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赤いアネモネ  作者: サイダー
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オダマキ(2)ーあたしー

彼女に初めておかしな事を言われたのは、中学3年の冬だっただろうか。

あたしは彼と上手くいってなくて、日常かのように喧嘩をしていた。

彼女は色々知っていた。

人は傷ついている時に優しくされると気持ちが変化しやすいことも、あたしが別に彼を嫌いになったわけでもないことも。

ある日から、彼女はあたしを避けていた。あたしは正直嫌われているのかと思っていた。でも、それはそれで良かったのかもしれない、とも思えた。

その事実は思っていたのと違った。何ヶ月かぶりに彼女からはメールが来た。

「何で彼氏がいたら友達なんか要らないって言ったの。」

彼女が起こっていたのは事実だったが、あたしのことを嫌っている訳ではなかったのだ。

「あなたを大切にしない彼氏を優先順位あげちゃってどうするのさ。」

彼女はいつまでもあたしを心配していたのだ。あたしは正月の夜中に除夜の鐘を聞きながら泣いていた。

月はいつもより綺麗な白色に輝いていた。

「申し訳ないが、言葉を選ばないよ。」

彼女がその一言をメールで送ってきたときから、時計の歯車は狂い、正確なリズムを刻んでいた針の音が乱れていった。

「最低な彼氏と別れて、自分と付き合ってくれないか。あんな奴よりかはあなたを大切にできるし、幸せにできる。絶対する。」

彼女の考えている事が全くわからなかった。あたしは彼が大好きだ。

なぜ別れなければいけないのだ。自分勝手な人だったとは、少し残念に思って、つい、ため息が漏れる。

「ごめん。別れる気はないから。」

あたしは一番ストレートに思いが伝わる言葉を選んだ。

それなのに彼女はこんなことをメールしてきた。

「自分勝手な事言ってごめん。返信してくれてありがとう。」

「幸せそうで良かった。」

彼女はあたしのことを、きっと、いや絶対一番知っている。あたしがいつも心配をかけまいと喧嘩をしている事実しか伝えていないから、他に悩んでいる事があるのでは?と考えて、あえてこんな形で聞いてきたのだろう。

…あたしの考察は違った。彼女は半分本気だった。

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