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第88話 競馬(後編)

「さぁ第30回トパーズ記念。出走は18頭です。期待しましょう」


 軽快な実況が始まり、ゲートが開く。


「スタートしました!っとマジカルインパクト出遅れ!これは立ち上がっての出遅れ場内に悲鳴が上がっています」


 1番人気と思わしきマジカルインパクトが大出遅れをかましたのだ。


「ちょ、確か噂ではマジカルインパクトは追い込み馬のはず。最後方でもまだ追いつける……」


 ネコマールが爪を噛む。最高方が良いとは言ってもこれだけブービーと馬身差がついては捲るのも大変だろう。


「さぁ逆に好スタートを決めたのは3番アカバネ。一気に先頭に躍り出ようかと言うところで外からシゲキ、そしてノースブラックこの二頭が競り合って先頭に上がってまいりました!逆に後方はチェリーキングダム。そして最後方が1番人気マジカルインパクト!」




 実況はそのまま隊列の解説に移行する。


「さぁ先頭はここでノースブラック。そこにシゲキが続きます。少し離れて今度はアカバネ、モウショウサミー、プラナリア。少し離れてヤミービスケッツとアズマキング。1馬身離れてコントンレイルとナイスサワー、ここから馬身が離れまして。次にシルバープレーン、キエールマン、ホワイトドラゴンが続きまして、ここからタワーオブハーツがいてまいりました。ダークエンペラーが続いて……アーモットマイとドラメンテ、後方にチェリーキングダム。そして大分離れて最後方がマジカルインパクトとなりました。この大波乱騎手はどう立て直すか。ここでペースが少し落ち着きます。先頭は依然ノースブラック、番手にシゲキ。3番手モウショウサミー、外からアカバネがプレッシャー」


そして遂に馬は3コーナーに向かった。


「ここで3コーナー。コントンレイルがプラナリアとナイスサワーを抜かしまして捲って来る。アカバネとサミーはピンチか!それにコントンレイルが続き、そしてここで黙ってないのがチェリーキングダム。最後方のマジカルインパクトにもチャンスはある!」


 実況に熱が入ってくる。


「さぁ4コーナーをカーブ。先頭はシゲキに変わるもまだノースブラックも粘る。おっと外からアカバネとコントンレイルが襲い掛かる!先頭に届き、さぁ外からタワーオブハーツ!外からタワーオブハーツ!大穴で荒れるぞ~。残り200メートル!おっと外からマジカルインパクトが一気に追い込んでヤミービスケッツを置き去りに。さぁさぁここでタワーオブハーツ、プラナリアが来る。しかし先頭のアカバネもここは譲らない。シルバープレーンも来ている。これは大混戦だ。そしてゴール板まであと少し!タワーオブハーツかアカバネか~!

 タワーオブハーツかアカバネか!そして盛り返したノースブラック。マジカルインパクトとの3着争いです!」




「マジカルインパクト差せ~!」


「タワーオブハーツを買える奴はトータルで負けてる」


 しばらくレース場の熱狂がやむことは無かった。


「1着はタワーオブハーツ!2着はアカバネ。3着はノースブラック。マジカルインパクトはハナ差の4着!」


 勝った……僕はネコマールから受け取った3連単の馬券を見ると。掲示板の数字と寸分たがわない数字が出ている。


「やった~!」


「主殿!おめでとうございます。このレースは相当オッズが付きますぜ」


 ネコマールが肩を組んでくる。


「拙者の負け分なんかゴミみたいなもんでさぁ!」


 僕とネコマールは肩を組んで換金所に向かう。




「おめでとうございます!この馬券なので払い戻しは600金貨となります」


「「よし!」」


 2人でハイタッチする。


「じゃあ夜はどっかで飯でも食うでござる」


「せっかくだしマリアたち皆も呼ぼう!」


 僕とネコマールは愉快な気分に浸っていたのだが……

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