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剣も魔法も適性ゼロの史上最弱のギルドマスターは平和な日々を過ごしたい~なおそれ以外のステータスはカンスト&過保護な仲間たちに溺愛されているものとする  作者: UMA未確認党
第10章 邪教団編

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第98話 聖女セラフィナ

 信者はこう告げる。


「人間の店に異種族を連れ込むな。出ていけ」


 アーロンは即座に言い返す。


「貸し切りでも何でもないだろ」


「そうだそうだ~!不当だ!」


 サラも同調する。ルドルフは面倒そうに酒を飲む。僕はため息をつく。


「黙れ」


 机が蹴られ、皿が落ちる。もったいない。


 アーロンが立ち上がる。


 客が悲鳴を上げる。


「これは俺様達に喧嘩を売っていると取って良いんだな?」


「レンは後ろにいろ。私たちが片付けてやる」


 マリアが控え、サラが机に飛び乗る。


 酒場の空気が一気に険悪になる。


 信者たちも武器を抜く。


「神に選ばれた人間を侮辱するな!」


「アンタらが先に絡んできたんでしょうが!」


 ルドルフが叫ぶ。


 ありゃもうこりゃダメそうだ。


 次の瞬間信者たちが襲い掛かって来た。


 アーロンが一人を持ち上げる。


 ルドルフが投げられた椅子を避ける。


 マリアが剣の柄で男を転ばせる。


 店主は頭を抱える。


「またかぁぁぁぁ!」


 サラでも抱えて逃げ出そうとすると静かに酒場の扉が開く。


 まるで空気が変わるように。


 銀色の髪に白い法衣の女性が入ってくる。


 穏やかな微笑み。


 信者たちの顔色が変わる。


「聖女セラフィナ様!」


「聖女様だ!」


 全員が武器を下ろす。


 さっきまで暴れていた者まで頭を垂れる。


 店内が急に静かになる。


 セラフィナは困ったように微笑む。


「皆さん、争いはいけません」


 柔らかな声。


 しかし信者たちは即座に従う。


「暴れて申し訳ありません」


「聖女様のお言葉なら……」


「お前ら命拾いしたな。聖女様の慈悲が無きゃ今頃お前らみんな火刑行きだ」


 帝国にそんなルールはないけど?てか謝るなら最初から暴れないでよ。店がメチャクチャじゃん。


 セラフィナと目が合う。


 彼女の笑顔がほんの少しだけ固くなる。


「あなたがレン男爵ですか」


「あ、どうも」


 ぺこりと頭を下げる。


「噂には聞いています。確か帝国を襲おうとしたテイマーを破った素晴らしい方だと」


「あれは皆のおかげでして。こちらも聞いて居ますよ確かいつも炊き出しや病人の看護で人気があるとか。僕も昔は村暮らしだったので本当にありがたいです」


 とりあえず社交辞令を交わす。

 



 直後マリアを見る。


「エルフの方が騎士を務めておられるのですね」


 言葉は丁寧だが明らかに棘がある。


「凄く強いですよ。剣も魔法もこの上ないですから」


 その後視線がアンドレやアーロンにも向く。


「色々な種族がいるのですね。ですが……」


「ですが?」


「少々異種族に優しすぎるのではありませんか?」


 意味が分からない。優しすぎることの何が悪いのか。


 横を見るとアーロンやルドルフの顔は固かった。


「種族なんて関係ないでしょう」


 と言えば、セラフィナは笑顔のまま返す。


「ええ生きる権利はあります」


 一拍置いて、こう続けた。


「人間とは与えらえれた役割が違うだけで」


 柔らかいのは雰囲気だけで内面は凄く冷たい人だった。

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