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第62話 懇親会への道すがら

 懇親会の夜、僕はルナと馬車に乗っていた。横にはタキシードを着たネコマールも従っている。


「いやぁ~楽しみでござるな帝都の懇親会」


「ネコマール?あなたは私とレンちゃんのデートの護衛として呼ばれたことをお忘れなきよう」


 ルナは冷静に抑える。


「ご、護衛って確かにそうでござるが……」


「後ちゃんと主殿じゃなくて男爵殿と呼びなさい。それがルールですわ」


「は、はい!」


 ネコマールは背筋を伸ばす。


「それで男爵殿は今までこういう集まりに出たことは?」


「昔ルナの屋敷の集まりに父に連れられて出たことはあるよ。辺境伯の集まりは地元の関係者ほぼ来るからね」


「ふぅん。拙者も同じでござるよ。故郷ドレイク辺境伯領で集まりに出たことがある程度で」


「ドレイク伯領と言うと獣人街のある所でしたわね。今の伯爵はレオ辺境伯ですの?」


「そうでござる。あの戦闘狂の貴族様ですぜ。なんせ拙者の師匠の一人でもあった人故。昔悪ガキだった拙者たちは散々しごかれました。おかげで今は刀が手放せない人生に」


 ドレイク伯領……噂には聞いたことある程度だけれど。僕の村があった場所とは離れていて行く機会も中々なかったが帝都の傭兵や護衛として大分活躍していると聞く。実際ルーン子爵の屋敷も獣人が守っていた。


「それでネコマールは武人としてこの帝都に来たわけなんだ」


「まぁおかげでここに勤められてよかったでござるよ。縁に感謝しかないであるな」


 ネコマールの過去の話を聞いていると屋敷の前に着いたらしい。



 馬車を降りると目の前には広大な屋敷が広がっていた。


 帝都の貴族エリアは入るだけで厳重な警備になっていると聞くがそれもそのはずここはカナタよりはるかに上の爵位持ちの実家。ワイルズ公爵家なのだから。


「いやぁ~広いでござるなぁ。拙者の住んでる下宿とはまるで違うでござる」


「ネコマールは城の東門近くだっけ?」


「そうでござる。ジョージ殿に紹介してもらった所でござるが狭くて……カーム湖に釣りに行きやすいくらいしか得が無いでござる」


「そうなんですのねぇ」


 ネコマールの愚痴を聞きながら歩くと門の前に屈強そうな守衛が立っていた。


「何用で?」


「家主の友人のカナタ侯爵に呼ばれました」


「これはこれはレン男爵殿。お待ちしておりました武器を預け、奥にお進みください」


 守衛はそう言ってレンを奥に案内する。



「やぁやぁ来たね。レン、ルナ!」


 目の前に正装をしたカナタが待っている。


「早かったかな?」


「いや丁度いいくらいさ。もうある程度の人数はそろっているから紹介しに行こう」


「分かった。じゃあ失礼のないようにしないと」


「ハハハそう言うのは大丈夫さ。今来ているメンバーはみんなそう言うことに煩くないから」


「じゃあ僕らも行くよ」


 そうして僕とルナ、それについて来たネコマールは屋敷の広間に入っていった。


 これから始まる大事件を知る由もなく……

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