コスモスー僕ー
別れてから一年弱経っただろうか。久しぶりに元彼女からメールが来た。
「お久しぶり。元気って聞く挨拶の代わりに、彼女できたの?」
彼女はあの時と変わらず平常運転だった。いったいどこまで僕の面倒を見ようとしているだろうか。
僕は高校を卒業して、小さな会社で働いていた。今は生活をに慣れる事で精一杯だった。彼女なんか作る暇はない。だって彼女とは違うから。
「んなわけ無いやろ。そっちこそ恋人出来たの?」
僕は知っていた。彼女が性別関係なしに人を愛することを。だから、こうやって聞く。
正直、性別を気にしないなんて、理解はできないでいた。ただ、それなりの対応を、自分なりに頑張ろうとは思っていた。
「できるわけ無いじゃん。一緒だね。」
馬鹿にしてきた。僕はちょっといらついた、少しムキになっていたかもしれない。
久しぶりに彼女からメールが来るのは、本当に心臓に悪いことだ。なんの目的かわからないから、僕は無駄に困惑しなければならない。
「僕は忙しいだけ。作ろうと思えば作れるし。」
「そうなんだ。いいな。私は叶わない恋をしてしまったから、ちと羨ましいわ。」
彼女が急に連絡をとろうとしていた理由は、自分の恋愛話をしたかったからなのか。そんなところも変わってないな、僕はどこか懐かしさを感じていた。
ところで、叶わぬ恋とは何なのか。僕は気になってしまった。
「実はさ、先生を好きになってしまったんだよね。」
残念だけど、僕は驚かない。だって彼女はいろんな伝説を持ってるのだから。僕の前の彼氏は、僕よりもずっと歳が上だったはずだ。確か僕より6つ上だった。
「そりゃ叶わないね。お疲れ様です。」
彼女は友達がいないのか。相談する相手を間違っている。悲しい人だ。
でも、結局、それからかなりの時間、彼女の話に付き合わされていた。
「あなたぐらいしか本音で話せる人がいないから、ありがと。」
彼女は、僕にも気を使おうという気にはならないらしい。
「ま。スッキリしたなら良かった。」
彼女はきっと人一倍苦しむだろう。普通と言われる平坦な道とは違う、凸凹な道を歩もうとしている。
「最後に質問していい。」
「答えられることなら別にいいけど。」
「私のこと、一度でも好きでいてくれた?」
「もちろんだよ。好きだった。」
これから一生連絡を取らない約束をして、メールをやめた。もう彼女とのメールが開かれることは、ない。




