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剣も魔法も適性ゼロの史上最弱のギルドマスターは平和な日々を過ごしたい~なおそれ以外のステータスはカンスト&過保護な仲間たちに溺愛されているものとする  作者: UMA未確認党
第10章 邪教団編

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第97話 邪教セレーネ

 ギルドの奥にケルベロス車を収めてからはしばらく平和な時間が続いた。


 各メンバーが依頼を受けて外に出ていっては報酬と同中で調達した素材を抱えて帰ってくる。僕はエレーナさんとそれをフィン商会に卸す手続きをするばかりの生活が続いていた。


 ネコマールが帰ってきた。カウンターに報酬と素材を置く。


「換金願うでござる」


 そう言っておかれたのは白の一角兎だった。見覚えがあったので掲示板に貼ってある依頼書を見てみる。


「あっこれ!」


「フフンお尋ね者の化け兎でござる。護衛の道中に襲い掛かって来たから狩り申した」


「じゃあ協会に差し出せば懸賞金も入るね。と言うことはここへの納入分を差し引いても結構儲かる訳だ」


「おぉこれは報酬として儲かるでござるな。今夜は良い酒が飲めそうで」


「あんまり使いすぎないでよ?直近でどこかの悪魔の借金を返してるばかりなんだから」


「ニャハハハ。そんなに心配ならば主殿も付いてくればいいでござろう」


「おっそりゃいいな。貴殿たちとの親睦も深めたい」


 アンドレも入って来た。


「うん分かったせっかくだし皆で飲もうよ」




 酒場は繁華街にあった、この前ネコマールが言っていた酒場よりもいい酒場だ。


「大人数だから変な位置になっちゃったね」


「別に良いわよレンちゃんの隣だし」


「ウチも良いかな~」


 席はネコマール、アンドレ、サラ、僕、フィオナ、リリカが居て反対側にマリア、アーロン、ルナ、ルドルフ、シルフィ、ケルン、ジョージだった。


 しかしここまで集まると逆にちょっと楽しい。


「ねぇネコマールここまで集めてホントに足りるの?」


「大丈夫大丈夫。ついでに白兎を捉えたから」


 そう言ってじゃんじゃん頼む。


 これは後で足りないと泣きつかれる前に自分たちも払った方が良いな。

 そう思って財布に手をかけておいた。


 すると……隣に一団が座り始めた。


「あ~疲れた。それにしてもアイツらはバカだろ」


「ありゃね。こっちの方が上だって言うの」


 中々物騒な会話をしている。見た目も明らかにカタギでは無いし関わらない方が吉だ。




 しかしその思惑は叶わない。


「ん?おい大将この店臭くねぇか?」


 大声でそう言い始めたのだ。ガスでも漏れているか燃えているような香りはしない。


 男は大声で言う。


「ああ何か臭いと思ったらここに野良猫がいるじゃねぇか」


「そりゃ獣臭いわけだな。トカゲ臭くもある。おい大将?何で獣人を上げてる」


 大声で騒いでいる。


「なっ」


 アーロンが立ち上がろうとしたのをネコマールが制する。


「放っておくでござる。どこにでもいるんでござるよ。ああいう手合いは」


「まったくこの国は多種族なんだから嫌ならあちらが出ていきゃいいのよね。永遠に」


「本当にそう」


 フィオナとシルフィは僕にコソコソ言う。


 だからあんま声を出さない方が良いって。




「ん?」


 ほら気づかれちゃった。


「おい姉ちゃん今俺らの悪口を言ったか?」


「ええ言ったわよ。臭いのはアンタよね」


 歯に衣着せない言い方だ。


「まぁ流石に店の中で揉めるのは止めとこう。マリアもそう思うでしょ?」


「フィオナ。あんまり近寄っちゃダメだぞ?」


「舐めてんのか?」


 男は立ち上がる。


「見た所冒険者の仲間たちか。こんな意味の分からない奴らを率いるトップもさぞ頭が獣臭いんだろうよ」


「「「「「「「「「「「「あ?」」」」」」」」」」」」


 十二重の殺気が増す。


「ハハハ見たところ異種族ばっかじゃねぇか。そんな連中が人間、いやセレーネ様に逆らうなんてな」


「セレーネ……セレーネ教か?!」


 噂で聞いたことがある。セレーネ教とは女神セレーネをトップとした宗教でこの帝国聖教の一派を主張しているが内容は異端。


 極端なまでの人間至上主義と聞くけれど。


 そんな邪教の手が伸びていたなんて……

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