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ご主人様はモンスター使い  作者: ウル
エルモンドのアドバイザー
67/122

67部隊の試行

登場人物

ウル(主人公)狼に転生した元人間。メキロ家アドバイザー(★4テンロウ)

パワー   エルモンドモンスター部隊大将。(★4モサ)

ガイン   エルモンドモンスター部隊副大将(★4アルカス)

ウィル   元ガインの手下でモンスター部隊隊長候補(★3グリズリー)

ゼル    元ガインの手下でモンスター部隊隊長候補(★3グリズリー)

アリサ   元ガインの手下でモンスター部隊隊長候補(★3グリズリー)

オーウェル エルモンド領主でメキロ家の当主(人間)

 夜の間に、俺はパワーと部隊の方針について相談する。


「部隊ってのは、モンスターだけでメキロ家が勝つためにできることを色々すればいいんだよな?」

 パワーが聞いてくる。


「その通りだが、どうやってそれをしたらいいかと言うのが難しいよな。

 問題は、メンバーの1匹1匹が考えて行動できるかだな。」

 俺が課題を言う。


「今日のウル様の話だと、★3グリズリーの3匹が考えることができるようになればすごいんだろ?」


「そうだな。コストを見る限り限界突破種とは言えなさそうだったからな。」


「明日試したいことがあるんだが、手伝ってくれねえか?」


「何をするんだ?」


「★3グリズリーの3匹がどれくらい考えているのか試してみたいんだ。

 虎島で封印の地が襲われたときに黒幕が高台の上にいたよな。

 それと同じ状況になったときに、あいつらがどうやって黒幕を探すのか見てみるつもりだ。」


「★3グリズリー達がどこまで考えているか知るにはいいかもな。

 面白そうだな。いいぜ。俺が犯人役をやろう。

 パワーとガインでグリズリー達がどこまで考えていたのか見てやらないとな。」


「ウル様、頼んだぜ。

 追跡させることを想定して動いてくれ。」


「最後はちょっと模擬戦もするのか?」


「3匹が最後協力するのかどうかを見たいぜ。」


「分かった。

 じゃあ、3匹が協力したところで降参して終了することでいいか?」


「ああ、頼んだぜ。」

 パワーは中々面白そうなことを考えているな。

 これである程度グリズリー達の賢さは分かるか。

 あと、リコの賢さも知りたいな。


「リコにもさせられないか?」


「グリズリーの誰かの手下につけるか。」

 リコの方が進んじゃうかもしれないけど、それをグリズリー達が認めることができるかどうかの判断も重要だよな。


「1匹だけ手下付きだと不公平にならないか?」


「それじゃあ、残り2匹には★2ブラックベアを1匹ずつつけるか。」


「いいな。誰を手下にするかは本人達に選ばせよう。

 それ以外のメンバーは、アウルスさんとコーチ達に訓練をお願いするか。」


「そうだな。それでいくぜ。」

 こうして、明日の訓練方針が決まった。


 朝、アウルスさんとコーチ達、そして調整役のダルトンさんに方針について話しておく。

 そして、パワーがモンスター達を集め全員を前にして言う。


「俺様は、お前達の代表としてモンスターの軍を率いることになったパワーだ。

 今この町には、元から住んでいた奴もいれば、避難してきた奴もいる。

 だが、このまま暮らしていくためには、協力してこの町を守らないといけない。

 今日から、この町を守るための訓練をするぜ。

 訓練で技を覚えたり、戦いの練習をしてこの町を守るんだ。

 分かったな。」


「おう」

 ガインが大声で応える。


「おう」「わあ」・・・

 すると、それに呼応するように他のモンスター達も続いて応える。

 ガインの一声のおかげで雰囲気が明らかにやる気に変わった。

 さすが荒くれ物を従えてきただけあるな。しかも協力的なので、パワーの統率のサポートをしてくれそうだ。


「俺様が今から言うメンバーは相談があるから、訓練に入らずにここに残ってくれ。

 ガイン、ウィル、ゼル、アリサ、クリス、ファング、リコ。

 それ以外のメンバーは、訓練をするぞ。

 こちらにいるのが、お前達に技を教えてくれる★5ナイトメアのアウルスコーチ、★4シルバードラゴンのヴァディスコーチ、★3ロックのホークコーチ、★3ライガーのサラコーチだ。

 そして、この人間が調整役のダルトンさん。

 ダルトンさんに話を聞いて、訓練を始めてくれ。」

 こうして、パワーの説明が終わる。


 ダルトンさんの案内で、他のモンスター達が訓練に入っていく。

 そして、★4アルカス1匹、★3グリズリー3匹、★2ブラックベア2匹、★1ヤングウルフ1匹が残った。


 パワーが説明を始める。


「お前達に残ってもらったのは、部隊の体制を考えるのに、実戦訓練をしたいからだ。

 ここにいる★4テンロウが、今日犯人役をしてくれるウル様だ。

 説明が終わったら、ここからいなくなるぜ。

 ウィル、ゼル、アリサ、お前達には、ここにいるウル様を捕まえてもらう。

 それぞれクリス・ファング・リコの中から手下を1匹ずつ選んでくれ。

 そして、手下と組んでウル様を捕まえるんだ。

 ここまでは分かったか?」


「大将、俺は何をするんだ?」

 ガインが聞いてくる。

 大将ってパワーの事?


「ガイン、お前に大将と呼ばれるのはちょっと仰々しいぜ。」

 パワーが言う。


「そうか。じゃあ兄貴でどうだ?」

 ガインが言い直す。


「まあ、それならいいか。」

 パワーもそういうところを気にするんだ。


「俺様もするんだが、ガインは、みんながどんな判断をして動いたのかを見ていてくれ。

 誰のどういう動きがよかったとかそう言うのを覚えておいてほしいんだ。

 あとで反省会をするからな。」

 パワーが本題に戻って続ける。


「ウィル達が手下を率いる訓練をしつつ、俺も全員を取りまとめる訓練って事か?」


「ガイン、呑み込みが早いな。その通りだぜ。

 それじゃあ、ウィル、ゼル、アリサは相棒となる手下を決めてくれ。」

 ガインは暴れん坊を手下にしていたからか、統率慣れをしているな。


「なんで★1ヤングウルフが入ってるの?

 私は、ファングかクリスがいいわ。」

 アリサが言う。


「俺はクリスがいいぜ。」

 ゼルが言う。

 それを聞いて、リコは下を向いてしまう。


「それじゃあ、リコ。俺と組もうか。」

 ウィルが言う。


「はい。」

 リコは、ウィルの方へ走っていく。


 結局、ウィル・リコ組、ゼル・クリス組、アリサ・ファング組の3組でまとまった。


「それじゃあ、俺は犯人役だから指定の場所に向かうぜ。」

 俺はそう言って、この場から去った。


 設定では町の広場の近くで住人が襲われた。

 犯人を捕らえたものの手下で、まだ黒幕が残っているらしい。

 襲った場所を見ていた黒幕「俺」を見つけることができるのは誰なのか?


 俺は、襲っていた場所をよく見える高台にしばらく立って、自分の匂いを残し、町はずれの方へ少し歩いた。

 そして、高台を調べるのは誰か、こっちに向かって来るのが誰か、近くの家の屋根から見守ることにした。


 しばらくして、ウィル・リコ組が高台の匂いを確認しているのが見える。

 やはり、リコは賢そうだ。一応、ウィルの可能性もあるから、後から聞いてみよう。


 リコが俺の匂いを追跡してくる。ウィルは周りを警戒している。

 ウィルの判断も中々いいぞ。

 このままだと他の組の姿すら見ないまま終了か?

 俺は、一旦見つからないように、屋根の陰に隠れる。


「ウィルさん、犯人はこの坂を登って屋根の上に上がったみたいです。」

 リコの声が聞こえる。


「リコ、ちょっと待て。不意打ちされると危ないから、この建物の周りを先に確認するぞ。」

 ウィル、いい判断だ。このまま上がってきたら俺に不意打ちされることになるからな。

 リコに建物の裏側に回り込まれると、屋根の上に隠れていた俺の姿がばっちりと見つかってしまう。


「あっ、ウル様を見つけた。」

 リコが言ってきた。


「捕まえられるかな?」

 俺はそう言うと、精神集中が完了していた技を発動させる。


「ホールド」

 予め近くに用意しておいたロープで、リコの体を縛る。


「リコ、大丈夫か?」

 ウィルが慌てて走ってきた。

 俺は、屋根の向こう側へ逃げていく。


 そして、しばらく走って物陰から2匹の様子を見ると、

 ウィルがリコのロープを解いていた。

 このままじゃ俺に逃げられるかもしれないのに、リコ優先か。

 ウィルって、優しくて面倒見がいいじゃん。

 その後は、リコが追跡し、ウィルが警戒する体制で追いかけてくるようだ。

 それじゃあ、大回りして戻って、他の組の様子を見に行きますか。


 と思って歩いていると、

「見つけたぜ。」

 横からゼルの声がする。

 1匹だけ?

 相棒のクリスはどうしたの?


「グオォォ」

 ゼルが吠えてから走ってくる。

 相棒を呼んだのかな。


 俺は、近くにロープを置いておいた場所まで逃げ、やってきたゼルにホールドをかける。

 ゼルは後ろ足を縛られて動けなくなった。


 吠え声で呼ばれたクリスが俺を見つけて走ってくる。


「やっぱ、こっちにいたわよ。」

 アリサとファングも俺を見つけて走ってくる。


 前からクリス、横からアリサとファング、後ろからウィルとリコも俺の姿を見つけて走ってきた。

 俺はフライトを使って屋根の上に乗る。


「空を飛ぶなんて聞いてないぞ。」

 縛られたゼルが言う。


「本当に殴られたら痛いからな。

 俺はここで捕まったという事で訓練は終了な。」


 陰からパワーとガインも出てきた。

 ちゃんと見てくれていたようだ。


「全員揃ったな。

 戻って反省会するぜ。」

 パワーの号令の下、全員で戻った。


「それじゃあ、ガイン。

 3組の動きの良かったところや注意した方がいいところを言ってやってくれ。

 3匹に質問してもいいぜ。」

 パワーが聞く。


「ウィル、お前が早い段階で高台を調べたのは何故だ?」

 ガインが聞く。


「リコが襲撃場所が見えるところが怪しいから高台の匂いを調べたいと言うので、該当の場所を調べることにしました。」

 ウィルが答える。


「分かった。

 次にゼル。二手に分かれたのは何故だ?」


「何処にいるか分からないからな。

 二手に分かれて、見つけたらお互い吠え声で知らせようということにしたぜ。」

 ゼルが答える。


「分かった。

 次にアリサ。犯人を捜すのに何か考えたり工夫したりしたことはあるのか?」


「ウィルとゼル、クリスがいかない方向を探そうとしたわ。」

 アリサが答える。


「最後は、ゼルの吠え声を聞いて犯人がいると踏んでやってきたのか?」


「そうよ。」


「分かった。

 全員それぞれ犯人を見つけるために考えて行動していることが分かってよかったぞ。

 特にリコの襲撃場所が一望できる場所を怪しむという判断には感心したぞ。

 敵の立場で考えてみることは大事だからな。

 流石パワーの兄貴が選んだだけのことはある。

 これからも思いついたことは色々言ってくれ。」


「はい。

 ありがとうございます。がんばります。」

 リコの表情が明るくなる。


 ガインが講評を続ける。

「次に最悪の想定についてだ。まず、ウィルに聞くぞ。

 リコが追跡しているとき、周りを警戒していたよな。なぜだ?」

 ガインがウィルに聞く。


「リコが犯人に不意打ちされないよう警戒してました。」

 ウィルが答える。


「敵はいつどうやって襲って来るか分からないからな。

 ウィル、そういう想定もよかったぞ。これからも頼むぞ。

 それじゃあ、ゼル。

 クリスが1匹でいるときに犯人に不意打ちされることは考えたか?」


「それは、考えてなかったぜ。」

 ゼルが答える。

 だろうな。


「敵がどんな奴か考えた上で、今度からはそういうことも想定してくれ。

 俺からは以上だ。

 兄貴は何かあるか?」

 ガインが聞いてくる。


「俺様の言いたいことは殆どガインが言ってくれたけどよ。

 最後に俺が一番に仕留めるんだとかいう感じにならなかったのはすごく良かったぜ。

 3組に分かれたからと言って、競争して誰が一番に捕まえるか競うわけじゃないんだ。

 最後は3組で犯人を囲むように動いたのは大事だぜ。

 ここにいるのは仲間なんだ。これからも町を守るために、協力してくれ。


 あと、今日こういう事をしてもらったのはな、ウィル・ゼル・アリサには将来的に部隊を統率してもらいたいからだ。

 俺様とガインだけじゃ全員を見ることはできないからな。

 ウィル、今日リコと組んどうだった?」

 パワーが言う。


「リコは賢くて色々なこと気付くので助かりました。」

 まあ、リコは当たり枠だからな。


「だが、リコの意見を実際に採用したのはウィル、お前だよな。

 ★1ヤングウルフの意見だとしても、良いと思えば採用した判断は良かったぞ。

 これからも部下の意見で良いものは聞いてやってくれ。

 ゼルとアリサももし、部下が何か意見を言ってきたときは、考えてみてくれ。」


「ああ。」

「分かったわ。」


「あと、クリス・ファング。お前達は今回自分で何か考えたことはあるか?」

 パワーはこの2匹も忘れてないな。

 流石に、この2匹にはまだ厳しいと思うけど。


「何もないです。」

「ありません。」


「お前達にはまだ難しいかもしれないが、他のみんなは考えてることがあるからな。

 今回他の奴が考えたことを覚えておいて、今後に生かしてくれ。

 これで今日の特別訓練は終了だ。

 ガインだけ残ってくれ。

 後の者は、他のものと一緒に訓練に戻ってくれ。」


 こうして、今回の訓練が終わった。


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