ある日の████ 7
サフラン色の栄光のおまけ集、その3。
ある日の████です。
これは魔族側のおまけ回です。
魔族はただ、悪の側にいただけなのか?
その答えがわかるかもしれません。
あの頃は、魔界全体を統一するために忙しい日々を送っていた。
当時の魔界は上層と下層に分かれていて、上層は魔界の王と呼ばれる者が、下層は四方貴族と呼ばれる者達が治めていた。
二つは相容れない存在だったが故に、対立し血を流すことも少なくはなかったんだ。
各種族の中立と協定で成り立っていた上層と、人間の住む世界から攫ってきた奴隷達をどれだけ家畜の餌にしたか、従えているかで力の優越を決めていた下層。
私は下層から這い上がり、上層に身を置くことのできた唯一の存在だった。
だから下層に生きる奴らの在り方が許せなくて、その理屈を根底からひっくり返したくて、魔界の統一化を図るために戦争という手段を取ったんだ。
数多の血が流れた末、元凶となる奴隷商人達を処罰し、四方貴族を傘下に入れた。
それから暫くして、東の貴族からの連絡が途絶えたんだ。
気になって出向いてみたら、あちこちに散らばった血が街中を染めていて、何かあったことだけは確かにわかった。
だが死体は一つも見当たらなかったから、何が起きたかはわからなかった。
そして辿り着いた邸で唯一の生き残りを見た。
その子はかつての私で、この惨劇を招いた悲しい存在だった。
手を差し伸べずになんて、いられなかったんだ。
これはイレディアがミュイールを拾うことになった経緯の一端ですね。
当時の魔界を分かりやすく喩えると、上層は一神教、下層は多神教、くらい相容れない存在でした。
イレディアが少し言及してますが、イレディアはそんな相容れない2つのうち下層側にいて、上層まで行って魔王の座についています。
実はイレディアが下層にいた頃、魔王が後継者を残せないまま死去して玉座が空席になってたんです。
下層の理不尽、不条理、何もかもに憤りを覚えていたイレディアは、自分が魔王になって何もかもを変えてやる!と意気込んで本当に実現させちゃいました。
それから少しして、ミュイールの能力覚醒が起きたんですね。
同じ下層出身のイレディアは、ミュイールを捨ておくor排除するなんて思考は1ミリも湧かなかった、というのが今回のおまけ回になります。




