第81話 皇帝への報告&リザードマン
僕は皇帝の前にたたずんでいた。
「貴様が問題を解決したのか?」
「はいすべてはウォレンの謀略でした」
「ハァ……あの男は元からきな臭いと思ってはいたがあんな反乱を起こしてくるとは」
「えぇ……本当にあの隊長の助けが無ければ死んでいました」
そう僕は横に視線を流す。そこにはホムラが立っていた。ほっそりした身体で可愛らしい顔立ちだがもう僕は騙されない。彼女はとんでもない化け物だ……
「ホムラよ貴殿の活躍が大きいのか?」
皇帝が尋ねると彼女は恭しく頭を垂れた。
「はいアタシの守護する帝都でここまでの狼藉を働かれたこと遺憾に存じます」
案外礼儀正しいんだな……そう思っていると。
「なのでこれからハロルド以下を更にビシバシ鍛えますのでご期待ください。いずれ護国龍もいなせるようになりましょう」
「うむ。期待しているぞ!戦士は強ければ強いほど良いからな」
やっぱ怖いよこの人たち。この皇帝様も元々ギルドマスターだったって聞いたし血気盛んなんだね。
反対側に視線を流すとハロルドが青ざめていた。ハロルドも結構強いと思うんだけど帝国いや世界にはもっと強い人々がいるんだ……正直ついていけるか不安だ。
「レン。聞いておるか?」
「は、はい!」
「それで一連の連中についてだが後で牢にぶち込んでから裁判をすることにした。作業の手伝いを頼みたい」
「畏まりました」
僕は頭を下げた。
僕が大広間から出て、用意されていた控室に戻ると元々控えていたマリアの他に別の人物たちがいた。
一人はアンドレそしてもう一人は同じリザードマンだが高齢らしく髭が白い。
「紹介いたしましょう。父ですぞ」
アンドレはそう高齢のリザードマンを紹介した。
「フォフォフォワシはリザードマンの族長にして元男爵家当主のアントニーじゃ。今は隠居ですがな」
「よ、よろしくお願いします」
僕は自然と頭を下げてしまった。
「いやいや頭を下げたいのはこっちの方じゃ。先日はカーム湖の集落を救ってくれてありがとうな」
「いえいえあれはギルドとして当然のことをしただけでして」
僕は遠慮するがアントニーは止まらない。
「元々リザードマンは中々帝都になじめずあの郊外に住んでいたのだがまさか帝都が助けに来てくれるとは思ってなかったんです」
リザードマンは不遇の種族であった。帝都に近い所に住んでいるとはいえ爬虫類と同じ皮膚は忌避の対象になりやすい。更に水の近くに棲まなければならず帝都の近くに集落を作って住んでいたが城壁の外の為帝都の中に住んでいる他の種族とは文字通り壁があったらしい。そこを超えて助けてくれた僕らに感謝してくれているんだな……
「いえ僕にとって目の前にある物を守ることが一番大切ですから。それに場所や種族は関係ありませんよ」
僕はそう言ってアンソニーの手を取った。
「何と立派なことで……」
アンソニーの目に一筋の光が流れた。




