表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/95

第42話 意外な人物からの依頼

 僕が案内されたのは帝都に並んでいる屋敷の前だった。屋敷自体はルナ様の屋敷よりは小さいが見た目は派手らしく、やたら大きな門の両側には金色の像が付けられていて建てた物の趣味を象徴している。


 門の前には大柄な熊の獣人の衛兵がいて扉を開ける。


「レン様ですね。子爵がお待ちです」



 案内されたのは応接間だった。僕が座り後ろ側にルドルフ、サラ、ネコマールが立っている。


 遅れて屋敷の主が戻ってきて座る。屋敷の主は先の王城会議で散々苦言を呈してきたルーン子爵だ。


「大鬼族との喧嘩中にご足労感謝する」


 まだ嫌味を言ってくるよこの人……


「こちらも喧嘩したくてしたわけじゃないんですが」


「フン。知るか種族間の争いなど昔から見ていた。ワシの若い頃などしょっちゅうだったぞ」


「それで。僕に何か内々の依頼でしょうか」


「あぁ依頼だとも貴様に関係ある依頼がの」


 そう言って僕に書類を差し出してくる。


「かつて帝都にドラゴンが襲来したことがあっただろう」


 ドラゴン……あぁ僕がマスターになる前にやって来て倒した怪物か。


「はいちょっと前に撃破しました」


「撃破か……実は問題はそれだけでは済まなくてな」


 子爵は咳払いをする。


「あの種類のドラゴンの元々の生息地は知っておるか?」


「生息地……ですか?」


「知らぬようだな。バーン島だよ」


「バーン島ってあの怪獣島バーン島ですか?」


 バーン島。この帝都から西に進んだ先にある帝国の西岸から更に船で1週間くらいかけて着く無人島。いや有ドラゴン島と言った方が良いか。


 島にいるのは最低でもB級の魔物で上はS級、SS級の魔物がゴロゴロいる危険島。正直腕試しに行くのはお勧めしないそもそもその外海にもS級の魚は泳いでいて五体満足で着くことは保証しない。


「そんな危険島ならドラゴンがいても違和感ないですが……」


「そんな僻地のドラゴンがこの帝都にふらっと遊びに来るかね?」


「あ、遊びには来ないでしょうね。でもここに来て……」


ここで僕はある事実に気づく。


「まさか何者かにテイムされたドラゴン?」


「ビンゴだ。そうどこかの命知らずがテイムしてきたらしい。そしてその命知らずは愚かにもこの帝都の近くで放したらしい」


「放したってそれじゃほぼドラゴンに帝都を襲撃させたのと同義じゃないですか。じゃ、あの騒動は黒幕がいると?」


「まぁ少なくとも調べたデータを元に陛下はそうお考えになっている。それでワシに話が回って来た。このことについて調べてはくれまいか?」


「しかし何で僕なんかに……」


困惑する僕に子爵は告げる。


「そのことを説明するにはちょっと役者が多すぎるな」


 子爵は後ろに目をやる。そう言うことか。


「ルドルフ、サラ、ネコマール退席して」


「「「了解」」」


 三人は扉を開けて出て行った。


「それで。僕の身内を排除してまで話したい僕に依頼した理由とは?」


 子爵は苦笑してから真面目な顔に戻ると。


「これは陛下にもまだ伝えていないことなのだがな」


 子爵は信じられないことを言い出した。


 この帝国内部に内通者がいる可能性があると。



「いやあくまで可能性の一つなのだがな。正直その線は薄いと思っていたし」


「だから密室で誰にも聞かれないようにしたんですか。意外と考えてますね」


「バカじゃ事務方の作業は務まらんよ。それで貴様に依頼した理由はもう一つある」


「何ですか?」


「ワシと貴様の仲が悪いからだ」


「へ?」


「先の王城での件でワシと貴様の仲が悪いことが知れ渡ったではないか。ギルドマスターが六人いてワシはまず誰に依頼しないと思う?」


「僕ですね……」


「そう!だからワシが絶対依頼しない相手に依頼することで油断を誘えるということよ」


 子爵は僕の肩を掴んで揺さぶる。


「まぁ依頼料を払ってくれるなら良いですけど」


 こうして僕は依頼を受けることにしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ