表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナイトコードΩ 【残響の封印】  作者: 神北 緑


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/119

ロンドン郊外――廃工場跡地

ミラ・カステリ。

兄の失踪と、世界の歪みに向き合う捜査官。

何もないという異常。


雲のベールを纏った満月が、揺らめくライトのように空を照らしていた。

その光は、かつての凄惨な事件の記憶を覆い隠すかのように、瘴気の渦を闇へと逃がしていく。


古びた工場跡。

崩れた瓦礫の山が、そこにあった争いの激しさを物語っていた。


その静寂の中、ひとつの影が周囲を慎重に確認していた。

ミラ・カステリ――彼女の姿が、月光の下に浮かび上がる。


「兄が最後に消息を絶った場所……」


瓦礫が散乱するだけで、目立った痕跡は何も残っていない。

だが、ミラの目にはその“何もなさ”こそが異常に映った。


「連続テロとは真逆……不自然なほど、何も残されていない。」


その光景に、彼女の確信はさらに深まる。

微かに漂う硝煙と硫黄の混じった匂いが、過去の暴力の痕跡を静かに語っていた。


「兄が消えたこの場所……報道では事件としてすら取り上げられていない。」

「なぜ、ここだけが“無かったこと”にされている?」


その時、一瞬差し込んだ月の光が、瓦礫の隙間で何かを反射した。


「……これは? 毛……? 白い毛髪ではない。かなり太い……」


人間のものとは思えない、獣とも違う、説明のつかない毛だった。

ミラはそれを慎重に拾い上げ、ポケットにしまう。


「スコットランドヤードに分析を依頼しよう。」


そう呟くと、彼女は静かにその場を後にした。

月光が再び雲に隠れ、廃工場は闇に沈んでいく。


「ノクターン古書店――不確実性の希望」へ続く。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ