ある日の████ 4
サフラン色の栄光のおまけ集、その3。
ある日の████です。
これは魔族側のおまけ回です。
魔族はただ、悪の側にいただけなのか?
その答えがわかるかもしれません。
夢を見た。
遠い昔の夢だ。
誰も彼もがいなくなった真っ赤な街に、見知らぬ女がやってきた。
家の扉が叩かれて、何だろうと思って表に出るの。
「だれ?」
「私を知らないときたか、驚いた」
女は本当に驚いた顔をしていた。
そして私に問うてくる。
「暫く連絡が途絶えたから来てみればこの有様、一体何があった?」
私は首を傾げた。だってわからない。
何があったのか聞かれても、今何が起こっているのかわからない。
「みんな消えちゃった…?急にいなくなったの」
女はふむ、と考え込んだあと、何故か不敵な笑みを浮かべた。そしてなんの脈絡もない話をしてくる。
「私は魔女というものの概念が反吐が出るほど大嫌いだ」
確かに、私は周りから魔女と呼ばれてはいたが、見知らぬ女に嫌われるようなことをしただろうか。
怪訝そうな顔をすると、女は言った。
「別にお前が嫌いなんじゃないぞ?ただ、魔女への認識を変えたいと思っているだけさ」
女は私に手を差し伸べた。
「お前、私の元に来ないか?」
私は少し考えてその手を取った。
まあ、そろそろ食べ物なくなるしいっか。
って軽い考えで。
後から知ったけどこの人、魔王だったんだっけ。
昔から何考えてるか分からない人だったけれど、どうして私を連れて行こうとしたのかしらね。
今度聞いてみましょうか。
それにしても最近、昔の夢ばかり見るわね。
ミュイールの過去の続きです。
一瞬にして死の街へと変貌させてしまったミュイールですが、本人にはその自覚が皆無です。
よって魔王イレディアが視察に来ても、何も答えられなかったんですね。
でもイレディアは鋭かった。
というか、気が付かない方がおかしいんですよね。
人っ子一人居なくなった街に、当たり前のように暮らしてる少女が無関係なわけがない。
何があったかはさておき、イレディアはミュイールの容姿から魔女であることに気が付きます。
本人も言ってますが、魔界における魔女という存在についての認識を変えたいわけです。
魔界は力こそ正義という認識がかなり強いので、多分恐らくきっととんでもない力を秘めた目の前の少女は、自分の目的に必要不可欠であると考え、保護することに決めた。
これがミュイールとイレディアの出会いとなります。




