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第77話 結界拠点襲撃……そして怪物の影

 アーロンたちが走っている。騒がしかった外と違って結界の中は静かだった。あらかたの貴族は怯えて屋敷にこもってしまっているのだろう。


「だが退かす手間が省けて丁度いいぜ」


 アーロンはそう後ろのマリアに言う。


「そうだな。ところで結界ってどこで貼ってるのか分かるか?」


「今俺が調べてます」


 ルドルフは走りながら両手をかざす。そして魔力を感じる。


「あちこちに結界による強い魔力が充満しているが……明らかに正常なものとは違う点がいくつかあります」


「そこが叩くべきポイントか!」


「うん。一番近いのはライン子爵の屋敷の前で……」


 ルドルフはそう一同に説明する。


「それならこの道の延長線上だ。すぐに叩くぞ!」


「「「了解」」」




 反逆派の魔術師は数人でライン子爵の屋敷の前にいた。


「はぁ……ずっと結界張ってるのも疲れるな相棒」


「何を言うか。それも全てフリージア嬢の命令だぞ」


 男の一人がそう仲間を元気づける。彼らはフリージアの勤める学院の学生であり、フリージアの恐ろしさを誰よりも知っているのだ。


 しかしより恐ろしいものが参戦する。




「開けろコラ!」


 奥から低い声が飛んできた。


「何だ!」


 魔術師の一人は叫ぶがそれより早くアーロンの拳がめり込んだ。


「ケ、ケルベロスだ!」


 魔術師たちは大騒ぎとなる。抵抗を試みる者もいたがすぐに後ろにいた。マリアの刃が飛んでくる。


 反対側に逃げようとすればそれは魔術を構えたルドルフの餌食に……


「結界はここかぁ!」


「フン。この俺の魔術を試させてもらいますよ」


 当然彼らに手加減と言う文字は無い。最後尾にいた案内役が憑くことに既に魔術師たちは半壊状態。既に結界の一点が崩れていた。


「は、早すぎる……流石最強ギルドケルベロス」


 案内役は驚愕の表情だ。


「しかしこれで後何個なんだ?」


「後3つだ。分担して倒しに……って反応が消えていく……」

「何だと?」


 アーロンは驚いてルドルフを振り返る。


「正しく計測したのか?」


「無論だ姐さん。ただもう一つ消えていくぞ」


「ここでやられたのを知って尻尾撒いて逃げたんじゃない?」


「それは無いわよ。ここで敗れたという情報を知るすべが無いもの。ここには通信具は無いようだし」


 サラとフィオナも反応する。


「となるとまさか俺様たち以外に結界解除に動いてる奴がいるということか……いやまさかな」


 アーロンは少し考えてから頭を覆った。


「何だアーロン。何か知っていることでもあるのか」


 マリアの質問にアーロンはある事態を想像した。


「あぁおそらく今の俺様達が束になっても勝てる実力、そしてこの帝都ですぐに動けるほど帝都の近くにいる人物。そして争いごとに自ら首を突っ込みたがる戦闘狂……」


「おいアーロン。その人はまさか……」


 ルドルフもどうやら気づいてしまったようだ。


「これは帝都警邏隊長の仕業だよ」

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