第100話 選別
古い教会。ステンドグラスは割れ、夕日の光が床に長く伸びていた。
僕はギギィと扉を開ける。
祭壇の前には既に先客がいたらしい。
向かいにはセラフィナ。
白い法衣を纏った聖女は、いつものように穏やかに微笑んでいる。
「突然お呼び立てして申し訳ありません」
「いえいえ一世を風靡している聖女様のお呼び出しとあれば断る訳には行きません」
僕は笑顔で答える。一人で来てくれと言われたけれど一体何の用事なんだろう。
「それで話とは何ですか?ギルドではできない話でしょうけど」
セラフィナはゆっくりと首を傾げた。
「一つだけ気になっていたのです」
気になっていること?この聖女が僕に質問するようなことがあるのか。
「なぜ悪魔族のルドルフを側に置いているのですか?」
その質問を聞いた途端僕は呆れた。あの路地で羽を出していたのを信者が見ていたのかな?
「どこから手に入れたかは聞かないでおきましょう。でもルドルフはうちの筆頭魔術師です。何よりも大切な仲間です」
「しかし悪魔族ですよ?人を惑わし堕落させるという」
「それは言い伝えの話です。実際はそんなことありませんよ。実際ギルドでタイガを破った時、あのテイマーの襲撃の時、何より貴族領域での反乱の時。彼はきちんと戦いました。映像や証言はいくらでも残っています。マリアやアーロンもそうです」
僕は厳しく言い放つ。彼女は選民思想があるようだがそんなのこの時代にはそぐわない。
教会が静まり返る。




