ある日の████ 6
サフラン色の栄光のおまけ集、その3。
ある日の████です。
これは魔族側のおまけ回です。
魔族はただ、悪の側にいただけなのか?
その答えがわかるかもしれません。
「お宅の娘さんはどういう教育を受けてるの?」
玉座に悠々と鎮座して紅茶を嗜む魔王に一言。
おおよそ、その場の誰もが首が飛ぶんじゃないかと恐れを抱くくらいには不躾に。
「どうした、そんなに息巻いて聞くことでもなかろうに」
憤慨した様子の魔女の一言をさらっと受け流すように首を傾げる。
「魔女がどんなものか全く知らないじゃない。真逆よ真逆。認識が真逆。認知がどうかしてる」
ちょ、ま、魔王の娘をそんなふうに言うか、待て待て。と、周りは焦るが、魔王は特に何も思わなかったようだ。
「逆じゃない。あれでいい、私が魔界の規則だからな」
魔王はまだ温かい紅茶を一口飲むと、言葉を失っている魔女にこう語った。
いいか、私はこの世界の魔女に対する認識を改めたい。
いくら人間が自分達よりも弱い存在だからと侮り、奴隷にするのは間違っていると思っている。
私は、魔女は奴隷という認識から、魔女は魔界に住む魔力を有した人間という認識に変えたい。
いつかきっと、何らかの理由で人間の世界から追われることになった人間を受け入れるためだ。
だからお前も力を誇示しろ。
そして私の道を阻む愚か者共が滅んだ時、私はお前に魔女王-サーシャ-の位を与える。
お前が道導になるんだ。
と。
前回に引き続き、ミュイールの過去です。
王女の世話役になり、王女と交わした約束の通り、魔女に相応しい振る舞いを学び始めた頃。
流石に王女の魔女に対する認知の歪みを心配したミュイールは、イレディアにどういうことか問い詰めることにしたんですね。
で、周りはヒヤヒヤしてるんですが、この頃のミュイールはイレディアの夫から時間魔法について学び、その力を自分の意思でコントロールして発動させることが出来るようになってます。
それ故に、政治においてイレディアの良き相談役になっていたというのもあり、お互いタメで話せるくらいの距離感になってるんですね。
で、魔界の古い言葉で統治者を意味するサーシャを位の名前としてお前に授けるなんていう、ミュイールからしたらちょっとよくわからない回答が飛んできたわけです。
イレディアの考えはわかるし、自分も元は奴隷だから同じように苦しむ人々を救うという点は大賛成ですが、自分の持つ力の偉大さをまだ理解しきれていないミュイールは、なんでそんな大役を自分に任せるのよ…って思ってました。




