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白い菊
第三章 白い菊
彼女は音楽が好きだった。
音楽だけは彼女を許してくれた。彼女もまた音楽だけには心を開いていた。音楽は居場所を作っていた。
彼女の愛する先生は音楽が好きだった。彼女の夢を聞いては笑顔を向けていた。来世はピアノを弾く人生にしたいとも言っていた。
彼女は生きる価値を、全て音楽に掛けていたのだ。
でも、音楽の夢から出た現実は、彼女を受け入れようともせず、受け入れる気もなかった。現実は現実を見せた。現実は優しくはなかった。
性別の壁ははっきりしている。男は男で、女は女だ。子孫を残し反映していく過程で最も大事な括りになる。
それでも、彼女は括られる事を嫌った。
彼女は自分という性別で認めてくれる世界をさがしていたのかもしれない。




