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第33話 あまりにも危険すぎる研究所(前編)

 ルドルフ曰くその技師がいる場所は帝都から近い所にあるらしい。僕は風呂敷を背負ったルドルフとネコマールを連れてその場所に会いに行った。


 建物は非常に古臭くボロボロな倉庫で人が住んでいるようには思えない。開発されていたものの魔獣被害を受けて以降放棄されたような場所である。


「えぇ~マジでこの建物に専門家がいるでござるか?」


「そうだネコマール。俺の見立てでは今はいるはずなんだが……ってネコマール!不用意に扉を触るな!」


 ルドルフは叫んで僕の頭を持つと「マスター伏せて!」

 そう下に落とした。


 ビュン!と上から何かが飛んで来る音が聞こえると後ろの木々からバキバキと本来鳴ってはいけない音がした。


「え……今のは?」


「多分刃物でしょう。ってえ?」


 パカっと音が鳴って僕らは下に落ちそうになる。のを僕は幸運で丁度落ちないところを引いた。でもルドルフは落ちそうだ。


「ルドルフ大丈夫?!」


 僕とサラは二人で落ちそうなルドルフの腕をつかんで踏ん張って引き上げる。


「あら~侵入者撃退用の防犯装置にも盲点があるなんてね!」


 奥から現れたのは白衣を纏った背が低く若い女性で頭にはゴーグルをつけている。


「フィオナお前……」


 ルドルフはどうやら彼女を知っているらしい。


「誰かと思ったらルドルフじゃない。なにバカな姿晒してんのよ」


「お前が仕掛けた殺人兵器のせいだろ!何だここはダンジョンか何かか?」


「ダンジョンじゃないわよ。防犯装置よ!最近賊が多いから」


「防犯装置じゃねぇ殺人兵器じゃこれは!ねぇマスター?」


「う、うんこれは殺人目的のものだと思うよ」


 僕もさすがにルドルフに同情する。



「はぁ~アンタらは科学のかの字も分かんないわねぇ」


 フィオナはそう言うと壁のボタンを押す。すると床がまた元に戻り、ルドルフが床の上に倒れた。


「マスター……彼女は帝都で指折りの技術者ですがその分機械バカでこの倉庫に山ほどの機械を積んでいます。その把握は誰にも不可能だと……」


「失礼ね!流石にアタシは分かるわよ。これが侵入者用のレーザーでしょ?でこれが200倍の濃度の殺虫剤を吹きまくる装置。今作動してたのはギロチン装置と落とし穴で侵入してきた賊をそのままエネルギー炉にぶち込んで燃料にする装置……後者の方は作動したことないけど」


 恐ろしすぎるよ!ここまで殺意にあふれた装置だらけだと倫理観を学校で忘れて来たのかと思っちゃうよ。


「僕はレンと言ってギルドマスターをしているんです」


「ふぅんそれで何の用?」


「あれ?驚かないんですか?」


「別に驚かないわよ。こっちは七歳から技師一筋よ?」


 普通に学校に通ってなかったんだけど……


「まぁそれは置いておいて古代の遺跡に潜入しまして。この古代の遺物を手に入れたんですけど生憎こちらには機械を扱える人材がいないのでお力をお借りしようと」


「古代の遺跡?丁度暇してたからいいわ。見せてみなさい?」


 そう言われたので僕は風呂敷から機械を出してみる。フィオナは工具を手にしながらそれを慎重に見ていく。



 そして僕らは気づかなかった。フィオナが殺人装置を用意してまで警戒していた賊がこちらに迫っていたことに……




 先ほど切られた木の陰で二人の男が話し込んでいる。一人は背が高くもう一人は背が低いが太っている男だ。


「アニキ。今の武器は頭おかしいだろ!行くのやめようぜ?」


「バカ野郎お前は身体は超えていても頭の中は肥えていねぇな。今丁度その装置の電源が切られたばかりだろうが!今が盗むチャンスなんだよ!」


「でも……中に人も入っているし」


「まともなのは優男一人だけで後はガキと女じゃねぇか。問題じゃねぇよとっとと行くぞ!」


 そうして二人の賊は廃倉庫をもう一度見たのだった。

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