タイトル未定2026/03/29 21:42
スライムが敗れたことを知り、グラントは少々青ざめる。
「おのれ……あの女どもに倒されるとは……少々強度を強めるか」
そう言いつつ前を向き
「その猫を狩ってしまえ、窮鼠猫を噛むだったか?逆に猫が魚に食われる様は見物でしょうよ!」
「あまり猫を舐めるなでござる!」
ネコマールは巨大魚と格闘しつつ、風の斬撃を後ろに飛ばす。
グラントは魚の後ろに隠れる。風の刃は鰭をかすめるが、分厚い鱗に阻まれ傷は浅いようだ。
「あらよっと!風の斬撃なんて小賢しい真似をしやがるな」
「そちらこそ。テイムした魚を盾にして卑怯でござろう」
「うるせぇ俺がテイムしたんだから何に使おうがお前に干渉される覚えはないな」
グラントはそう言い放つ。そしてそのまま呼び出したドラゴンに乗って行ってしまった。
「最後にこれでも食らうと良い!」
ドラゴンのブレスがネコマールに襲い来る。ネコマールは鉄線で編んだ笠で受け止めるが……
「ならこちらはどうかな?」
別方向にブレスを向けられる。そこにはリザードマン達がいる。必死に避難しているがこれでは退避はムリだ。自分が飛びこんで体で止めるか……そう覚悟を決めた時、上から
「止めろー!」
レンが乗ったメカサソリが尾からワイヤーを出してドラゴンの顎の向きを変え虚空に撃たせる。そのまま全力で引きずりおろそうとするが相手も抵抗している。
「主殿!」
「ここは任せなさいな。レンちゃんとジョージケルンと一緒にドラゴン討伐してやりますわ!」
「あぁルナ殿。かたじけない。後主殿にお伝えください」
「何かしら」
「このテイマーは絶対に見逃されないようにと」
「当然ですわね」
ルナは空に飛んでいった。
「さて、ここからが拙者の本領でござるな」
目の前の湖を見る。その身体は湖面に隠れいつ誰を襲うか分からない。湖面を風で斬っても水が切れて表面を見せるだけだ。
「己……これでは見切りようがない。水の中では無敵と言うことでござるか……」
ネコマールは刀を収め、目を閉じて考えた。
(しかしこちらにも勝ち目がないわけではない。元々拙者たち獣人族は他人より感度が高い。特に猫の拙者はひげで天候すら感知する……集中するのだネコマール相手の動きはどうか、水の動き相手の呼吸……今まで何十回も釣りをしてきて分かっている基本ででござる。さぁ来い)
ネコマールはふとひげに妙な動きを感じた。
「ここかぁ!」
ネコマールが走り出すと丁度巨大魚が姿を現す。標的は……ネコマールではなく先のブレスに怯えて動けなくなっているリザードマンの子供。どこまでも酷い怪物である。
「ちえすと~!」
ネコマールは腰の刀に手をかけて巨大魚に飛び掛かった。
(一度斬って分かった。恐らくこの魚は一回切っただけでは倒せん。そして斬れば最後いつ湖に戻り別の方を狙うかもしれん。いたちごっこになる……だから)
「風魔術……気圧砲!」
ネコマールは刀を抜き放つ。しかしそれは魚を斬らない。しかし……二体の間にはバレーボール大の圧縮空気の塊がある。それが魚に触れると……
ボン!
破裂し魚を遠くに吹き飛ばす。
巨大魚は陸に打ち上げられた。
「陸に上がった魚なと脅威ではないわ!」
巨大魚は何とか動こうとするが水と陸では動ける範囲も絶望的に違い……
「覚悟!百裂風剣!」
ネコマールが空中で素早く刀を振るうと複数の風の刃が出現し、巨大魚に降りかかり鱗を切り裂いていく。
「成敗」
巨大魚はビチビチ動いていたがやがて動かなくなった。
「拙者は仕事を終えたでござる。主殿……ご武運を」
ネコマールは腰に刀を収めた。




