ある日の████ 1
サフラン色の栄光のおまけ集、その3。
ある日の████です。
これは魔族側のおまけ回です。
魔族はただ、悪の側にいただけなのか?
その答えがわかるかもしれません。
夢を見た。
遠い昔の夢だ。
父親は領主で、母親はそれに仕える奴隷。
奴隷の子供は所詮奴隷でしかない。
数日に一度、カビの生えたパンの切れ端が食べられれば良いほうだ。
他と比べれば、綺麗な水が飲めるだけまだマシだっただろうとさえ思う。
視界が低いから、多分これは子供の時の夢だ。
庭の草むしりをしている。
母親は昨晩領主に呼ばれてから戻ってきていないがいつものことだ。
きっとまた昼前に戻ってきて、傷だらけの体を部屋で丸めて縮こまらせるのだろう。
「ねえ、君はどうして草なんかむしっているの?」
振り向くと同時に、少し強い風が吹いて庭に咲く花を少し舞いあげた。
唯一の温かい記憶の主との邂逅。
とても懐かしくて、とても気持ちが悪い。
出来ることなら嫌悪感を露わにして奇声をあげながら逃げ去りたい。
変わり者だと思って遠ざかってくれればいいのに。
私は笑顔で答えるのだ。
「あのね、ご主人様のお庭を綺麗にするのがお仕事なの」
ああ、今日の寝覚めは最悪だ。
これはミュイールの過去です。
当時、魔界でいうところの魔女とは、貴族に飼われた人間の女性、奴隷を指す言葉でした。
ミュイールは魔女の一人で、母親と共に奴隷生活を送っていた。
その時の夢ですね。




