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第37話 ギルドマスターだってやはり子供

 フィオナはギルドのロビーの隣のスペースで作業をしていたので、僕は受付を通して声をかける。


「どう?進んでる?」


「まぁ一応進んでるわねマスター。いくつかの古代の遺物の復元に成功したわ」


 フィオナの周囲にはいくつかの機械が積んであった。


「例えばこれなんか面白いんじゃないかしらね」


 そう言って機械を持ち上げる。それは工事現場のクレーンのようなもので先にはコップが付いている。


「これは古代の玩具ね」


 フィオナはコロコロしたものを入れるとクレーンの土台に付いたスイッチを押した。思いっきり振りかぶるとクレーンが勢いよくコップを伏せた。


「古代の博打機ね。ほら張った張った!」


 フィオナが叫ぶと酒場で談笑していたネコマールとルドルフが飛んで来て

「丁!」


「半でござる!」


 と勢いよく叫んだ。


「答えは……半!ネコマールの勝ちよ!」


「っしゃ~でござる!これでしばらくは飯に困らないでござるよ」


「クソ!これでネコマールに4連敗だ……」


 何か二人は賭けているらしい。


「ちょ待った待った勝手にギルドで丁半を始めないの!フィオナも何さその機械!」


「何ってマスター古代遺跡の遺物を復元してるんじゃない」


「古代遺跡ってそんなものもあるの?!確か古代の要塞だよね」


「要塞だって人が住んでいたんだから武器だけじゃなく娯楽用品くらい出るわよ。あ、このサイコロはアタシの自前だけどね」


 そう言いながら別の物も見せる。


「他にもこれとかどうかしら?クロスボウ。の形をしたダーツ射出機よ。このダーツ台に向かって撃ちこむの」


「それってダーツの意味あるでござるか……」


「何よ!実用的なものだってあるんだから!」


 フィオナは僕に台車を押してくる。


「これとか古代の移動手段の魔導車よ!この時代から魔力で動く車があるのは興味深いわね」


 これは面白そうだ。僕も近づいていく。


「これは一人乗りみたいね。マスター乗って街でも回ってきたら?」


「うん!そうするよ!」


 こうして僕は明るい顔でオープンカーに乗って出かけて行って……すぐに暗い顔で帰って来た。


「あら?早かったじゃない。この車そんなに速かった?それとも不調?」


「こ、これ……」


「これ?」


「ゴーカートじゃないですか!これで街走ったら周囲からどれだけ好奇の目で見られたか!挙句の果てにカナタに遭遇して『レン。君もやはり年相応なところがあるんだね』なんてイケメンフェイスで言われてうわ~ん!僕は子供じゃないよ」


 僕はソファに飛び込む。


「子供でござるな……」


 ネコマールが苦笑するが気にもしない。何で僕がこんなことに!


「はぁ……もう分かったわよ。この車を玩具だって笑われないようにすればいいのね?それなら任せなさい」


「え?できるの?」


「技術は日進月歩なの。古代技術より現代の技術の方が進んでいる点もあるのよ?そしてアタシはそれを手にしているわ」


 フィオナは胸を張った。


「今から改造するわ。手の空いているメンバーは手伝いなさい!」


 こうして車の改造計画が始まったのだった。その結果とんでもない代物ができるとも知らずに。

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