオスを見た。
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それから、男は、ゆっくりと、南の空を見た。
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俺の体の中で、由紀の息が、一瞬だけ、止まった気がした。
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「それと」
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男は、嬉しそうに笑った。
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「もう一人、呼んだんだね。伊左衛門の、家族を」
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「あっちには、友だちが、行ってるよ」
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窪地の底から、風が吹き上がった。
風のない夕暮れだった。
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「今夜はね」
男は、立ち上がった。
膝の土を、丁寧に払った。
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「ここだけじゃなくて、いろんなところで、開くんだ」
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「一番、長い夜だから。ゆっくり、遊ぼう」
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日が、完全に、沈んだ。




