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第92話 再会

 案内された扉の先は事務所だった。ここで事務作業をしてさらに奥にある囚人たちを見張るのだという。


 監獄のある中の通路は広かった。広いとは言ってもそれは僕の大きさだからで、看守である大鬼族はやっとすれ違えるほどの狭さでもある。


 両側には檻が並んでいてあちこちから叫び声が聞こえる。


「おいイーロン早く出しやがれぶっ殺すぞ!」


「ぎゃーーーー皆死ね死ね死ね!」


 恐ろしいことばかり言って檻が叩かれるが当然びくともしない。


「この辺りはまだ軽犯罪の類だ。もっとやべぇのが奥にいる。アンタらが捜してんのはソイツだろ?」


 そして特別奥にある檻を見た。


 中にいたのは何重もの鎖に縛られたグラント……かつて魔物を指揮し帝都を破壊しようとした不届き物だ。しかしかつての華美な服ではなく大分痩せこけている。


「グラント。面会だ」


「フッ誰かと思えばチビマスターかよ。まだ生きてやがったか」


「失礼な奴だな」


 ケルンが殺気を放つが僕は手で制する。


「それはそうと今更俺に何の用だ」


「すでにネタは上がっているけど、あの時に魔物を暴走させた薬の購入先を教えて欲しいんだ」


 とりあえず下手に出て聞く。まぁ彼の反応は似たようなもので。


「ヘッ誰が教えてやるかよ!」


 そう言って唾を吐きかけた。檻で区切られているのでこっちには届かなかったのだがあまりにもめちゃくちゃだ。


「はぁ?ねぇコイツバカにしてんの?今すぐ刺してやるから出て来い!」


 サラまで暴れ出すので抑える。そもそも武器は最初に預けてるから刺せないんだけど。


「申し訳ない。ずっとこうなんだ。きっと例の薬を使い続けた影響が彼自身にも出ているんだろう」


 イーロンが謝罪する。


「うむ、どうする?ウーロンも呼んで兄弟で無理やり口を開けてもらうか」


「そうだそうだ!それが良いよ!」


 サラも同調する。アーロンはともかく絶対拷問でしょう?ろくなものじゃないだろうし辞めて欲しいんだけどね。


「あのあまり力づくで聞くのは……まだ司法の判断も付いてないんでしょう」


「しかし口を割ってもらわないことには……」


「鞭だけではダメです。まずは飴をあげないと」


 僕は座り込んで聞く。


「その鎖ってやっぱ重いの?」


「あぁ重いな!元がデカい種族でも縛れるように重いんだろうが、それ以上に魔力を吸われる」


 グラントはそう漏らす。イーロンが補足してくる。


「まぁこの鎖は魔力を縛る魔術がこもっているからな。コイツはテイマー能力頼りで実際の肉体強度はそうでもないみたいだし相当重いんだろうよ」


「じゃあ鎖を解いてあげようよ」


 僕はそう提案したら、アーロンの兄弟に「はぁ?」と突っ込まれた。

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