第60話 パーティーへの招待
と言う訳で僕はケイン皇帝から多大な褒美をもらった。僕が外に出ると両側に居たルドルフとルナたちが祝福する。
「おめでとうございますマスター!」
「流石私が見込んだだけのことはありますわ」
「ありがとう皆!それでこれらの報酬だけどまとめて貰ったから後で分配するね」
「了解しました」
ルドルフはそう言いつつ報酬の金貨を受け取った。
「これと一応僕男爵になったから」
「男爵?!それって準男爵飛ばして貴族の端くれになったって事すか?」
「まぁそう言うことになるね。多分一代だけど」
ルドルフは目を皿のようにする。
門の前で会話していると扉が開いてカナタが姿を現す。
「やぁレンエルドラ卿」
「その呼び方は慣れてないよ……」
「ハハハ。僕は生まれから貴族だから気づかなかったな。そうかこれで僕と君は同じ貴族の立場な訳だ」
「お言葉だけど。侯爵と男爵じゃ何もかもが違うよ」
「いやぁ~賊から帝都防衛できたんだから本来は男爵すら役不足さ。もっと上の子爵くらいはあげても良かったんじゃないかと思うけどね。本当本邦の上位貴族連中に見せてやりたいよ」
「僕はあんまり上には興味ないから。正直ギルドマスターに集中したいしさ」
僕はそう固辞した。
「しかしまぁ貴族になったんなら付き合いは大切だよ。特にギルドマスターには依頼のネットワークが重要だしね」
まぁなるほど。確かに今のところ僕のことを嫌ってそうなルーン子爵とこのカナタにしか貴族相手の付き合いはない。先ほど会った貴族の顔と名前も一致しないしもう少し帝都の貴族階級との交流を深めるのもいいかもね。
「それで僕に何か紹介してくれるの?」
「うんうんそれがねぇ丁度あるんだよ!」
カナタはそう言って僕に一枚の紙を渡す。
「今月末、帝国の若手貴族たちが集まる会があるんだよ。そこに一緒に行かないかい?」
「若手……貴族?」
「うんうん!それで僕が貴族たちに紹介してあげようじゃないか!」
カナタはそう言ってハハハと高笑いする。これ僕完全に皇帝派のカナタ派閥に入れこまれそうなんだけど……
それに意外な人が反応する。
「ふぅん。私がいない間に帝都ではこんな行事が行われてたんですのねぇ。マスター行きませんこと?」
ルナがそんなことを言ってくる。あぁそう言えばルナって僕が出入りしていた伯爵家の令嬢なんだから貴族なんだった。年齢は……見た目は若手だし良いか。
「じゃあ招待を受けようかな」
「それは良かった。じゃあ今月末僕の屋敷でやるからね!ドレスコードはちゃんと守って参加してくれたまえ。あ、そうだ!」
カナタはそう笑って部屋を後にしたのだった。帰る前に一言。
「あ、そうだ扉から出る時は注意したまえよ」
僕たちも王城の扉から出ていくと周囲から歓声が上がる。
「英雄様のご登場だァ!」
「凄いかっこかわいい~!」
いつの間にか周囲には民衆が集まっていた。それをアーロンやマリアが制しているが彼らもまた囲まれていた。
「お、マスター!この反応は凄いですぜ。皆アンタを讃えに来たんだな!」
「私も長年エルフとして生きてきてここまで主役になったのは初めてだ」
「本当に感謝感激でござる!」
マリアとアーロン、それにネコマールもやってきて僕の身体を掴んだ。
「胴上げしてもよろしいでござるか?」
「う、うん良いよ」
その声を聞くが早いかギルドメンバーたちは僕を持ち上げ。
「マスター万歳!マスター万歳!」
と思いっきり胴上げしてきた。
そうか……僕はこの皆で大きなことを成し遂げたんだな。そう思うと心がいっぱいになった。
「ありがとう!皆!」
胴上げが終わると女子を数人侍らせたルドルフが言う。
「どうですマスター。この後打ち上げにでも」
「おぉ!それは言いでござるなどこで飲むでござる?」
「そんなの後で決めりゃいいだろ!今夜は奢りだァ!」
そうしてアーロン、ルドルフ、ネコマール、ケルン、ジョージは僕の肩を組んで酒場に繰り出そうとして……
「待て」
そうマリアに冷静に止められた。
「なぜレンが貴様らに悪い遊びを教えられなきゃならない?」
「そうよ!どうせアンタらサキュバス店で飲んだくれる気でしょ!」
「レンちゃんはまだ子供なんだからね!」
「そんな下劣の店に行くより私たちと飲んだ方が良いですわよ」
そう言ってルナ、サラ、マリア達は僕の反対側の腕をつかむ。
「馬鹿言うでござる。主殿を盛りの付いた女冒険者の貴殿らに主殿を預けたら最後でござる!」
「きっとぐちゃぐちゃになって終わるのが関の山だぜ。なんせ女冒険者の大半は男犯してボロボロにするって言う噂を聞くからな」
「それは男冒険者の方だろう!」
男性陣と女性陣に腕を引っ張られ今にも裂けそうだ。この一連の騒動が収まるのはだいぶ時間がたってからだった。




