↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スクリーム・ノート II  作者: 藤沢凪
PR
7/50

五十七頁    狐 壱   『狐森沙耶』

 五十七頁

 

 狐 壱

 

『狐森沙耶』

 

「沙耶ちゃん? ちょっと放課後残ってもらっていいかな?」

 

 阿久津に笑顔でそう言われた。

 

 嫌だよ。あんた何考えてるか分かん無いんだもん!

 

「あ、あたし今日……」

 

「えっ? なんで? 友達だよね? 友達だよねぇ⁉︎」

 

 いっつもこれなの‼︎ 友達ってこんなに都合の良い関係だったっけ⁉︎

 

「わ、分かったよ……」

 

「えっ? 良いの? なんで⁉︎ 予定ある雰囲気じゃ無かった⁉︎ 何でそんな簡単に予定変えれる訳⁉︎」

 

「い、いや、そんな優先する程の予定でも無かったから……」

 

 別にただ断りたかっただけだから。

 

「そうなんだ? それって、どんな用事? それを捨てて私の用事に付き合ってくれるんだよね? 知りたい、知りたい‼︎ その用事の内容で沙耶ちゃんにとっての私の友人レベルが露わになると思うんだ‼︎ その程度の用事で私の誘いを断ろうとしたと感じるのか、そんな大事な事を放ってまで私に付いて来てくれるのかと感じるのか⁉︎」

 

 早口で喋んなよ! 何これ⁉︎ 用事の内容なんて何も考えて無かったし‼︎ わざわざ聞いて来る奴なんて居るんだな⁉︎

 

「あ、あんまり……言いたく無い事なの……」

 

 って言ってる内に考えろ! 丁度良い用事を考えろ‼︎ あぁ、あとあんまり言いたく無いって条件付いちゃった。どうしよう……

 

「えっ、えっ、身内の不幸?」

 

 そ、それだ‼︎

 

「そ、そうなの……」

 

「えぇぇぇぇぇぇぇッ! そっかァァァァァアッ‼︎ 身内の不幸よりも私を優先してくれるんだぁ⁉︎」

 

「そ、そうだよ」

 

「それで……」

 

 急にテンション下がった⁉︎ 怖っ‼︎ ってかヤバいのか⁉︎ 身内の誰がどう不幸なのか言わないといけない感じ⁉︎ どうしよ? 誰が死んだ事にしよう⁉︎

 

「あ、あの……」

 

「野暮だよね? そんな事聞くの、良く無いよね?」

 

 そういう良識はあったりするのか?

 

「う、うん……」

 

 急に、阿久津に両肩を掴まれた。

 

「今の返事、とっても辛かったんだろうね? 身近な人が亡くなったのかな? それでも私を選んでくれたのは、私だったら辛い気持ちを払拭させてくれると思ってくれたからかな? 私を、頼ってくれたんだね? 大丈夫、もう、離さないから」

 

 離してください‼︎ そんなに強く掴まれて無い筈なのに、両肩が重いっす‼︎ その場を切り抜ける為の嘘が、自分にここまで不利に働くなんて思って無かったんです‼︎

 

 取り敢えず、放課後自分の席に残っていると、阿久津が声を掛けて来た。

 

「沙耶ちゃん、行きましょうか?」

 

 何処に? 何するかも知らないんだけど私……

 

 阿久津に連れられ、少子化の影響なのか? 使われていない二年五組の教室に入って行った。そこには、二人の女の子が居た。

 

「あっ! 阿久津さん!」

 

「ま、待っておりましたよ?」

 

 その二人の顔は、引きつっていた。

 

「良かったぁ! 来て無かったら、私、どうにかなっちゃう所だったよ」

 

 ヒィィィッ‼︎ 怖いから、そういう事言うのやめてくれないかな?

 

 ………………

 

「冗談ですよ? 笑ってね?」

 

 いや、笑えないんだよ。

 

「あ、あ、アッハッハ、アッハッハ‼︎」

 

 はっ?

 

「あ、アハハ、アハハ、アッハッハ、アッハッハ‼︎」

 

 怖っ……この二人、洗脳済みだったって訳ね⁉︎

 

「晶ちゃんとさやかちゃんだったっけ?」

 

「はい」

 

 二人の声が揃った。

 

「それで、一組で何かあったの?」

 

 何かあったのか? それで、何故あたしを呼ぶ必要がある?

 

「女神って、知ってますか? 三上恵理奈」

 

 あっ、知ってる。めっちゃ綺麗な子だよね?

 

「知らないな?」

 

 あんなに目立つ子なのに本当かな? でも本当っぽいんだよなぁ。阿久津はマジ何考えてるか分かんないし。

 

「女神に、支配されてるんですウチらのクラス」

 

 そうなの? でもこの二人何か悪人顔なんだよなぁ。良くないか? 人を見た目で判断しちゃ。

 

「なんで?」

 

 あっ、大丈夫? スイッチまだオフかな? 面倒事に巻き込まないでよ……

 

「なんで……? あの、何か、そういう風になっちゃって……」

 

「許せない」

 

 はいスイッチ入っちゃいましたぁ!

 

「えっ? あの……」

 

「学園生活の中で、友達を作るってとってもかけがえの無い事じゃん? それを奪うってなんなの? マジ、有り得ないんだけど‼︎」

 

「そ、そうなんですよ……」

 

「私がそいつ分からせてやる。明日、そいつを連れて来い」

 

 私、何一つ喋らなかったな? 要らなかったよね? と思いながら教室を出て帰ろうとすると、阿久津に肩を掴まれ、耳元で囁かれた。

 

「沙耶が居てくれたから、あまり面識の無いあの二人とも普段通り喋れたんだよ? ありがとう」

 

 …………

 

 あぁ! もぉ! 嫌なの‼︎ 優しくしないでよ⁉︎ ヤバい奴だってのは分かってる! 分かってるんだけど……距離置こうとしてるのに、友達だからとか声掛けてくるし、迷惑なんだよ……どうせ、あんたはみんなが友達なんでしょ⁉︎ 何このモヤモヤする感じ⁉︎

 

 マジ、意味不明なんだけど?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。